知らない世界へ帰りたい(日本探求)

自分の祖先はどんなことを考えていたのか・・・日本人の来し方、行く末を読み解く試み(本棚10)。

「神社のススメ」

2010年10月07日 06時47分57秒 | 神社・神道
田中ユキ著、講談社アフタヌーンKC、2005年発行。

ふとしたきっかけから知った「神社マンガ」です。
神社で働く神主さん(今は宮司さんと呼ぶことが多い)や、巫女さん、バイトなどの人間模様を中心に、かつ現代神社台所事情も垣間見せるなかなかのストーリーで楽しめました。

まあ、分野としてはラブ・コメディで、「いい人系宮司見習い」と「ミステリアス美少女系巫女バイト」(実はお寺の娘の女子高生)が織りなす恋模様がメイン。昔のときめきを思い出させてくれました(笑)。

神社とお寺を絡ませたところが、ポイントの一つですね。
両者とも世襲が色濃く残るいまや希少な職種ですが、跡継ぎ問題を巡る親子の確執も描かれており、ストーリーにふくらみを持たせています。
あっけなくハッピーエンドなので少々肩すかし気味でしたが。

今時の狛犬フェチや、巫女さんフェチなども出てきました。
ネットで検索すると、結構ヒットします。
そういえば、鳥居フェチの出番はなかったなあ。

神社の台所事情について;

一般に神社にはお墓はありませんので、お寺の檀家さんのように固定客・収入がありません。
昔から「管理するお金はどうしているんだろう?」と疑問を持っていた私です。
その収入源は、そこそこの規模の神社であれば地域の人々(氏子さん)の組織によるサポートがあり、また賽銭や神前結婚式の祝詞やお祓いなどで成り立っているようです。

私は「鎮守の森巡り」と称して神社参拝することを趣味としていますが、田舎の小さな神社は氏子組織が空中分解しているのか、管理されず放置され荒れ放題の社に出会うことも少なからずあり、このマンガで取り上げられている都市部のそれとは事情が異なるように感じます。
公民館や集会所が併設され、地元の人が集うシステムが生きているところも多いのですが。