部活日誌

部活動(ひとり文楽部)の記録など

WKT会

2013-06-23 | 文楽
第13回 文楽若手会

【二人禿】

【絵本太功記】
 夕顔棚の段
 尼ヶ崎の段

【新版歌祭文】
 野崎村の段
 

  【配役表】 


行ってきました、大阪までえっちらおっちら。
鑑賞教室も行かないくせに、WKT会は行く。
どうかと思うけど、許して。誕生日祝いだから。

旧知の友達とついでに大阪に集まって、楽しい旅になりました。
そんな友人たちを置いてひとりだけ2日間も文楽劇場に行くという、まことに自分勝手行動。
一応誘ったんよ。
みんなも行く?行こうよ!
(し~~~ん)

まあ、集団行動を乱す勝手も、誕生日だしひとつBBAになったことだし、とみんな大目に見てくれたと思うんだよね。
私の想像では。
実際どう思ってるのかについては聞かないでおきました。


肝心の公演ですが、玉翔さん、相子さんが病気休演というのは残念な事でした。
代演は玉誉さん、靖さん。
特に靖さんは野崎村の最初と最後、2回登場するという、どうせなら全部を間の睦さんと一日交代で語ったらよかったのでは?というシフトでした。

【二人禿】
こちらは床も舞台も若々しく初々しく、人形は特に、楚々としたかわいらしい禿ちゃんでした。


【絵本太功記】

夕顔棚を希さん・寛太郎さん。
寛太郎さん、なんかもうさすがと言う感じですな
1日目、スタートから走る希さんをなだめるような間の取り方など、しっかりとリードしてたように聞こえました。
頼もしいなぁ。

尼ケ崎 前を芳穂・清丈'、後を咲甫・清志郎。

前は緊張のあまりちょっとうつろ。
お前の緊張は何か役に立つのか、と問われたら立ちませんと答えますが、そんでも手の平びっしょりのドッキドキ。
芳穂さんの「一間に入りにけり」で、おお、いいんでないのいいんでないの?
と思ってからは脳内で三味線弾くのに忙しくて。
でも、清丈'さんの哀愁の音色はたいへんよろしかったと思います。
ああ見えて音に哀愁漂うと思いませんか。
ああ見えて、てのに深い意味はないんですが、あるとすれば
髪型とか髪型とか髪型?

後の咲甫さん・清志郎さんは素晴らしかったですね。
咲甫さん、なめらかでいつもうまいなぁと思うんですが、そのなめらかな達者さ故にさらさらとした風味(あくまでイメージです)があったのですが、ガツンと響きました。
清志郎さんももちろん120%の白目充血ぶり、いいもん聞かせてもらいました。

あ。えと。人形…人形もですね

どうやったかな?

すみません、床に気を取られ過ぎていて目の焦点が合ってなかったのか。

で、でも、ほら、
十次郎の「もう目が見えぬ…」
の後の 
十次郎:「父上…」  
光秀 :「…(無言)… ばしっ ばしっ (自分の足を叩いた音で居場所を知らせる)」

のところではちゃんと ぶわっ と涙が盛り上がった!
そこは人形で泣いたわけですからね、たぶんちゃんと見てたんですよ私だって!
十次郎の玉勢さん、光秀玉佳さんはじめ、皆、渾身の舞台をおつとめだったです。 よね。

【野崎村】
野崎は紋臣さんのおみっちゃんの可愛らしい事ったらもうねー、なんていうのかな、あのまんまですよ。
どのまんまだと言われましても、あのまんまです。
キュート♪
簑紫郎さんのお染も美人さんで肩からの動きが綺麗ですね。
幸助さんと睦さんの久作の「あつい!」がなんだかぴったりで、笑ってしまいました。

そんでもって、今回、わたくしの ベスト オブ WKT会を発表しますと
もうおわかりと思いますが靖さんです。

ちょっとこれはねえ、胸を打たれましたねー

1日目、久作の「でーーきた!」の大音量で、私の前の方にいたお客さんがびくーーってするあまりメガネをふっ飛ばしてて笑いましたもん。
なんでメガネ落ちる。
お客さんみんな5センチは客席から浮いてたね。びくっとして。

それだけじゃなく、なんといいますか、表情や息の継ぎ方なんかお師匠さんによく似てる気がして、じーーんときましてねえ。
爺がそれはそれはよかったので、婆ありバージョンでもぜひ聞いてみたいです。
段切りでは清馗・清公のふたりの三味線にも負けず、ほんとに立派でした。
想像の何倍も上をいく、いいものを聞かせてもらいました。
これからの楽しみがまたひとつ増えました。


以上、大変楽しくて感激して美味しくて肥えた、よい大阪行きでした。