Sweet Dadaism

無意味で美しいものこそが、日々を彩る糧となる。

憧れのダブルチェスター

2009-12-01 | 物質偏愛
 コートがない。
 いや、手元にはあるのだけど。いかんせん古びてきたので新調しようとしたのだが、市場にない。
 欲しいのは、スーツの上から着られるコート。ジーンズでも着られるコート。もっと贅沢をいえば、出張でも簡単なパーティーでも着られるコート。 

 昨今市場に並んでいる女性用のコートは、ビジネスシーンを想定していない。女性らしい華奢なラインを形成するため、肩はギリギリか少し内側に入り込むくらいに狭く付けられ、アームホールは非常に細い。とてもじゃないが、肩がカチっと作られたジャケットの上に羽織れる代物ではない(肩が入らない)。
 暫くはウロウロと探してもみたが、これはいけると思うものは軒並み200K以上なので、もういい加減諦めた。諦めた挙句、作ることにした。

 作るとなると俄然欲が出てくるのが我ながら困ったものだ。私がもしも男性だったなら間違いなく憧れるだろうチェスターフィールドコート(パターン画像参照)をベースに、トレンチの要素を加味しながら少し崩すことにした。

そもそもチェスターフィールドコートとは、1830年代の英国の洒落者、第6代チェスターフィールド伯爵に由来する。乱暴な表現だが、テーラードジャケットの丈を膝丈まで伸ばしたようなスタイルで、隠しボタンになったシングルコートだ。胸ポケットも袖ボタンも付いており、場合によっては上襟に黒ビロードがあしらわれることもある(※“ブラック・ヴェルヴェット・カラー”と呼ばれ、フランス革命期の英国で、フランス貴族の相次ぐ処刑に哀悼の意を表するためにはじまったデザイン)。これは、現在の男性用コートのなかでもっともドレッシーな存在とされている。

 わたしのビジネスシーンにはそんなにフォーマルな場面は出てこない。更に、本来のチェスターならばカシミアで作りたいところだが、日々の雑務に耐えるためにはカシミアは不適当であり薄手のウールがより好ましい。寒がりなので丈は長いほうがいいし、とはいえちびっこなので重い印象になるのは避けたい。
ということで、以下のようなオーダーになった。

○生地はスーツ用の薄手ウール
○チェスターフィールドをベースに、ダブルブレスト
○襟はテーラードではなく、台つきの立ち襟
○肩パッドなし
○ポケットは縦の縁つき(フタなし)
○ボタンは3×2=6
○ベンツなし(足裁きは前)
○ベルトなし

細かい箇所についてはここには書いていない小うるさい注文を色々と出したが、細かい仕様については、出来上がりのときに付記することにしよう。
さてさてどうなることやら。 





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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (野人)
2009-12-02 08:14:25
お久し振りです。
コート。
気が付けばそんな季節。
あの日から相当な月日が経過。
でも、あれから1回位しか近場まで行ってないです。

あの後から、うちの会社は激動へ。

自分の会社の整理をこの手でしようとは。
いやはや。
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ウザイおきゃくさんステキ! (ヨーコ)
2009-12-02 10:58:23
ウザイまでのこだわりとこだわり方が、とっても似合ってますね。
できあがりを見せてもらうのを楽しみにしてます。ほんとうに。

とくに興味があるのはボタンよ。
見せてね!
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出来上がった頃に (なおや)
2009-12-03 23:20:43
逢いに行こうかな。
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