部活日誌

部活動(ひとり文楽部)の記録など

2014年初春公演

2014-01-22 | 文楽

初春文楽公演

【第1部】 
 
 ◆二人禿 
 
 ◆源平布引滝 
   九郎助住家の段
 
 ◆傾城恋飛脚 
   新口村の段


【第2部】 
 
 ◆面売り 

 ◆近頃河原の達引 
   四条河原の段
   堀川猿廻しの段
 
 ◆壇浦兜軍記 
   阿古屋琴責の段
 

   【配役表】


いっけね。もう2月公演が始まってしまう。
でも、どうしても初春公演のことは記録しておきたい、おかねヴァ。
堀川を師弟で弾くと聞いて、すわ、こうしちゃいられねぇ!と大阪に行ったんですからね

今回わたくしとしてははからずも二部では三味線を思い切り堪能し、一部ではお話に没頭するという公演となりました。


まずは

【第一部】

◆二人禿

見慣れた出し物でも、演る人によって印象って変わるもんだなと改めて思いました。
清志郎さんが今回のシンで、三味線チームが生き生きとして若々しい、綺麗な音。
とっても楽しくて、紋紋コンビの禿ちゃんにぴったりでした。
紋臣さんの娘はほんとに可愛らしねー 

◆九郎助住家の段

今回、実盛物語と瀬尾のことがやっとよくわかった気がする。
源大夫襲名披露の時は何回見ても小まんちゃんの平泳ぎとかに目が釘付けになって浮かれてたんでないか。

綿繰馬の太郎吉くんの気の強さ、健気さが大好きです。
「なんだお前チビのくせに!」てつねりたい感じがなんとも、ね。
太郎吉くんは前回東日本大震災の直後にかかって、毎日募金活動にせいを出していたことを思い出しますね。
あの時はありがとう、太郎吉。

睦さんの仁惣太が思いがけずといっちゃなんですが、浅はかなワルっぷりでワクワクしました。
咲さんはさすが。物語を聞かせてくれましたねー
そして、瀬尾。玉志さんの瀬尾、めっちゃよかった!
太郎吉に刺される場面、瀬尾の覚悟と哀しさ、嬉しさ、そんな複雑な表情が胸に迫りました。
玉女さんの大きさもまさに実盛。
実盛が馬に乗るとこで、玉女さんの腰を手で掴みながらジャンプして両脚で床を踏む足遣い(玉路さん)のことを、君たちは見たか!
あそこ、何回見ても萌え~  
馬に乗った後、玉女さんの腰を後ろからぎゅって支えてるのも大いなる萌えポイント。
それにしても馬の中の人も大変。勘介君かな?
目の前で見たときは馬の中で首縮こまりそうなってて、必死の様子でした。
がんばれ、中の人!


◆新口村

今回のは本当に好き。
まず、口の希さん、とてもよかった。忠三女房がああも品よくなるのはいいことじゃないのかもですけど、私は好きでした。希さんの語りは楷書ですけど丁寧で好ましいです。
そんでもって何と言っても嶋さん和生さんの孫右衛門に泣けた。
清十郎さんの忠兵衛も私はとても好きで、今じゃないのところで飛び出してしまう忠兵衛のはやる心の内が伝わってきて、ぶわっ!(T_T)ときてねぇ。
それを押し戻す孫右衛門の哀しさも。和生さんの押し戻す手付に親の愛があるんですよね。
そして梅川の哀れさ。甲斐甲斐しく孫右衛門の裾を拭く手付きを見て、ああこの人も、苦界に身を沈めることがなければ、今頃はきっとしっかり者のいい嫁さんだっただろうな。なんてことがふと思い浮かんで、彼女の身の艱難に同情してしまうのでした。
忠三女房のしかけたご飯はほったらかしだけどねー

まことにしみじみと心に沁みる新口村でした。


【第二部】

◆面売り 

ずんべらずんべらー ずんべらずんべらー て
ベテラン勢のずんべらはそこはかとなくおかしくて、ついにやにやしてしまうのでした。
なんでこの演目をあえてやるのかな、というのは疑問だけど。これいりますかね。


◆近頃河原の達引

猿廻しはもうもう、何と言っても師弟共演です!
配役出た瞬間、大阪行こう!と決意しましたから。
あの三味線の曲、大好きですし。

めっちゃかっこよかった…  

清介さん、ノリノリでしたねー
その隣で師匠にびしっとついて行く清丈'さん。
ほんと、音の質がおふたり似てますよね。びょんびょん言って。
清介さんなんて一見ご陽気で派手なようですが、実は哀愁漂う音色ですよね。
清丈'さんも絶対、陰か陽かといえば、陰。あくまで音の話です。

はー、ふたりとも男前度が5割増しくらいなってたのと違いますかね?
私の目にだけ特別なフィルターかかってますか? 

猿廻し始まるまではどきどき緊張してロクに舞台見てないし、始まったら始まったで三味線に目が釘付けなるし、
で。結局お猿はひとつも見ていなかったという。
猿は2月にちゃんと見ます。
あ。でも2月は寛治師匠か…


◆阿古屋

これも床ばっかり見てしまい、舞台ははちらっ、ちらっとくらい。
勘十郎さんの阿古屋が素敵なのも、一輔さんの左が完璧なのももうわかってますんで。
ちら、ちらで大丈夫です。です、てそんなこと言い切るな、ですけど。
まあ、この演目のこの出し方は三曲を楽しめばいいんじゃね?って思ってるんで、寛治師匠と清志郎・寛太郎を主に見た。
まさに、見た。
穴があくほど、見た。

 翠帳紅閨に~ って寛治師匠のお話の会の時に弾き語りして下さったことを思い出します。
あれはうっとり~♪でした。
あの物語性を持つ音色はまさに私の宝、いや、国の宝ですね。

どうでもいいけど阿古屋のかしらは山口美江に似てますよね。
勘次郎さんが阿古屋の足を遣っているところ、じっくり見ましたけども、腕一本で膝を現すとかそういった部分は外から見てもよくわかりませんでした。
わかんないからプロなんでしょうけども。


以上、阿古屋阿古屋、阿古屋ステキ、阿古屋かっこいいという声が多く聞かれる初春公演でしたが、
私にとっては

「猿廻しの三味線カッコイー、三味線弾きカッコイー、ステキー、特に弟子の方」

それに尽きる1月でした。