◆第一部
【七福神宝の入舩】
【近頃河原の達引】
四条河原の段
堀川猿廻しの段
◆第二部
【染模様妹背門松】
油店の段
生玉の段
質店の段
蔵前の段
◆第三部
【御所桜堀川夜討】
弁慶上使の段
【本朝廿四孝】
十種香の段
奥庭狐火の段
【配役表】
なんなの今月、土日っちゃあ大雪!
おかげでひと通りみてきましたけど、遅れてきた葬式疲れもあってかヘロヘロで。
二部なんて蔵前はもう体力の限界でパスしちゃったりと、いまひとつ自分内盛り上がりに欠けていた今回。
正直、堀川猿廻し以外あんまり好きな演目でもないという。
廿四孝は面白いですけど、ここはどーでもいいっていうか…
どーでもいいって言うな!
いやいや、三段目の筍堀りの横蔵・慈悲蔵の実は実は実は実は攻撃に比べたら私にとっては息抜き的といいますか…
息抜きって言うな!
言えば言うほど失言、舞台ではそれはそれは素晴らしい技が繰り広げられているというのにこの言いぐさはないですね失敬失敬。
◆第一部
七福神。
前に大阪でかかったのを見逃していたので楽しみにしてましたけど
え。 こんなもんなん?
て拍子抜けしちゃった。船が回るとか大がかりな事を期待していただけに…
曲弾きは清公ちゃん、いけね、清公さんだったし。
でも鼓はちゃんと三味線で鼓の音になってましたよー
お笑い要素たくさん入ってましたけど、そんなことより私が唯一笑ってしまったのは、清五郎さんでした。
胡弓に合わせて必死の形相で… 弓を…
ぶはははは!
あれは腱鞘炎なりそうですよね。気の毒なのに笑えるという(ほんとひどい)
近頃河原の達引。
四条河原は大阪と違って官左衛門(ワル)を靖さん担当で掛け合いになってましたね。
それによって物語がよりくっきり理解できました。
そして殺しの場面での「ぐち」は今回は御簾内から。
小住さん・寛太郎さんが担当されてましたね。
小住さんの声好きだなー だいぶ高音が辛そうでしたけど、この場の陰の唄として私にとっては効果絶大でした。5月に東京でも
「小住研鑽会」 で弁慶上使を語られるとのこと。ぜひとも聞いてみたいですねぇ
堀川猿回しの段は前半は初春同様住太夫で。住さんの鳥辺山が大好きで。
稽古娘のおつるに「いやいやそれではとんと声にしをれがないわいな」と止めて、
「あのぉ~」てお手本見せるところ。
その後おつるがさっきと違うかどうかいっつも耳を澄ますんですけど、聴き比べ未遂で終わってしまう己のうっかりさが悔しいです。
後半は今回、津駒・寛治(寛太郎)の猿廻しです。
最初聞いたとき、あ。三味線の節が違う!とびっくりしました。
「祝言の盃を~」の後スタートして、「おーさるはぁ めでぇたやぁ めでたああやあああなぁあ」までの間の三味線が、寛治師匠のは初めて聞いた節でした。
CDでもラジオ録音したのでも、先月の清介・清丈'バージョンと同じのしか聞いたことなかったので新鮮でした。
どなたか! 寛治師匠に聞いてください!
なぜ違うんですか?これを弾ける人は寛治・寛太郎だけですか?
それとも色んなパターンがあるんですか?今度さむことデートしてはいかがですか?
て。
◆第二部
この話はほんと後味悪くてねぇ。
他にもしょーもない男と心中する話とかいっぱいあるけど、これは格段に寒々しい気持ちになっちゃって。
子供同士の心中だからかね。
久松なんて肩上げしてんですよ、久作に「どれ、さ、つんとせえ、つーんと」て洟かんでもらってんですよ、ああた!
可愛い可愛い子供がそんなことで、この後親たちはいったいどんな気持ちで暮らして行ったのか。
やり切れないよなぁ。
玉志さんの清兵衛がめっぽう大人のいい男でした。
油店はいれごとで、若干終わりかけの流行語が盛り込まれていたのが楽しかったです。最先端じゃないのがいいよね。嫌味じゃないですよ、これほんと。誰でも知ってないとアドリブの甲斐もないってもんで。
まあ、私はそんないれごとよりも、おかつが善六に放った
「尺八のやうな鼻垂れて、」
というセリフに爆笑してしまったわけですが。
笑う場面でもないのに! おかつの口から! 尺八のような鼻水て!
尺八だよ? どんな鼻水よ
まったく200年以上前の人も同じところで笑ったかと思うと、嬉しくなってしまうのでした。
え?
誰も面白くなかった、ここ??
しかし、兄も兄だし妹も妹で。この家の夫婦は子育てをどこで間違ったのでしょうか。
◆第三部
弁慶上使。
十種香、奥庭。
あーー、もう時間がないので割愛!
三部は狐火が終わると割れんばかりの盛大な拍手が起きて、お客さんみな清々しい気分で帰路につかれているようでした。
めでたしめでたし。
東京では開場50周年記念の年まで通し上演はない予定だそうで。
ふーん。そうですか。
若手会は東京でもやるようなので、それを楽しみに待つとします。