部活日誌

部活動(ひとり文楽部)の記録など

5月公演1部◆源平布引滝

2011-05-16 | 文楽


【源平布引滝】
 
  矢橋の段
  竹生島遊覧の段
  <襲名披露口上>
  糸つむぎの段
  瀬尾十郎詮議の段 
  実盛物語の段(襲名披露狂言)


4月に引き続き、
竹本綱大夫改め 九代目 竹本源大夫、鶴澤清二郎 改め 二代目 鶴澤藤蔵
親子襲名披露の演目。

4月には口上のみの出演の源大夫、東京では「実盛物語の段」前半の物語までをつとめられました。

初日、盆が回ってお姿を拝見できた時は嬉しかったですねー
途中交代の英さんひとりが登場、藤蔵さんだけ再度脇から入ってくるという、イレギュラー態勢。

確かにあのまま裏側に座っていたら、いくら盆をぐるぐる回しても、いつまでたっても英さんと藤蔵さんは出会えないわけだけど。 フォーエバー。
当然、そんな楽しそうなことを一生やってるわけにはいかないのです。



「矢橋の段」


えー、何度も言いますけどここは御簾内から。
そういうことなら、「矢橋の段(御簾)」とか「(み)」とか「(2F)」とか書いておいて欲しいものです。
 「なんで見台がずらーっと並んでんの? まさか・・・」
と悟った時のワタシのキモチたるや。


お話は小まんがここで「百人、千人にも勝って万とつけられた、人も知った手荒い女」と自称するだけあって、エイっ!やーーっ!と塩見忠太率いるツメ人形を投げ飛ばすわけですね。

が、正直、初日に拝見した時は
(小まんさま・・・ おしとやか・・・
 もしかして、小まんと尼ケ崎の初菊は体力的には逆なんじゃないか。
 初菊はいかにも鎧櫃が重そうなふりしてるだけで、
 ほんとは「ひょいっ」と軽々担げそうだったぞ…)
と失礼なことを考えていましたが、小万ちゃん、見る毎に強く、キビキビしてきてちょっと安心。




「竹生島遊覧の段」


小まん、せっかく源氏の白旗を持って泳いで逃げたところを平家の宗盛公の船に助けられたますが、正体がバレて白旗を奪われそうになります。
結局命は落としたけれども実盛の情けで白旗が平家方の手におちることだけは免れる、と。

小まんさん。それでいいの、あなた? あなたの人生、そんなんで終わっていいの!?
太郎吉という、募金活動にも熱心な あんなにかわいい息子がいるのに!

と、思わないでもない。

まったくもって、小まんにとって 「今日はいかなる悪日ぞ」 どころの騒ぎではない日でしたね。
「えいさ えいさ えいさっさ さっさ逆まく波切って~♪」
って最後に芳穂さんのいい声でご陽気な気分になってる場合じゃないです。
あ。ご陽気になってるのは私でした。すみません。




「糸つむぎの段」


九郎助女房、その名も小よしさん。歌の歌詞にありました、「♪夫は九郎助、娘は小まん、我は小よしの霜かづき~」って。
文司さんの婆、可愛らしかったです。

ここは仁惣太とのやりとりの台詞が面白くてうまいなー、と。

しかし、仁惣太。 貴様、最後っ屁の

『禿げあたま帰らぬうち』

とはどういうことだ!

そういう失礼なことばっかり言ってるから、後に痛い目にあうんですよ。
真面目に生きよ、仁惣太。 と言っても、もう遅いけど。





(つづく)    たぶん。いつか。そのうち













5月公演・2部 (2)

2011-05-15 | 文楽
なんだかんだと文句言っておいてなんですが、土曜に再見した「生写朝顔話」。
簑助師匠×ROSE大夫×清志郎さんの大井川で不覚にも涙目に…
「…前後不覚に泣きけるが、また起き上がって見えぬ目に 空を睨んで」
から口説くところで、ホロリ。

今回は床下の席でしたので、床、特に三味線を堪能しました。
燕三さんも耳元でガンガン聞いたし、寛太郎さんの琴も間近でじっくり聞いたし、清志郎さんの手の甲の血管もまじまじ見たし。
ああ、そうさ。キモチ悪い客さ。


それにしても、勘十郎さんは1部でも2部でも、蓑傘つけてこっそり隠れて覗いてましたね。
いや、勘十郎さんが覗いてるわけじゃなく、人形が、ですけど。

実は、恐れ多くも尼ケ崎の段で睡魔に襲われ、はっ。と気付いたら光秀が瓢箪を一個残して切り払ってるところでした。
寝ぼけて
「そこっ。一個残ってる!気持ち悪いから全部切れ!」
とか言い出したりしたら大変なことになるところでした。

そもそも、床の真下で   寝  る  な !



5月公演・2部

2011-05-09 | 文楽
続いて翌日、2部へ。

ちょこちょこ行かないでまとめて見ろ、と言われそうですが、ただでさえ集中力が持続しない私に、一日通しはもったいな過ぎ。
1日中劇場にいたら、半分は寝て過ごすことでしょう。
うっかり油断するとおばあちゃん、すぐにうとうとしてしまうんもんで。


2部は

 「二人禿」
 「絵本太功記」
 「生写朝顔話」

の三本立てでございま~す。 ふんがふっふ。


禿は一輔さんに目が釘付け。ほんと、一輔さんの遣う人形はいつでも清潔な美しさがあるな。


「絵本太功記」、これはもう文句なし。
私のパンチパーマも火を噴いたぜ!  パンチじゃないけど。

燕三さんの三味線にやられます。床は一貫して重々しく、シビれますね。
勘十郎さんの光秀に見惚れます。
今回、光秀の目の前の席だったので、目玉の動きや顔の微妙な向きで光秀の心情がよくわかり、
うっ。と胸を打たれましたねー
和生さんの操も、玉志さんの久吉も素晴らしい。
勘彌さんの十次郎の若々しい美しさにも、クラクラ。

そして、文雀さんのさつき! さつきの中のさつきですよ。
クィーン オブ・サツーキィ!
…かどうかはともかく、4月は休演されていて拝見できませんでしたので、今回の出演、本当に嬉しかったです。


「生写朝顔話」

これはねー、まあ、なんというか、中途半端な上演だね、という感じでして。
「浜松小屋」も「笑い薬」もなくこれだけじゃあ、浅香って誰? 関助って?
って、いまいちつながらないよねー

この前にかかった時は「笑い薬」は住さんで、「浜松小屋の段」は津駒さん、簑助さんの朝顔と文雀さんの浅香だったですよね、たしか。あれは涙出た。

それでも、深雪の哀れさ、狂おしく身悶えする悔しさに、見る者の目を捉えて離さないのはさすが簑助師匠の力としか言いようがありません。

床ももちろんよかったのにさ。お話の面白さ半減で、もったいないったら。
あんまり半端な見取り上演は考え物だと思うよ。

と、誰もが言っていることを、私も得意げに言ってみました。
苦言を呈するオレもちょっとカッコイイかな、と思って。








5月公演・初日

2011-05-07 | 文楽
あいにくの雨模様でしたが、東京公演初日おめでとうございます。
わたくしも一部のみ、伺いました。

えー、「矢橋の段」は御簾内からです!
つばさ・清丈’さんは二階です!
シルエットのみの登場です!

がーーん・・・

ちなみに、咲甫・清馗さんも御簾内、
相子・龍爾さんも御簾内。

しょっぱなから、ちょっと衝撃を受けたわたくしの東京公演初日でございました。


4月公演◆源平布引滝

2011-05-05 | 文楽
ああああ、そうこうしてる内に今週末はもう5月東京公演の初日ではありませんか!
その前に、4月の報告を急がねば。


【源平布引滝】

  竹生島遊覧の段
  糸つむぎの段
  瀬尾十郎詮議の段
  実盛物語の段


面白かったです! 

詳しくは7日から始まる東京公演で、あたなのその目で その耳で、お確かめあれ。
源大夫・藤蔵襲名披露の演目、東京でも上演されますんで。

あ、東京ではそこに

「矢橋の段」:つばさ大夫・清丈'

が加わります。

「矢橋の段」:つばさ大夫・清丈'

「矢橋の段」:つばさ大夫・清丈'

です。


「矢橋の段」:清丈'

が加わります。

何度でも言います。

「矢橋の段」:清丈'

です。


瀬尾十郎の顔はピンク色です。





最後に大阪への旅の思い出をば。



「世界の車窓から」マウントフジ








いと御目出度し









取りあえず行きがち








「女殺油地獄」の後に、女4人で脂地獄







脂地獄2 “プラチナポークいわゆる白金豚のロースト・なんとかのジュ” 




(「肉を『じゅっ』って焼くから ”ジュ”?」と聞いて店の人に鼻で笑われる)




オレは留守番。 「ジュ」食いてぇ