【源平布引滝】
矢橋の段
竹生島遊覧の段
<襲名披露口上>
糸つむぎの段
瀬尾十郎詮議の段
実盛物語の段(襲名披露狂言)
4月に引き続き、
竹本綱大夫改め 九代目 竹本源大夫、鶴澤清二郎 改め 二代目 鶴澤藤蔵
親子襲名披露の演目。
4月には口上のみの出演の源大夫、東京では「実盛物語の段」前半の物語までをつとめられました。
初日、盆が回ってお姿を拝見できた時は嬉しかったですねー
途中交代の英さんひとりが登場、藤蔵さんだけ再度脇から入ってくるという、イレギュラー態勢。
確かにあのまま裏側に座っていたら、いくら盆をぐるぐる回しても、いつまでたっても英さんと藤蔵さんは出会えないわけだけど。 フォーエバー。
当然、そんな楽しそうなことを一生やってるわけにはいかないのです。
「矢橋の段」
えー、何度も言いますけどここは御簾内から。
そういうことなら、「矢橋の段(御簾)」とか「(み)」とか「(2F)」とか書いておいて欲しいものです。
「なんで見台がずらーっと並んでんの? まさか・・・」
と悟った時のワタシのキモチたるや。
お話は小まんがここで「百人、千人にも勝って万とつけられた、人も知った手荒い女」と自称するだけあって、エイっ!やーーっ!と塩見忠太率いるツメ人形を投げ飛ばすわけですね。
が、正直、初日に拝見した時は
(小まんさま・・・ おしとやか・・・
もしかして、小まんと尼ケ崎の初菊は体力的には逆なんじゃないか。
初菊はいかにも鎧櫃が重そうなふりしてるだけで、
ほんとは「ひょいっ」と軽々担げそうだったぞ…)
と失礼なことを考えていましたが、小万ちゃん、見る毎に強く、キビキビしてきてちょっと安心。
「竹生島遊覧の段」
小まん、せっかく源氏の白旗を持って泳いで逃げたところを平家の宗盛公の船に助けられたますが、正体がバレて白旗を奪われそうになります。
結局命は落としたけれども実盛の情けで白旗が平家方の手におちることだけは免れる、と。
小まんさん。それでいいの、あなた? あなたの人生、そんなんで終わっていいの!?
太郎吉という、募金活動にも熱心な あんなにかわいい息子がいるのに!
と、思わないでもない。
まったくもって、小まんにとって 「今日はいかなる悪日ぞ」 どころの騒ぎではない日でしたね。
「えいさ えいさ えいさっさ さっさ逆まく波切って~♪」
って最後に芳穂さんのいい声でご陽気な気分になってる場合じゃないです。
あ。ご陽気になってるのは私でした。すみません。
「糸つむぎの段」
九郎助女房、その名も小よしさん。歌の歌詞にありました、「♪夫は九郎助、娘は小まん、我は小よしの霜かづき~」って。
文司さんの婆、可愛らしかったです。
ここは仁惣太とのやりとりの台詞が面白くてうまいなー、と。
しかし、仁惣太。 貴様、最後っ屁の
『禿げあたま帰らぬうち』
とはどういうことだ!
そういう失礼なことばっかり言ってるから、後に痛い目にあうんですよ。
真面目に生きよ、仁惣太。 と言っても、もう遅いけど。
(つづく) たぶん。いつか。そのうち