部活日誌

部活動(ひとり文楽部)の記録など

狐に化かされる

2010-03-09 | 文楽
うちで飼っている犬はそもそもがよその犬も人間も大嫌いという、愛想もへったくれもない犬なんですが。
テレビに動物(特に犬)が映るだけで、画面に向かってモウレツな勢いで怒ります。
寝ていても、すっ飛んで行って画面にかぶりつきで
「うわんわんわんわんっっ!!(なんだおまえどこのどいつだこら)」
と吠え立てる程。
どんなに小さくちらっと映ってるだけでも目ざとく見つけては喧嘩を売っています。
全然相手にされてないのに。

ただ、うちの犬もたいがいアホですが、それがどんなによくできていてもぬいぐるみなどには見向きもしない。
吠えるのは本物の動物のみ、とそこはきっぱり決めてるみたいです。

そんな生き物に厳しい態度の犬ですが、昨日私が録画してあった『義経千本桜』を観ていたら、いきなりすっ飛んで来て画面に向かってぎゃんぎゃん威嚇し始めました。

なんとその相手は、勘十郎さんの遣う狐。

この狐、人形だから!

と、まんまと騙されている犬には笑ってしまいましたが、
はて、これはやはり勘十郎さんの狐がいかに生き生きと命があるかのように見えるかってことなんだろうなー
と改めて感心した次第。



そして、この公演の時のすし屋の段ですし屋の女房役を遣っておられるのが吉田玉英さんでした。
この丸みのある人形にはもう会えないんだなぁ、と思ったら、録画を観ながら淋しくて鼻の奥がつんときてしまいました。
お疲れ様でした。
御冥福をお祈りします。 



地方公演

2010-03-09 | 文楽
地方公演 大田区民プラザ
(昼の部)

解説 一輔

『卅三間堂棟由来』
 平太郎住家より木遣音頭の段
  
 中 つばさ大夫 団 吾   
 切 咲大夫   燕 三
 
   女房お柳     : 和 生
   横曽根平太郎  : 玉 也
   平太郎の母   : 清三郎
   進ノ蔵人     : 勘 緑
   みどり丸     : 簑紫郎
                    
    
『本朝廿四孝』

 十種香の段    
 
   千歳大夫  富 助       

 奥庭狐火の段
             
   咲甫大夫 清志郎      
       龍爾(ツレ)           
       寛太郎(琴)
          
   八重垣姫       : 文 雀
   簑作実は武田勝頼  : 玉 女
   腰元濡衣       : 勘 弥
   長尾謙信       : 文 司      
   白須賀六郎      : 一 輔
   原小文治       : 文 哉
 




文楽と土門拳

2010-03-04 | その他文化部
写真というかカメラが好きな夫が以前にオークションで落札した、

『文楽と土門拳』


  


これは写真集『文楽』(昭和47年刊)発行をうけて、昭和49年に小田急百貨店で行われた写真展の図録だそうです。

でかした、夫。 よくぞ見つけたり。


そして、一昨日のこと。
今度は、更に写真集の方の『文楽』が家に届きました。

と言っても初版の写真集ではなく、後に発行された「土門拳全集」の内の一冊、
「文楽」の巻なので廉価な古本ですが、それでも今度のは一層ずっしりと見応えあるねー




  



写真家・土門拳は文楽に魅せられて昭和16年から2年間に渡り劇場に通いつめて撮り続けたそう。

栄三、文五郎、古靱(山城少掾)、清六 等々、黄金期と言われる戦前の文楽の一時代を生々しく切り取った写真に圧倒されます。
空襲でほぼ焼失してしまった数々の首の貴重な記録でもありましょう。

写真集の方には若き日の(10歳位かな?)の簑助さんも写ってました。
舞台の写真の中には足遣いをする玉男さんもいらっしゃるでしょうか。それとも兵役についておられる頃でしょうか。
武智鉄二氏の栄三師匠を熱く礼賛する解説もついている豪華版。



夫は、「土門拳はなんとかをカントカするのでこういう写真なんだ」
みたいな技術的なことを言っていましたが、写真用語がちんぷんかんぷんの私には右から左、すぐに忘れました。
・・・というか、すみません、聞いてませんでした。


なんでも、先の図録の方を毎日一所懸命眺めている私を見て、ならば、とこちらの写真集も見つけて手に入れてくれたそうです。
なにそのいい人っぽい行動!

ちょうどひな祭りに貰ったので、それじゃあわたくしもお返しは端午の節句に・・・
とも考えましたが、40過ぎのおっさんが子供の日に祝われてもねぇ。
と思い直し、ならばせめて

「帰りが遅くなるならなるで、連絡くらいしてよねっ!」

とか、

「ほらー、よそ見してるから食べこぼすんだよもう!」

とか、いちいちガミガミ言うのはやめよう、と思います。
・・・当分の間は。