竹本義太夫三〇〇回忌記念通し狂言
伊賀越道中双六 (いがごえどうちゅうすごろく)
【配役表】
【第二部】
藤川新関の段 引抜き 寿柱立万歳
竹藪の段
岡崎の段
伏見北国屋の段
伊賀上野敵討の段
11月、大阪の文楽劇場でも一部に大序「鶴が岡の段」を加えて再度上演されています。
面白いからみんな観に行くといいよ!
特に二部!ガラガラなんだって。もったいないなあ。沼津と岡崎はペアだよ、沼津みて岡崎観ないなんてバカだよ。
このバカにバカ言われたらそりゃもう行かないわけにはいくまい。じゃあお前行け、って言われてもそこは謝るしかないけども。
ほんとは大阪行くつもりでした。けど、やめました。もうお腹いっぱいなった。やっぱりこの「伊賀越道中双六」という狂言はムズカシイネー
全般的に 地味! そして長い。いや、地味だから長く感じるのか。
予習で活字を読んだ時はめっちゃ面白くて楽しみにしたんですけどねー
てか、珍しく予習するからだろ。行く前に既に盛り上がりのピークが来てたんだろバカめが、って話ですが。
それでもこのない頭をひねって思い出しますと。
二部はなんといっても岡崎の嶋大夫、文雀師のお袖ちゃんが強く印象に残るものでした。
あ、あと、藤川新関の三輪さん。
岡崎はあの長丁場を最初っから最後までメーターよく振り切れないもんだと思う嶋さんの渾身の語りがなかったら、私は相当な確率で寝ていたことでしょう。
そして玉女さんの政右衛門がお谷を介抱するシーン、
「お谷やあい」「女房やーい」「何にもいふな」「必ず死ぬるな」からはそれまでのお谷への仕打ちを帳消しにする政右衛門の本心が溢れ出て、
ああ政右衛門を信じてよかった。この大事な事を言わな過ぎ、腹にため過ぎの男のことを。
とほっとするのでした。なんかそこの政右衛門夫婦がこれまたちょっと色っぽさ濃厚っていうか。エロいっていうか。
まあそもそもお谷がじっと待っていればこんな悲劇も起こらなかったわけですけども。お谷、終始いらんことする女。
ちなみにお袖ちゃんが志津馬に見惚れてお茶をじょぼじょぼじょーとこぼしちゃう場面。あれは下でバケツで受けているそうですが、もしお茶がうっかり本当に熱かったらと思うと自分が介錯になったつもりで手に汗握る場面ですね。あーーっち!て飛び出したら大変な事になる。
そんでもって最後の敵討の段にじゃーーん!と登場するのは、馬!馬見るとテンションあがるよね。きゃー、馬ーーーっ♪ て。馬に目が釘付け。
原作では最後の最後、武助も孫八も死んでしまって、「このヤサ男(志津馬)のためにどんだけ罪もない者が命を落とすんだこの話…」と呆然とするんですけど、舞台ではふたりともかっこよくキメて、THE END、となるという。
あ、そうなん? ここ、そういうこと??と思いながら、馬が出てきて嬉しい私はそこは深く追求せずに馬で喜んで終わるのでした。
そんな、ステキな馬の物語でした。めでたしめでたし。(違います
って、やっぱり2ヶ月も経つとダメだ、なんなのこのしょーもない感想
舞台はこんなしょーもないことは一切ないので、ぜひ見に行きましょう。