ここまで世界が荒れたのは
おまえのせいだ
馬鹿者よ
ここまで人間が汚れたのは
おまえのせいだ
馬鹿者よ
遠い昔
神の庭から
一輪の水仙を盗んで
それを女のせいにした
遠い昔
一本のマッチで
森に火を点けておきながら
それをネズミのせいにした
おまえがついた
一粒の小さな嘘が
世界に小さな傷をつけて
それが見事に膿み広がり
ここまで人間は腐ってしまったのだ
責任をとれ
貧しい国に帰り
一日に一椀の
稗飯も食えぬような暮らしをし
一本の鋤と
一本の箒で
世界を清めよ
逃げるのではない
毒を含んで煮えたぎった
おまえのもらした糞の海を
すべて清めよ
逃げるのではない
だれの助けも求めてはならない
おまえ一人でやれ
逃げるのではない