もう一回やり直させてくれと
馬鹿が頼んできたら
口に藁と糞を詰め込んで
追い返せ
もうすべては終わっている
散々に終わった試験結果を
今さらひっくり返せるわけがない
それなのに 馬鹿な人間は
またやってきて どうしてもと
頼んでくるのだ
もう一回 もう一回
やり直させてくれ
そうしたら おれたちが勝てる
そういう馬鹿が来たら
顔に糞と脂を塗りたくって
追い返せ
二度と帰って来るなと
世界を回す 白い菊の樹が
緑の葉を揺らしている
まだつぼみはないが
季節が来れば
それは美しい花を咲かせるだろう
その香りはすでに
風に乗って世界を塗り始めている
新しい時代の創り方はこうやるのだ
たとえ六十億人の人間に
馬鹿だと言われても
笑って自分が正しいと思うことをやる
ひまだねえ 馬鹿じゃないのかと
あざ笑う人の声を浴びながら
ノアのようにこつこつと方舟を造ってゆく
ただ独りでも 自分の信じた愛の道をゆく
その心と行動が
新しい時代の芽を揺り動かすのだ
そしてあきるほどあざ笑った者たちの
載っている高台を山ごとひっくり返す
馬鹿が
四千人もいて みんなでやれば
子猫の一匹くらい
難なく殺せると思っていたか
阿呆どもよ
もう一回 もう一回
やり直させてくれ
そうすれば 今度こそ
あいつを殺せる
馬鹿が頼んで来たら
よく熟れた肥を頭からぶっかけて
尻を蹴って追い返せ
二度と馬鹿の顔を人に見せるなと
もうとっくに
船は沈んだのだ