部活日誌

部活動(ひとり文楽部)の記録など

千秋楽

2010-05-24 | 文楽
今日は千秋楽でしたね。おめでとうございます。
しばらく東京はさびしくなりますが、待ち遠しい気持もまた楽し。
9月を楽しみに待つとします。



今回、2度目の一部鑑賞には、仮入部ではあるものの、新人を引率して伺いました。
ま、新人=オット なんだけど。

常々私が家でひとり喋くってるもんで、聞きたくなくても色々と聞こえてくるせいか、初心者にしたら色々と予習ができている新人ではありました。
そのせいか、少なくともがっくんがっくん寝る、というようなこともなく、初めてにしては楽しんでたんじゃないかなー、と思っていますが、さあどうでしょう。

「また行きたい」
という積極的な意見は今のところ聞こえてこず。 ちっ



【祇園祭礼信仰記】
 金閣寺の段
 爪先鼠の段


うーん、やっぱり金閣寺の後半の三味線の節はゾクゾクするほどかっこいいですねー
しかも、金閣寺が清治さん、爪先鼠でが寛治さんと、まったく違う三味線を続けて聞くことができるとは、なんと贅沢なことよ。

今回2度目で学習したのは、
「山の芋は鰻になる」
ってこと。
野崎村でも久作どんが同じこと言ってましたが、金閣寺でも「山の芋から鰻とは」って言ってました!

やっぱりね。お財布が寂しい時は鰻の代わりに山芋ですよ。


・・・そこはどうでもいいところですか? また? 
しかも意味も違う?


どうでもいいと言えば、オットが
「大膳は最後、カッコよく見得を切ってるけど、ひとり檻に入ってんだな。ふっ」
と、私と同じことを言っていたのにはちょっとショック。
レベル一緒なんだ・・・






【碁太平記白石噺】
 浅草雷門の段
 新吉原揚屋の段


ああ、やっぱりおのぶ可愛いい。 若干、うちの姪っ子に似ている。 
おのぶちゃんは可愛い上に、幼くしてしっかり者です。
文雀さんはどこか勝気というか男前の芯のある女性がやっぱりしっくり来ます。
和生さんの宮城野の知的な傾城ぶりも素敵。

そして、そして、文司さんの惣六のイキなこと。 
しかし、めっぽう涙もろい。ぷぷ、すぐにもらい泣きするんだもん。 
商売柄の割にえらく善人ですね。
鏡台から鏡をそっと持って出て、それで姉妹の剣を受けたりと、その後に活かす演出はよく考えられてますねー
照明もほんのり落とされて吉原の夜の粋がうまく表されているよう。

床も始大夫・清丈さん、千歳大夫・清介さん、そして嶋師匠&清友さんと揃って私にとっては大変嬉しく、楽しい演目でした。 

この話も三味線がいい風情ですよねー。 
・・・って、褒めたいんだけど、ド素人はどう褒めたらいいかてんでわからないので、「いい風情」なんつってお茶を濁して、わかった風なことを言っておく。



【連獅子】

連獅子といえばどうしても、中村屋、ですよね。歌舞伎座ではやんやの喝采を連日浴びていたばかりなので、初回見た時は

「ひ、人が・・・舞台に人がいっぱいいる・・・」

と思ってしまいました。

が、左・足遣いの方がそれはもう懸命に動き回ってるのを見ている内に、
 じ~~~~ん 

なぜか感動。

足を踏むリズムを外さないかとかも気になって、妙に私も手足に力が入ってしまいます。
そんないらぬ緊張をしているもんだから、毛振りが始まると

 おおお~~!

と、一気に清々しい気持ちになって拍手拍手。

人形の鬘がすっ飛んで行くこともなく、扇キャッチも成功、子獅子のジャンプも怪我なく(って知らないけど。怪我されてないことを祈ります)、最後は

は~~、面白かった! 面白かったねー

と言いながら劇場を後にするのでありました。




そうだ、新入部員(仮)が言ってたんだけど。
もっと幕間がゆったりしているとか、劇場でのんびりご飯を食べたり飲んだりする、こう、「ハレ」っぽさがあるといいのに。
休憩時間短くて忙しない感じが、いまひとつ、「楽しみ」感に欠ける、と。

確かにそれには同感。 
どじょうの手品が始まってもざわざわしてるのも、そこら辺に原因があるような。
毎度ご飯をかっ込んで、トイレから走って帰って来るんじゃあ、風情もへったくれもないもんねぇ。