部活日誌

部活動(ひとり文楽部)の記録など

蝠聚会

2014-08-07 | 文楽


15回目の開催となる蝠聚会、ずっと行きたい行きたいと思ってきましたが、今回ようやく初参加が叶いました。
(清介さんは「この会も16回を迎え」とご挨拶されてらっしゃいましたけど、チラシには15回目を迎えるとありました)

いずれにしてもよく続けて来られました。お客さんもたくさん入っていて、酔狂なファンもたくさんおるのねぇと嬉しくなりましたね。

肝心の語りは、清介さん、宗助さんは噂通りの達者ぶりで、特に宗助さんの東天紅なんて例の玉志さんの頭おかしい宿祢太郎が思い起こされて、ぞっとしましたねー

問題は清丈'・清公のおゆみ・おつる親子ですよ。
最初はどうなることかとハラハラで己のニヤニヤ顔を抑えるのに苦労しましたけども、おつるちゃんの
「かかさまに髪結ふてもろうたり、」あたりから、不憫で愛らしくて。
清公さんの高い声、おつるちゃんにぴったりでしたねー
「野に寝たりぃ 山に寝たり」
ではうっかり涙目になりましたもん。
おゆみ母さんも負けてませんでした。
大汗だらだらで顔も身体も大きく使った渾身の踊り、じゃなくて語り。
夢に出て来そうな勢いでした、色々な意味で。
だけど上手いとか下手を越えて大真面目の全力投球には、やはり胸を突かれるものがありました。
その割に、ニヤニヤしてしまっている自分がほんとすみませんて感じでしたけども。

とにかく、長年の念願かなってとうとう行くことができたのは、この夏のよい思い出となりました。
また来年も再来年もずっと続けて行かれますように~

2014夏休み公演

2014-08-06 | 文楽
国立文楽劇場開場30周年記念
【夏休み文楽特別公演】


第1部 【親子劇場】
  小佐田定雄=作
 かみなり太鼓(かみなりだいこ)

 解説 ぶんらくってなあに

 西遊記 (さいゆうき)
   五行山の段/一つ家の段


第2部 【名作劇場】

  近松門左衛門没後290年
 平家女護島(へいけにょごのしま)
  鬼界が島の段

 鑓の権三重帷子(やりのごんざかさねかたびら)
  浜の宮馬場の段/浅香市之進留守宅の段
  数寄屋の段/伏見京橋妻敵討の段


3部 【サマーレイトショー】

  近松門左衛門没後290年
 女殺油地獄(おんなころしあぶらのじごく)
  徳庵堤の段/河内屋内の段
  豊島屋油店の段/同 逮夜の段

  【配役表】


蝠聚会のついでに行ってきました。
ついで、て。
白い着付けもやっぱり見たいしねー



1部、「かみなり太鼓」
いきなり寅ちゃん、おちん丸出しという、子供大好き3大下ネタ(ちん、うんこ、おっぱい=弊社調べ)からこう来たか、という。
寅ちゃん、しまいには立ションして井戸の水でおちん洗ってるし。
亘さんの寅ちゃんめっちゃかわいかったし、靖さんのおかあちゃんのカミナリはほんとやかましいし、
一丸となって楽しくもばかばかしいセリフも大真面目で演ってらして、いい年して脳みそ小3の私もニヤニヤしながら楽しみました。


「西遊記」

これはねー、「はーーっ評論家」のわたくしとしましては、「はーーーっ」連発でひとり大盛り上がりでした。
清五郎さんのはーーっが予想外に立派でびっくり。
また簑二郎さんのはーーっが輪をかけておっきな声で、嬉しさのあまり笑ってしまいました。
最後の宙乗りもね、吊るされて闘う清五郎さん、簑二郎さん、特に二郎さんの悟空の足のバタバタに、ちょっとなんだか感動してしまってゲラゲラ笑ってしまいました。
感動でゲラゲラ笑うってどうかと思いますけども。

なんかねー、大の大人が真剣に、真面目くさった顔をして、こども達を少しでも楽しませようと頑張っている姿には、なんだか胸を突かれた思いで。
その胸いっぱいがハイになってゲラゲラ笑うという現象が起きてたね。
私の中のキングオブ夏休み公演はじろさんに決定です。
隣の席の子供が絵日記に書くって言ってた。
「サルがおちんちん出して飛んでいきました、って!きゃははは!」
だって。
それ混ざってますよー 悟空は出してませんよー


3部、女殺油地獄。

豊島屋を燕三さん病気休演につき代役を清志郎さん。
咲大夫は今回を最後にこの演目を卒業されるということで、その節目に清志郎さんの奮闘がいかなるものか、興味津々でうかがいましたけども。
こちらも、とくに千秋楽の舞台はどの段も、床・人形とも静かなる闘志とでもいいますか、淡々とした中のぴんとした緊張感に胸を打たれましたねー

燕三さんから前回東京公演を前にして油店の三味線の難しさについてのお話を伺っていたので、随所気になるところを探したりして、お前何さま、な態度で聞いてしまったのですが。
最後の舞台ではそれもこれももうどうでもよくなって、物語に集中させられました。
この日の、与兵衛父母の想いが沁み入る語りと、重圧を吹っ切って静かに燃えていた三味線のことは、これからもずっと覚えておこう、と思いました。