【杖折檻の段】
文字どおり、覚寿が娘ふたりを杖で ちやう/\/\、 と打擲する段。
びしびしびし、でも、ガシガシガシ、でもなく、ちょうちょうちょう。
そこ、どうでもいいですね
気の毒なのは庇って巻き添え食った立田前ですよ。ほんと、立田はかわいそう。
夫の宿祢太郎に「無楊貴妃」だの、「お次の前」だの言われ、挙句殺されるという。
作者はいったい立田前になんの恨みがあったんでしょうか。
苅屋姫の実母である覚寿は育ての父となる菅丞相への義理に背く娘のふしだらを「ちょうちょうちょう」と咎めなくては、家の主として筋が通りません。
しかし、それを障子の中から菅丞相が止めると、
「生みの親の打擲は、養ひ親へ立つる義理。
養ひ親の慈悲心は、生みの親へ立つる義理。
あまき詞も打擲も、子に迷ふたる親心」
と本心を吐露しながら泣き伏すのですねー
和生さんの覚寿はさすが、気丈さ、強さ、品格というものがひしひしと伝わってきました。
が、ここらへんの母としての心情は、呂勢さんの語りで増幅されたように思います。
私には、覚寿が気強いだけでなく、呂勢さんによって、哀れなひとりの老母に思えてなりませんでした。
ま、老母、つってもおそらく50くらいじゃないんですかね。
いや、下手したら40代?
老母・・・
同世代・・・
老母・・・
と一瞬頭真っ白になりかけましたが、「六十路に余って白髪頭」とありました。
じゃ、苅屋をいくつで産んだんだって話ですけど。
この段で唯一残念だったのは、菅丞相の木像ですよ。
丞相さまが3度も彫り直して魂込めた木像ですよ?
それがあなた、襖を開けてじゃーーーんと出てきたのが、アレだ。
なんか違う・・・
作った人には申し訳ないですが、あれじゃ丞相様の身代わりにならんと思うわーあかんわー
【東天紅の段】
土師兵衛と宿祢太郎の親子が菅丞相暗殺の悪だくみをしているところを立ち聞く立田前。
「南無三宝一大事、先へ廻つて母様へお知らせ申して。
イヤさうしては、イヤ、言はいでは又こちらが、言ふてはあちらがこちらが」
と迷ってる場合か!なんですが、立田いい人だからさ。
いい人だから自分の説得で思いとどまってくれると信じちゃってるんですね。
いい人って言うか、世間知らず?
まあ、あんな赤っ面の夫でも愛してたのかもしれないし。
そんな立田をなんと、夫の宿祢太郎は刺殺して池に投げ込むんだから恐ろしや。
宿祢太郎のこと、私はなんとなく単におバカで考えなしの男だから妻殺しも親の言いなりなんだ、と思ってましたけど。
とどめを刺す時には一瞬躊躇しているようにも思いましたけど。
それが、父親が挟箱の蓋に鶏を乗せ、池に流した時のあのバカ笑い!
玉志さんの遣う太郎と、咲甫さんの狂ったような笑い声に、背筋が心底ぞっとしました。
「こいつ、狂ってる・・・」
って。
「そりやこそ鳴いたは東天紅」
「アリヤまた歌ふは東天紅」
て、ほんと薄ら怖いってば。
そして、とどめは咲甫さんの
だめを
だめを・・・?
そ、それで終わらせるんだ、ここは・・・
言い切られて、まったくもって、後味の悪い段なのでありました。
「だめを!」でなんとなくうなだれてしまうという。
(・・・ウソ。
え? ニヤニヤ… だめを、の続きはなんで始まるんだ、次の段は?
とちょっとおもろかった)
文字どおり、覚寿が娘ふたりを杖で ちやう/\/\、 と打擲する段。
びしびしびし、でも、ガシガシガシ、でもなく、ちょうちょうちょう。
そこ、どうでもいいですね
気の毒なのは庇って巻き添え食った立田前ですよ。ほんと、立田はかわいそう。
夫の宿祢太郎に「無楊貴妃」だの、「お次の前」だの言われ、挙句殺されるという。
作者はいったい立田前になんの恨みがあったんでしょうか。
苅屋姫の実母である覚寿は育ての父となる菅丞相への義理に背く娘のふしだらを「ちょうちょうちょう」と咎めなくては、家の主として筋が通りません。
しかし、それを障子の中から菅丞相が止めると、
「生みの親の打擲は、養ひ親へ立つる義理。
養ひ親の慈悲心は、生みの親へ立つる義理。
あまき詞も打擲も、子に迷ふたる親心」
と本心を吐露しながら泣き伏すのですねー
和生さんの覚寿はさすが、気丈さ、強さ、品格というものがひしひしと伝わってきました。
が、ここらへんの母としての心情は、呂勢さんの語りで増幅されたように思います。
私には、覚寿が気強いだけでなく、呂勢さんによって、哀れなひとりの老母に思えてなりませんでした。
ま、老母、つってもおそらく50くらいじゃないんですかね。
いや、下手したら40代?
老母・・・
同世代・・・
老母・・・
と一瞬頭真っ白になりかけましたが、「六十路に余って白髪頭」とありました。
じゃ、苅屋をいくつで産んだんだって話ですけど。
この段で唯一残念だったのは、菅丞相の木像ですよ。
丞相さまが3度も彫り直して魂込めた木像ですよ?
それがあなた、襖を開けてじゃーーーんと出てきたのが、アレだ。
なんか違う・・・
作った人には申し訳ないですが、あれじゃ丞相様の身代わりにならんと思うわーあかんわー
【東天紅の段】
土師兵衛と宿祢太郎の親子が菅丞相暗殺の悪だくみをしているところを立ち聞く立田前。
「南無三宝一大事、先へ廻つて母様へお知らせ申して。
イヤさうしては、イヤ、言はいでは又こちらが、言ふてはあちらがこちらが」
と迷ってる場合か!なんですが、立田いい人だからさ。
いい人だから自分の説得で思いとどまってくれると信じちゃってるんですね。
いい人って言うか、世間知らず?
まあ、あんな赤っ面の夫でも愛してたのかもしれないし。
そんな立田をなんと、夫の宿祢太郎は刺殺して池に投げ込むんだから恐ろしや。
宿祢太郎のこと、私はなんとなく単におバカで考えなしの男だから妻殺しも親の言いなりなんだ、と思ってましたけど。
とどめを刺す時には一瞬躊躇しているようにも思いましたけど。
それが、父親が挟箱の蓋に鶏を乗せ、池に流した時のあのバカ笑い!
玉志さんの遣う太郎と、咲甫さんの狂ったような笑い声に、背筋が心底ぞっとしました。
「こいつ、狂ってる・・・」
って。
「そりやこそ鳴いたは東天紅」
「アリヤまた歌ふは東天紅」
て、ほんと薄ら怖いってば。
そして、とどめは咲甫さんの
だめを
だめを・・・?
そ、それで終わらせるんだ、ここは・・・
言い切られて、まったくもって、後味の悪い段なのでありました。
「だめを!」でなんとなくうなだれてしまうという。
(・・・ウソ。
え? ニヤニヤ… だめを、の続きはなんで始まるんだ、次の段は?
とちょっとおもろかった)