部活日誌

部活動(ひとり文楽部)の記録など

2013年10月地方公演

2013-10-14 | 文楽
◆昼の部

 【生写朝顔話】

  明石船別れの段
  笑い薬の段
  宿屋の段
  大井川の段

◆夜の部

 【花競四季寿】

  万歳
  鷺娘

 【ひらかな盛衰記】

  松右衛門内の段
  逆櫓の段

  ■配役表


配役表を見るとお分かりの通り、昼も夜も皆さんよく働かれた巡業でありました。
私にとっては昼も夜もご登場でおいしい巡業。
燕三さんとか… 清丈'さんとか清丈'さんとか…

昼の部はなんといっても咲大夫の笑い薬に笑わされ、さすがだなあとしゃっぽを脱ぎました。
「倍返し」「今でしょ」の入れ事もすまし顔でさらっと。
紋壽さん休演で代役の玉也さんの萩の祐仙も、あのお顔でこれをやられたら反則、という意味でも可笑しさ倍増でしたね。

私は朝顔というと簑助さんの朝顔しか観たことがなかったように思うので、和生さんのは少しお上品に感じました。
あの、朝顔の
「知らなんだ、知らなんだ、知らなんだわいなあぁぁあ(おいおいわんわん)」
の狂乱ぶり、ぐわぁああと恋しい男を命がけで追いかける娘のキレっぷりに説得力を持たせるには、もひとつ濃いところが欲しかった。
どっちかってえと、和生さんは浅香ですよね、キャラとして。

あとは、紋臣さんのお鍋ちゃんが相変わらずのキュートぶりだったのと、寛太郎さんのお琴、
それと咲甫さんの奴ことばがツボで、美人さんも若男もいいけど、私は咲甫さんの三枚目が好きだと確信したね。
いつか「笑い薬」をぜひに。


夜の部、「万歳」は玉志さん・文司さんのベテラン組でさすがのキレ、ひとつひとつがとってもよくて、私としては儲けもんでした。
「鷺娘」は清十郎さん。想像通りの可憐さ品のある美しさ。

「松右衛門内」
玉也さんの権四郎は泣かせます。清十郎さんのおよしと共にこの親子の悲しさ、不憫さが胸に迫りましたねー
「アノ侍の親になって、未練なと人が笑やせまいか」 「なんの誰が笑ひましょ」
「ハアヽ嬉しや/\な。有様はさっきにからそうしたかった」
でダメ押しのように泣かされる。
玉女さんの樋口も大きくてさすが、割愛されている樋口の苦悩も滲み出すような風情で圧倒されました。

芳穂さんの逆櫓は元気いっぱいのやっしっしで面白く聞きましたけど、樋口があたまの皿を踏み砕いてわー強い強い、で終わってしまいました。
え、これでおしまい? 
ま、今日のところはこの辺で勘弁しといたるわ。巡業だし。

ということで、秋の巡業もおしまい。

来年3月も同じ演目・ほぼ同じメンバーで宿屋が嶋大夫ですね。
やすきよコンビも笑い薬の前に入りますよ。
楽しみです。半年も先ですけど。