部活日誌

部活動(ひとり文楽部)の記録など

「短気は損気だよ」?

2009-12-06 | 文楽
土曜は、

12月文楽鑑賞教室「仮名手本忠臣蔵」
 下馬先進物の段
 殿中刃傷の段
 塩谷判官切腹の段
 城明渡しの段

でした。私はまずはAプロを鑑賞。(Bプロは来週のお楽しみ)
先月の歌舞伎座から忠臣蔵漬けだ。


それにつけても、このお話を見るたびに思うのは

「塩冶判官、ご短慮過ぎ!」

ってこと。


塩冶判官(えんやはんがん)というのは浅野内匠頭のことですね。
それが吉良上野介であるところの高師直(こうのもろのう)を殿中で切りつけてしまうというおなじみの話なんだけど。

この仮名手本では高師直が塩冶判官の嫁・顔世御前にちょっかい出した挙句、塩冶君に向かって、

「貴様は鮒じゃ。フーナよ、フナだ~、フナざむらいだ~、やーい」

というところから、かっちーん!と来た塩冶・短気・判官が

「なぁにぃいい!」

と切り付けるわけだ。


ちょっとちょっと、塩冶短気君。いくらフナ呼ばわりされたからって、そんなんで刀を抜く、ってあんた・・・短気にも程があるだろ。 
そう思いません?
金髪豚野郎呼ばわりとかならまだしも。フナで。

社会に出たら、憎たらしい嫌味ばっかり言う上司とか、金にセコイ得意先のクソじじいとか、そんなの山ほどいまっせ。
そんなの相手にいちいち本気で怒って切り付けるとしたら、私なんか1日に大体2人平均で殺人を犯してる勘定になりますよ。

短気な上司を持ったせいで、部下47人がリストラに合い、明日からの食い扶持もままならず、命までもささげねばならぬという風に話は今後どんどん転がっていくわけだ。
敵は高師直じゃなく、実は自分の仕える主君の短気っぷりだった、という悲劇。
ああ、その辺の「部下のもやもや」についてはよーくわかります。
わかるからこそ、いつの世も人気演目なのでしょうか。

そんな塩冶・短気・判官切腹の際、
 「このうっ憤をお前、晴らしてよね」
と託された大星由良助(=大石内蔵助)は、城を追い出されて最後に門の前で立ち尽くしてる時、心の中で


「・・・・まーじーでーー!?

 オレが? オレが仇討ちっすか?

 がっびょ~~~ん!!」

と叫んでいたに違いないね。 (違う)



実は、判官切腹の段でまたもやうっかり睡魔に襲われて

はっっ

と気付いたら和生さん渾身の切腹シーンが始まろうかというところ。
場内も息を飲んでしーーーんと見守る一番の見せ場なので、目が覚めてほんとによかったです。
ふんがーっといびきでもかいてしまってたら、それこそ切腹ものだ。

どうも英大夫は眠たい。 声質のせい?
Bプロは津駒さんか。次こそはちゃんと寝ないように・・・目にセロテープ貼ってでも・・・




初日

2009-12-04 | 文楽

12月文楽東京公演も今日が初日、おめでとうございます。

私の初日は明日土曜、まずは鑑賞教室から。
来週に本公演、鑑賞教室、あと、会社を抜けられたら清介さんのレクチャーも(抽選に当たってしもうた)。
今年最後の文楽を楽しもうと、「整腸」に余念のない今日このごろのわたくしです。

腸を制するものが、遊びを制する!



2月公演の演目も発表になり、2月は三部制のようなので、またお金がかかりますなぁ。
二部がおさん茂兵衛、三部は曾根崎心中と人気の近松祭りなので、席もよく埋まることでしょう。
チケット争奪戦が今から心配。
まあ、私は心中物は嫌いじゃないけど今ひとつ身が入らず「アホちゃうか」と思ってしまう情の薄い人間なので、1回見れば気が済むか。


こうして特に贔屓もなくさらーーっと見てきて一年が経ち。
でも飽きることもなし、毎回毎回楽しいので、これはもしかして何でも飽きっぽい私にとって初めての、
一生続く趣味になるのではないか、などと思ったりしているところです。