部活日誌

部活動(ひとり文楽部)の記録など

2月公演 第一部(再)

2011-02-23 | 文楽
2月公演も終わってしまいまいました。
通勤定期があるのをいいことに、通いも通ったり半蔵門駅。
そんな日々も終わり、淋しい反面ちょっとほっとしたりもして。

魂抜けて呆けたままの頭で、この2月公演を振り返ってみたいと思います。





【芦屋道満大内鑑】
  葛の葉子別れの段
  蘭菊の乱れ

文雀さん休演につき、和生さんの女房葛の葉、玉女さんの保名
三味線・清友さん休演につき 代演・団七さん


【嫗山姥】
  廓噺の段

途中より紋壽さん休演につき 代演・勘十郎さん
そして私の拝見した日は綱大夫休演につき 津駒大夫


と、この公演中、特に一部は病気や怪我による休演が相次ぐものとなってしまいました。
ほんとうに皆様の一日も早いご本復をお祈りするばかりです。



こういった休演者が出ると、すわ、代演は?ということになりますが、もしこれがマンガやドラマですと、主人公のまだ若くておっちょこちょいの弟子に向かって師匠が、

   「代わりはお前や」

ってなことになり、弟子は

   「ええええ!? お、俺ですか??
   そんな急に・・・ 俺にはできません!」

と腰が引けるところ、


師匠:「知っとるで。お前がだーれも残ってない稽古場で
    毎晩遅くまで稽古しとるんは。
    (ここで照明落ちる)(BGM:オルゴール系)
    それは何のための稽古や。
    いつかお客さんに 俺の「しゃべくり」を聞かしたろ、
    お客さんを泣かしたり笑わしたりしたろ、
    そう思てのことちゃうんか。
    ええか。 今、ここが大きなチャンスや。
    この二度とないチャンスを、あかん、できません、言うて
    お前は捨ててしまうんか!
    『やります、やらせてください』言わんかい!」



弟子:「し、師匠・・・(涙)
    やります。やらせてください!
    ありがとうございます!」


ところが、そのやりとりを柱の陰で立ち聞きしていた主人公のライバル(金持ち・御曹司・縦ロール)の取り巻きである意地悪な先輩たちが、「生意気なっ」と、トゥシューズに画鋲を入れる、レオタードは鋏でずたずたにする、本番用の衣装はこっそりごみ置き場に捨てる、挙句の果てに出番前に階段から突き落としてダンサーの命の足首を捻挫させる・・・・って誰がバレリーナやねん!



とまあ、こういった具合で、わずか数時間で済むやりとりを4、5回かけて連載(「巨人の星」とか「ガラスの仮面」だったら最低1年)するところですが、そんなことに1か月もかけてたら公演が終わってしまうので、現実にはそんなしょーもない出来事は一切ないわけですが。
   

しかし、私としては、現実でもそんな風に思い切ってうんと若い人の起用があってもいいのになー、と思わないでもない。というか、むしろ見たい。
それでもし舞台でボロボロだったとしても、私は「金返せ!」なんて怒らないし、むしろ「おいしい」と思うくらいですけどね。
そんないい加減な客は「もう来んな」と逆に怒られるんでしょうけど。


あ。またこうやってどうでもいいことを長々書いてしまったせいで、本題の感想を書くスペースを失ってしまいました。スミマセン。


   






2月公演 第一部

2011-02-08 | 文楽
第一部

【芦屋道満大内鑑】
  葛の葉子別れの段
  蘭菊の乱れ

【嫗山姥】
  廓噺の段




「葛の葉子別れ」で、葛の葉が狐に変って消えた後、襖に残していった一首が見つかりますよね。


 恋しくば 多津祢 来てみよ和泉なる
   信田の森の うらみ葛の葉




それを読んで、ワタクシ、

 「恋しくばー、たつ・・・ 

多津・・・ ん?

タツヤ? 

  タツヤって誰?カワゴエ? アオキ・(王)サダハルじゃなく。 」

と思ったことをここに報告いたします。

正しくは、タツヤじゃなく「たづね(尋ね)」ですね。「や」じゃなくて「ね」だ。
漢字違う。
ほんとうにオレはバカだ。バカ過ぎて切ない・・・


そして、木綿買い達3人(実は悪右衛門家来たち)は、上手から順に
上島竜平、佐藤B作、大地康雄
に顔がソックリだな・・・

と思ってニヤニヤしたことも、ついでに報告しておきます。


本日は取り急ぎ以上をもって日誌終了とさせていただきます。






 

2月東京公演

2011-02-07 | 文楽
さあ、2月公演が始まりました。

わたくしも、初日に張り切って行ってきました。張り切った割に2部だけですけど。
何事も中途半端が身上。


二部

【菅原伝授手習鑑】

  道行詞甘替
  吉田社頭車曳の段
  茶筅酒の段
  喧嘩の段
  桜丸切腹の段


すっごく楽しみにしてたんですよね、玉也さん・松香さんの松王。

しかし松王登場の前に、簑助・桜丸と文司・梅王があまりに素敵で目が釘付け。
こ、これは、想定外・・・

松王だけを見ようと思っていたのに、これじゃあ目玉を左右に高速で動かす技が必要だ。

しかも、勘緑・時平がこれまたじゃーーんと立派で、思わず梅王・桜丸と一緒にひれ伏したくなったし。

だけど、松香さんが舞台袖から「待てぃ!」みないなこと言って登場すると、やはり、
きゃーーー♪ 
と、ひとり盛り上がり、そっからは松王、玉也さん、松王のもみあげ、玉也さん、松王・・・
と交互に見るのに忙しく、その合間に桜丸、梅王、時平も見なくちゃいけないし・・・

と、可能な限り「目玉超高速移動の技」を駆使したので、しまいには目玉カラッカラ。
そんな乾ききった目玉を「桜丸切腹」で潤す=泣く。

眼のための順序としては誠にいい塩梅でしたが、わたくしとしては日頃し慣れない集中で、
翌日はバカみたいに寝坊してしまいましたことよ。

そして、調子に乗って帰りにチケットセンターで2部を1回追加してしまいました。
観劇帰りのチケットセンターは危険区域!近寄るな!の法則を忘れていました。

買ったものはもうしょうがないので、次の時に備えて、せいぜい「目玉高速移動」の訓練をしたいと思います。