両者ともに、現代日本を代表する宗教学者です。
本日、山折哲雄氏(86歳)のインタビュー番組を見ました。
ちょうど、彼の講話集「やすらぎを求めて」をドライブ中に聞いていたタイミングです。
キーワードは「ひとり」。
昨今、コミュニケーション能力が重視される社会環境ですが、「ひとりで生きる知恵・強さ」を持つべきである、と説かれます。
これは三木清の「人生ノート」にも共通する思想ですね。
この「ひとり」という言葉は、古くは『万葉集』にも使われており、歴史に名を残す仏教思想家の残した言葉にも垣間見える、とのこと。
山折氏の話は、時に説教的に聞こえがちです。
彼の中には「清く正しく美しく」という日本神道の精神があるのだと感じます。
曲がったこと、だらしないことが大嫌い。
講話集CDの中でも、大学生が授業を聞かない様子を嘆いていました。
ヘルマンヘッセの「知と愛」(ナルチスとゴルトムント)に例えると、まさしくナルチス・タイプですね。
インタビューの中で、ある時蔵書を処分しようとしたけれど、柳田国男全集、長谷川心全集、親鸞全集だけは捨てられなかった、と告白していました。
私も敬愛する民俗学者・柳田国男の影響を多大に受けていることを知り、ちょっとうれしくなりました。
■ こころの時代~宗教・人生~「ひとりゆく思想」(山折哲雄インタビュー)
(2018年2月4日:NHK-Eテレ)
<番組内容>
宗教学者として、日本人の死と生の思想を見つめ続けて来た山折哲雄さん。親鸞や一遍、歌人の西行など、先人たちの「ひとり」の哲学を、老いの日々の中で語っていただく。
<出演者>
【出演】国際日本文化研究センター名誉教授…山折哲雄,
【きき手】西世賢寿
<詳細>
山折哲雄さん、86歳。宗教学者として、日本人の死生観や無常感を見つめ続けて来た。今、山折さんの心を捉えるのは、鎌倉の動乱の世を生きた親鸞や一遍、そして歌人の西行や、後世の俳人芭蕉など、信仰と美に生きた、はるかな先人たちの姿だ。1年前、心臓の大手術をした山折さんは、自らの「存在の軽み」を感じたという。老いの体験を交えながら、彼らの生と死の哲学、その「ひとりゆく」思想について語っていただく。
山折哲雄氏の前に聞いていたのが、ひろさちや氏の講話集CD「日本の神さま仏さま」です。
ひろ氏の著書もいくつか所有しているのですが、文章がくどくて受けつけません。
でも彼の考え方には興味があり、CDなら聞けるかな、と数年前に購入。
ひろ氏は話が上手です。「何でも知っているおじさん」という印象。
仏教にも神道にも通じているので、話も膨らんで飽きさせません。
中でも記憶に残っているのは、仏教と神道の関係です。
「仏教が伝来したとき、それまでの日本の宗教(というか習俗)を神道と呼ぶようになった。その後仏教が習俗化して神道に近づき、二つは混ざり合って発達したが、明治政府がそれをバリバリと無理矢理剥がすように分け、神道を国家神道に作り上げた。戦後国家神道の考え方は捨てられ、現在に至る。」
それから、仏教の考え方で頷けた部分;
「勉強が好きな人は出世して幸せになれる、しかし勉強が苦手な人にもその人に会った幸せがあると説くのが仏教」
これは「ナンバーワンよりオンリーワン」の精神と同じですね。
山折氏とひろ氏が並んで大学で講義をしたら、おそらくひろ氏の方が人気が出るだろうなあ。
山折氏の講話集CDをもう一つ手に入れました(「日本人の心と祈り」)。
聞くのが楽しみです。
本日、山折哲雄氏(86歳)のインタビュー番組を見ました。
ちょうど、彼の講話集「やすらぎを求めて」をドライブ中に聞いていたタイミングです。
キーワードは「ひとり」。
昨今、コミュニケーション能力が重視される社会環境ですが、「ひとりで生きる知恵・強さ」を持つべきである、と説かれます。
これは三木清の「人生ノート」にも共通する思想ですね。
この「ひとり」という言葉は、古くは『万葉集』にも使われており、歴史に名を残す仏教思想家の残した言葉にも垣間見える、とのこと。
山折氏の話は、時に説教的に聞こえがちです。
彼の中には「清く正しく美しく」という日本神道の精神があるのだと感じます。
曲がったこと、だらしないことが大嫌い。
講話集CDの中でも、大学生が授業を聞かない様子を嘆いていました。
ヘルマンヘッセの「知と愛」(ナルチスとゴルトムント)に例えると、まさしくナルチス・タイプですね。
インタビューの中で、ある時蔵書を処分しようとしたけれど、柳田国男全集、長谷川心全集、親鸞全集だけは捨てられなかった、と告白していました。
私も敬愛する民俗学者・柳田国男の影響を多大に受けていることを知り、ちょっとうれしくなりました。
■ こころの時代~宗教・人生~「ひとりゆく思想」(山折哲雄インタビュー)
(2018年2月4日:NHK-Eテレ)
<番組内容>
宗教学者として、日本人の死と生の思想を見つめ続けて来た山折哲雄さん。親鸞や一遍、歌人の西行など、先人たちの「ひとり」の哲学を、老いの日々の中で語っていただく。
<出演者>
【出演】国際日本文化研究センター名誉教授…山折哲雄,
【きき手】西世賢寿
<詳細>
山折哲雄さん、86歳。宗教学者として、日本人の死生観や無常感を見つめ続けて来た。今、山折さんの心を捉えるのは、鎌倉の動乱の世を生きた親鸞や一遍、そして歌人の西行や、後世の俳人芭蕉など、信仰と美に生きた、はるかな先人たちの姿だ。1年前、心臓の大手術をした山折さんは、自らの「存在の軽み」を感じたという。老いの体験を交えながら、彼らの生と死の哲学、その「ひとりゆく」思想について語っていただく。
山折哲雄氏の前に聞いていたのが、ひろさちや氏の講話集CD「日本の神さま仏さま」です。
ひろ氏の著書もいくつか所有しているのですが、文章がくどくて受けつけません。
でも彼の考え方には興味があり、CDなら聞けるかな、と数年前に購入。
ひろ氏は話が上手です。「何でも知っているおじさん」という印象。
仏教にも神道にも通じているので、話も膨らんで飽きさせません。
中でも記憶に残っているのは、仏教と神道の関係です。
「仏教が伝来したとき、それまでの日本の宗教(というか習俗)を神道と呼ぶようになった。その後仏教が習俗化して神道に近づき、二つは混ざり合って発達したが、明治政府がそれをバリバリと無理矢理剥がすように分け、神道を国家神道に作り上げた。戦後国家神道の考え方は捨てられ、現在に至る。」
それから、仏教の考え方で頷けた部分;
「勉強が好きな人は出世して幸せになれる、しかし勉強が苦手な人にもその人に会った幸せがあると説くのが仏教」
これは「ナンバーワンよりオンリーワン」の精神と同じですね。
山折氏とひろ氏が並んで大学で講義をしたら、おそらくひろ氏の方が人気が出るだろうなあ。
山折氏の講話集CDをもう一つ手に入れました(「日本人の心と祈り」)。
聞くのが楽しみです。