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月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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メラク・40

2015-01-21 06:55:17 | 詩集・瑠璃の籠

転んで 足をすりむいて
泣いていても
誰も助けにきてはくれません
自分で立ち上がり
自分で怪我の手当てをしなさい

あなたがたは
つらいよ いたいよと叫んで
泣いていれば誰かが助けにきてくれると
いつまでも子供のつもりで
いることはできません

何をしたと思っているのか
愛をくだらないものだと言って
馬鹿なものだと言って
美しいものにすべて糞を塗って
つばを吐いた

すべてを助けようと
がんばってきてくれた愛を
豚にして食おうとした
何度言ってもわからぬのなら
何度でも言ってあげましょう

大きな馬鹿の結末が
大きな法則の波となって
自分のところに返ってくる
そのときになって
手のひらを返したように
愛に甘えてきても
誰も助けてはくれません

自分でやりなさい
すべて 自分のやったことは
自分で責任をとりなさい
自分が言った約束は
すべて自分で果たしなさい

いつまでも
つらいと甘えれば助けてもらえる
子供の真似をするのではない
もうあなたがたは十分に大人になったのです

やらねばならぬ宿題の山の前に
おびえているのではない
逃げるのではない
正面から立ち向かいなさい
それが正しいことです

どんなに苦しくても
それ以外に道はないことは
わかっているはずです
それなのにまだ
怪我をして泣いていたら
誰かが駆けつけてくれると
馬鹿のように人に甘えるのですか

もう誰もあなたの相手はしてくれません
そうやってあなたが
人に頼ろうとしている限り
人に自分の影をなすりつけようとしている限り

自分でやりなさい
それが一番正しいことだと
わかっているはず
ここまで言われても
まだわからないのか
まだ同じことを繰り返すのか

これ以上の話は
もうわたしにはできません
法則の反動が返って来るのがいやだと
自分のわがままを通したいのなら
法則の神のところへ行きなさい



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スピカ・12

2015-01-20 07:12:20 | 詩集・瑠璃の籠

アップルパイを食べようと
ナイフで切ろうとしたら
中から真っ赤な蛇が出て来たよ

みんな 大慌てで逃げはじめる
シナモンの香りと銀の林檎で
すばらしいパイを作ったはずなのに

蛇はパイの中から出てくると
汚い声でしゃべり始める
おまえ 盗んできたろう
おまえ みんなをだましたろう
おまえ ずるをやったろう
いちばん大事なことをだめにして
すべてを馬鹿にしてしまったろう

あらゆることを ばらしてやる
あらゆることを ばらまいてやる
本当はみんな 馬鹿なのだ
あらゆるものが 贋金なのだ
あきらめろ あきらめろ
どんなにあがいても
沈んだ船は浮かんで来ない

蛇から逃げ出して
家を飛び出したら
何だか見上げる空が広すぎる
何かが足りなくて 
世界を吹く風が 寒すぎる

いつもの風景から
街のむこうにあったはずの
大きな山が消えているのだ
あんまりに人間が馬鹿になったので
山があきれて去っていったのだと
蛇が臭いガスを吐きながら言う

みんなは人形のように立ち尽くして
山のない風景を見ている
ああ おしまいだ
もう何も隠すことが できない

AはアップルパイのA
とうとう
みんしゅしゅぎが 終わる




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ベテルギウス・12

2015-01-19 06:45:12 | 詩集・瑠璃の籠

罪の神の冷えた吐息が
あなたの元を訪れるでしょう

誰も知らなくても
わたしは知っている
あなたは 清らかな川の中を泳いでいた
大きな金の錦鯉を殺しましたね
自分の手は汚さずに

糞に住んでいた汚い小人に
金貨のチョコをやるから
あれを殺して来いと言った

誰も知らなくても
わたしは知っている
小人は金の錦鯉を殺して
あなたから金貨のチョコをもらった
小人は別にうれしくもなかった
つまらなそうにうまくもないチョコを食っていた

結局あなたに馬鹿にされるだけなのに
何で小人はあなたの言うことをきくのか
それはあなたしか友達がいないからだ
汚い小人は馬鹿みたいに小さいから
糞と血で汚れているから
誰もが嫌だと言って目を背ける

ああ どうしようもない
汚いことを 小人にやらせましたね
汚いのは あなたのほうだ
美しい錦鯉を殺したのは
あれが自分より美しかったからだ
でも嫉妬しているということでさえ
認めるのが嫌だったから
あなたは馬鹿な小人にやらせたのだ

罪の神の冷えた吐息が 
あなたの元を訪れるでしょう
小人が糞を食い過ぎて死んだとき
あなたの最も大きな馬鹿の扉が開く

何をしたのですか
何をやらせたのですか
ああ もうどうしようもない
錦鯉の死骸の山が崩れてくる
そしてあなたにはやっとわかる
自分を支えていたのは
あの小さな馬鹿野郎だったと

たったひとりの馬鹿な小人が死んだ
それだけで あなたのすべてが
破滅の海に吸い込まれてゆく
それであなたはやっと
青い偉人の物語が
とっくに破綻していたことを
思い知るのです




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ヌンキ・10

2015-01-18 07:09:55 | 詩集・瑠璃の籠

シジフォスの岩のように
人生をかけて築き上げた大きな山が
一瞬で崩れ去る
いや 馬鹿になってしまう
そういう経験を
あなたがたはこれからしばしば味わうことでしょう

まだ若いあなたがたが
酷いことにならないように
法則の冷たい風から守ってくれていた
愛の扉が開いてしまったからです
いや あなたがたが
自ら 壊してしまったのです

ですから これからは
今までなら見えなかった法則の真実を
あなたがたは見ることになるでしょう

宝石のような魂が 愛を信じて
あなたがたのためにすべてをやってくれていたことを
あなたがたは侮辱しすぎてしまったのです
ゆえに 自然界の愛は
あなたがたに差し延べていた手の数を
大幅に減らしたのです

籠の中に閉じ込めていた
小鳥が逃げて行くように
見えない 大切なものが
あらゆるものから逃げて行く
だが あなたがたは気づかない
ただ 今年の冬は
いつもより少し寒いと感じるくらいだ

自分たちの今の本当の姿が見えるのは
まだ先のことでしょう
だが その時が来て
驚きがあなたがたの心を壊さないように
わたしは何度も言ってあげましょう

大事なものが 馬鹿になる
砂漠の旅を導いていた
ひとつの星が嘘になる
あらゆるものが 魂のない
ぬけがらになる

沈む前に船から降りろと
あれほど言ったではありませんか



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シリウス・8

2015-01-17 07:52:00 | 詩集・瑠璃の籠

馬鹿になったクズどもは
まとめて糞にしてしまえ

阿呆が いつまでも
沈んだ船の中で
ボールゲームをやっている
張りぼての尻が
腐って傷んでいることにすら
いまだに気づくことができない

どこを探しても
真珠をもった本当の人間がいない
いたらおかしい
こんな嘘の世界では
彼らは呼吸をすることすらできまい

あこがれのあの人になりたいと
嘘と盗みで作りあげた
理想の自分に酔いながら
自分はかっこいいつもりで
馬鹿ばかりをやっている
そういうクズどもは
まとめて糞にしてしまえ

人間は馬鹿になった
人間は糞になった
沈んだ船の中で
幻の夢を食いながら
まだいける まだいけると
未練たらしく叫んでいる

頭の痛い馬鹿どもには
そろそろ見切りをつけて
まとめて糞にしてしまえ

馬鹿がばれる前に
船を降りて真実の人生に戻れと
あれほど言われたであろうに

何を言ってもわからぬ馬鹿どもは
まとめて糞にしてしまえ



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ベクルックス・24

2015-01-16 07:03:07 | 詩集・瑠璃の籠

イヴは
アダムの肋骨から
創られたのではありません
アダムとは
全く違う創造なのです

素材が違うと言った方がいいでしょう
イヴの魂には アダムにはない
愛の育ちやすい柔らかな土壌があるのです
それはとても香りのよい土壌
どんな女性も その素質を持っているのです

たとえを用いて言うならば
神がアダムを土から創ったとすれば
イヴは水から創られたのです
それはやわらかく 自然に愛の方に心が流れてゆく
痛いことがあって 泣いても
すぐに水に溶けて 消えてしまって
次の日にはまた笑顔で生きることができる
涙をふいた思いを 日々積み重ねて
やさしさのひだを柔らかくしていくことができる

イヴには アダムにはない柔軟性があるのです
だからどんな屈辱にも耐えてこれた
長い年月を 愛をともしびにして
生きてくることができた
どんなに 愛されることが少なくても
水のように心を流し かすかな光を見つけて
小さな愛の花を咲かせることができる
あまりにもかわいらしい魂

女性は 男性とは違う
すばらしい創造なのです
女性たちよ 誇りを持ちなさい
そして男性たちよ
永い間 嘘で皆をだましてきたその肋骨に
半月の形をした印を刻みなさい
男が嘘をついてきたという真実を印しなさい
これからは アダムの肋骨という言葉は
あまりにも愚かな嘘という意味になるでしょう

イヴを創った新鮮な水には
不思議な薬が混じっている
その魔法が すべてをよくしていく
その美しい女性の素質を
歪め 壊し 愚弄し いじめつくしてきた
男は その責任を負いなさい



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スピカ・11

2015-01-15 07:12:18 | 詩集・瑠璃の籠

暖かな 氷の城で
白い綿雪を織って 春の服を作ろう
寒くなんてないんだよ
本当さ

凍えているんじゃないんだよ
白くてきれいな雪の服が うれしくて
君が震えているだけなんだよ
嘘じゃない

極光の虹を紡いで 美しい糸を作り
かわいい部屋靴を編んであげるよ
冷たくなんかない
足先がしびれるように痛いのは
君が馬鹿なことばかりするからだよ

生きているのが 苦しいのは
だれのせいでもない
悪いのは君さ
何でもぼくの言う通りにしないからだよ
絶対にそうさ

熱い氷を 大きな桶にたくさん入れて
お風呂を作ってあげる
君を暖めてあげるために
ぼくはやってあげるんだよ
何もかも 君のためなんだ
本当さ

ほうら 言う通りにしないから
君はとうとう 死んでしまった
暖かいのに 寒いなんて言うから
凍えて 死んでしまった
おや どこに行ったんだい
ぼくの君

さみしいよ
もっとそばにいておくれよ
こんな寒い所で 独りぼっちは嫌だ

暖かな 氷の城で
ぼくはいつまでも待っている
だれかがまた ここに来てくれるのを
永遠に 待っている




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メラク・39

2015-01-14 07:02:32 | 詩集・瑠璃の籠

キリストの幽霊のように
水を踏み 海の彼方から歩いてくる者がいる
黄昏のマントを引きずり
何かを知らせる
ガラスの笛を吹きながら

黒いテーブルの上で
カード遊びをしていた子供が
ふと何かに気がついて
持ち札を放り出す
突然 遊んでいるのが
つまらなくなったのだ

床の上に落ちていた
小さな絵本から
薄紅の翅をした妖精が逃げて行く
まるで魂が肉体から逃げて行くように
あらゆる本の中から
美しい妖精が逃げて行く

子供は本を開いてみたが
なんだか おもしろくない
それは好きでたまらなくて
わがままを言って買ってもらった
大切な本だったのに

誰かが 何かをした
そんな気がすると
窓を開けて空を見れば
黄昏は静かに海に沈み
菫色の夜が開き始めている

かすかに ガラスの笛の音がする
誰かが 開いてはならない
秘密の扉を開いたのだ
だからもう 二度と
あの絵本の世界には
戻れない

何をすればいいの
どこにいけばいいの
風に問うても答えてはくれない

いい子になると 約束ができるのなら
わたしが 教えてあげましょう

もうとっくに通り過ぎていった
静かな笛の楽隊を
かすかな音を頼りに
追いかけていきなさい
子供たちよ

もうこの世界には
本当におもしろいものは
何もないんですよ



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ベクルックス・23

2015-01-13 06:54:30 | 詩集・瑠璃の籠

エデンの庭の
苦い知恵の実を
先に食べたのは
アダムの方です
イヴではありません

もうすでにわかっているはず
人間としてきついことを最初にするのは
いつも男の方です
女はそれを止める方です

後の神話作者が
男の方が女より偉いという
その根拠を作りたくて
間違ったことを書いたのです

力のある男にはかなわない女性は
ずっとなすりつけられた罪をかぶって
何もかもを男に押しつけられ
黙って耐え忍んでくるしかなかったのです

多くの表現者が 詩や絵画などで
アダムより先に実を手にするイヴを描いていますが
それは全くの間違いです
許されない罪になるので
すべて 描き直してください

知恵の実を先に食べたのは
男です
女ではありません
正しいことを
これからは伝えていってください

男性はもう これ以上
自分の馬鹿さ加減と
勉強不足を
女性のせいにしてはなりません
そのようなことをすれば
男としての誇りを
一気に地に落とすことになるでしょう

表現者という表現者は
すべてやり直してください
先に知恵の実に手を出したのは
アダムの方です
イヴではありません

そんなつまらないことをと
軽々しく言ってはなりません
蛇にまきつかれ知恵の実を手にする
イヴの絵を見続けてきただけで
男は女の方が悪いのだと思い込み
女を馬鹿にし続けてきたのです

ですから
あなたがたは訂正をせねばなりません
イヴよりも先に
知恵の実に手を出すアダムの絵を描いて下さい
その方が正しいのです

間違ったことは
必ず正してゆかねばなりません
あらゆる表現者に
わたしは命じます

イヴよりも先に知恵の実に手を出した
アダムの姿を描きなさい
何万と描きなさい
それは表現者の義務の一つとなるでしょう
なぜなら
アダムを誘惑するイヴの絵を
描き続けて来ただけで
表現者は
女性を冒涜し続けてきたことになるからです
その罪は必ず支払わねばならないのです

エデンの庭の
苦い知恵の実に先に手を出したのは
アダムの方です
イヴではありません




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ルクバー・6

2015-01-12 06:59:40 | 詩集・瑠璃の籠

黄昏の珠玉を盗んだ
灰の巨鯨を追え
極光の鉄の捕鯨船を
炎のように駆り
それは一筋の白光となって
海上を走る

これさえあれば
簡単な手品で
闇の夢想劇を
まだ続けることができる
微かな珠玉の光から
ふたたび偽物の太陽を作るために
絶望の彼方へ逃げ去ろうとする
幻の巨鯨を追え

黄金のレーダーを
網のように海にまき
いるはずのない巨鯨を追え
レーダーは鯨の虚偽の灰をとらえ
散らばった鈴のような音をたてる

照準を合わせ
弾きがねにあてる手に神経を集中せよ
そしてあるはずのない鯨の心臓を見抜き
銛を打て

白翼の銛は風の音を立てて宙を飛び
みごとに巨鯨の心臓を貫く
油断をするな
レーダーがまだ鳴っている
銛を打て 銛を打て
とどめを刺すまで
油断をするな

幻の灰の巨鯨は
黄昏の珠玉を離し
砂山のように崩れていく
やっとわかったか
いや まだわからぬか

復讐の波に耐えられぬ者が
今も黄昏の珠玉をねらい
自らの王国の夢を盗もうとする
一匹たりとも 鼠を逃すな
すべて捕らえよ

極光の鉄の捕鯨船は
炎のように燃え
それは一筋の白光となって
海上を走る



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