このジャケットの絵…すご~く興味を惹きますよね。
実は、前衛的な画家、「キリコ」が描いた「預言者」と言うタイトルの抽象画なんです。
この不可思議で、アヴァンギャルドな絵と変わらないぐらい、ここでの「モンク」カルテットの演奏も、不可思議な魅力に満ち溢れている、「ファイヴ・スポット」でのライヴ演奏です。
そしてリーダー、「セロニアス・モンク」の手足として音楽を理解し、豪快にブロウして、演奏をグイグイと推進して行くのが、テナー・サックスの「ジョニー・グリフィン」なんです。
今宵は「モンク」の不思議ワールドへ行ってみましょう。
アルバムタイトル…ミステリオーソ
パーソネル…リーダー;セロニアス・モンク(p)
ジョニー・グリフィン(ts)
アーマッド・アブダル・マリク(b)
ロイ・ヘインズ(ds)
曲目…1.ナッティ、2.ブルース・ファイヴ・スポット、3.レッツ・クール・ワン、4.イン・ウォークト・バド、5.ジャスト・ア・ジゴロ、6.ミステリオーソ、7.ラウンド・ミッドナイト※、8.エヴィデンス※
1958年8月7日…1~6曲目、8曲目、1958年7月9日…7曲目 NYCファイヴ・スポットにてライヴ録音
原盤…RIVERSIDE RLP-12-279 発売…ビクター音楽産業
CD番号…VICJ-23587
演奏について…4曲目「イン・ウォークト・バド」…名前通り、「バド・パウエル」に敬意を表した曲だと思うが、演奏自体は「バド」的な訳では勿論無く、「モンク」の描く世界を強烈に表現していて、又、各人が魅せるソロ・パートも用意されていて、11分超えと言う曲の長さに恥じない、そして飽きさせない、聴き応え充分な1曲になっている。
テーマ・メロディからして、超「モンク」的で、不協和音的でありながら、微笑ましくもあり、なじみ易い感覚もある。
このテーマの後、「グリフィン」が、とてもメロディアス且つ豪快なアドリブを演じて、自らも鼓舞しながら、曲をだんだんエキサイティグに押し上げて行く。
それから、尚一層、演奏陣を煽るのが、ドラムスの「ヘインズ」なんです。
「ヘインズ」は、まじめに人を乗せるのが上手く、演奏陣をファイトさせるのが、得意なミュージシャンだけに、ここでも素晴らしい心を高揚させるドラミングがgoodです。
およそこの曲の演奏が始まってから6分以上、「モンク」は静観していて演奏に参加していないのだが、満を持して参加すると…「モンク」節全開で、とにかく知的に…アドリブ・ソロを決め捲ります。
終盤では、「アブダル・マリク」のカッコイイ、ベース・ソロ演奏を演ってくれて痺れちゃいますし、「ヘインズ」のドラム・ソロも、流石の一言で、全員のソロが堪能できる、アルバム・ピカ1の演奏&曲ですよ。
6曲目、タイトル曲の「ミステリオーソ」…序奏から、ず~っと、約8分間に渡り、「グリフィン」が、ヴォリューム感タップリで、テナーを良く歌わせ、そしてかなりエモーショナルなアドリブ演奏を、長時間に渡り決める所からして、すごいなと思わせる。
「グリフィン」のすごい所は、「コルトレーン」や「ドルフィー」等の様に、バーサクやぶっ飛び、或いは、絶叫無しで、メロディアスなアドリブを長く続けられる事である。
「リトル・ジャイアント」は、パワフルさだけではなく、とても良く歌わせる事ができるテナー奏者なのである。
後半は、もう、完全に「モンク」ワールドの中枢に居る演奏である。
「モンク」のテーマ・メロディにユニゾンで合わせる「グリフィン」とのデュエットは、不可思議でいながらも、もはや美しささえ感じる程です。
2曲目「ブルース・ファイヴ・スポット」…このライヴ会場をテーマに、いかにも即興でも名曲を作りあげる、天才「モンク」の真骨頂。
テーマはすごくシンプルながら、「グリフィン」、「モンク」、「アブダル・マリク」、「ヘインズ」と続くソロ演奏は、それぞれ自己主張が有るのは当然なんですが、全員の演奏自体に、素晴らしい切れとコクが有って(高級なビールか?)まじめに酔わされそうになります。
テーマ…コード・チェンジ…アドリブ・ソロ…テーマに戻ると言う、シンプル・イズ・ベストなチューンです。
3曲目「レッツ・クール・ワン」…ユニゾンでテーマが告げられた後、この曲では、いきなり「グリフィン」が限定解除で、激しく、パワフルにテナー・サックスを吹き通す。
ここでの「グリフィン」の演奏には、シャウトやハイ・ノートも多少使用してはいますが、やはり基本的にテナーを歌わせ、アドリブ演奏の美しさをたっぷりと抽出し、気合も目一杯ぶち込んでいる、極上の演奏です。
受ける「モンク」は、シングル・トーンを多用し、高音域を有効に使い、とてもハイ・センスな演奏をしてくれて…「グリフィン」の熱演に花を副えます。
いかにも「モンク」的なんですが、とても美しい演奏です。
オープニング曲「ナッティ」…最初のテーマを聴くだけで、もう「モンク」の世界へようこそってな感じで、不思議空間へ旅立ちます。
「モンク」と「グリフィン」のやりとりが、ライヴ演奏&録音と思えない程、ピッタリ、マッチしてます。
7曲目「ラウンド・ミッドナイト」と8曲目「エヴィデンス」は、CD化に際して追加されたトラックなんですが…やはり「モンク」最大のヒット曲にして、モダン・ジャズ史上屈指の名曲である「ラウンド・ミッドナイト」を取り上げましょう。
「グリフィン」が割と渋めに、低音を用いたテーマ・メロディを吹いて曲が始まり、それを受けての「モンク」の演奏なんですが…とてもまともな感じで、「モンク」臭さが薄いんですねぇ。
でも、私は嫌いじゃないです。
こう言うアッサリした「モンク」も良いんじゃないの?
薄いと言っても「モンク」節は、チョイ見せはしてるし、「グリフィン」を立たせたサポート演奏に終始しているのも、賢者「モンク」の意図が有ったんでしょう。
「ラウンド・ミッドナイト」を「モンク」抜きで演っている、多くの演奏(録音)に近い感じなんです。
実は、前衛的な画家、「キリコ」が描いた「預言者」と言うタイトルの抽象画なんです。
この不可思議で、アヴァンギャルドな絵と変わらないぐらい、ここでの「モンク」カルテットの演奏も、不可思議な魅力に満ち溢れている、「ファイヴ・スポット」でのライヴ演奏です。
そしてリーダー、「セロニアス・モンク」の手足として音楽を理解し、豪快にブロウして、演奏をグイグイと推進して行くのが、テナー・サックスの「ジョニー・グリフィン」なんです。
今宵は「モンク」の不思議ワールドへ行ってみましょう。
アルバムタイトル…ミステリオーソ
パーソネル…リーダー;セロニアス・モンク(p)
ジョニー・グリフィン(ts)
アーマッド・アブダル・マリク(b)
ロイ・ヘインズ(ds)
曲目…1.ナッティ、2.ブルース・ファイヴ・スポット、3.レッツ・クール・ワン、4.イン・ウォークト・バド、5.ジャスト・ア・ジゴロ、6.ミステリオーソ、7.ラウンド・ミッドナイト※、8.エヴィデンス※
1958年8月7日…1~6曲目、8曲目、1958年7月9日…7曲目 NYCファイヴ・スポットにてライヴ録音
原盤…RIVERSIDE RLP-12-279 発売…ビクター音楽産業
CD番号…VICJ-23587
演奏について…4曲目「イン・ウォークト・バド」…名前通り、「バド・パウエル」に敬意を表した曲だと思うが、演奏自体は「バド」的な訳では勿論無く、「モンク」の描く世界を強烈に表現していて、又、各人が魅せるソロ・パートも用意されていて、11分超えと言う曲の長さに恥じない、そして飽きさせない、聴き応え充分な1曲になっている。
テーマ・メロディからして、超「モンク」的で、不協和音的でありながら、微笑ましくもあり、なじみ易い感覚もある。
このテーマの後、「グリフィン」が、とてもメロディアス且つ豪快なアドリブを演じて、自らも鼓舞しながら、曲をだんだんエキサイティグに押し上げて行く。
それから、尚一層、演奏陣を煽るのが、ドラムスの「ヘインズ」なんです。
「ヘインズ」は、まじめに人を乗せるのが上手く、演奏陣をファイトさせるのが、得意なミュージシャンだけに、ここでも素晴らしい心を高揚させるドラミングがgoodです。
およそこの曲の演奏が始まってから6分以上、「モンク」は静観していて演奏に参加していないのだが、満を持して参加すると…「モンク」節全開で、とにかく知的に…アドリブ・ソロを決め捲ります。
終盤では、「アブダル・マリク」のカッコイイ、ベース・ソロ演奏を演ってくれて痺れちゃいますし、「ヘインズ」のドラム・ソロも、流石の一言で、全員のソロが堪能できる、アルバム・ピカ1の演奏&曲ですよ。
6曲目、タイトル曲の「ミステリオーソ」…序奏から、ず~っと、約8分間に渡り、「グリフィン」が、ヴォリューム感タップリで、テナーを良く歌わせ、そしてかなりエモーショナルなアドリブ演奏を、長時間に渡り決める所からして、すごいなと思わせる。
「グリフィン」のすごい所は、「コルトレーン」や「ドルフィー」等の様に、バーサクやぶっ飛び、或いは、絶叫無しで、メロディアスなアドリブを長く続けられる事である。
「リトル・ジャイアント」は、パワフルさだけではなく、とても良く歌わせる事ができるテナー奏者なのである。
後半は、もう、完全に「モンク」ワールドの中枢に居る演奏である。
「モンク」のテーマ・メロディにユニゾンで合わせる「グリフィン」とのデュエットは、不可思議でいながらも、もはや美しささえ感じる程です。
2曲目「ブルース・ファイヴ・スポット」…このライヴ会場をテーマに、いかにも即興でも名曲を作りあげる、天才「モンク」の真骨頂。
テーマはすごくシンプルながら、「グリフィン」、「モンク」、「アブダル・マリク」、「ヘインズ」と続くソロ演奏は、それぞれ自己主張が有るのは当然なんですが、全員の演奏自体に、素晴らしい切れとコクが有って(高級なビールか?)まじめに酔わされそうになります。
テーマ…コード・チェンジ…アドリブ・ソロ…テーマに戻ると言う、シンプル・イズ・ベストなチューンです。
3曲目「レッツ・クール・ワン」…ユニゾンでテーマが告げられた後、この曲では、いきなり「グリフィン」が限定解除で、激しく、パワフルにテナー・サックスを吹き通す。
ここでの「グリフィン」の演奏には、シャウトやハイ・ノートも多少使用してはいますが、やはり基本的にテナーを歌わせ、アドリブ演奏の美しさをたっぷりと抽出し、気合も目一杯ぶち込んでいる、極上の演奏です。
受ける「モンク」は、シングル・トーンを多用し、高音域を有効に使い、とてもハイ・センスな演奏をしてくれて…「グリフィン」の熱演に花を副えます。
いかにも「モンク」的なんですが、とても美しい演奏です。
オープニング曲「ナッティ」…最初のテーマを聴くだけで、もう「モンク」の世界へようこそってな感じで、不思議空間へ旅立ちます。
「モンク」と「グリフィン」のやりとりが、ライヴ演奏&録音と思えない程、ピッタリ、マッチしてます。
7曲目「ラウンド・ミッドナイト」と8曲目「エヴィデンス」は、CD化に際して追加されたトラックなんですが…やはり「モンク」最大のヒット曲にして、モダン・ジャズ史上屈指の名曲である「ラウンド・ミッドナイト」を取り上げましょう。
「グリフィン」が割と渋めに、低音を用いたテーマ・メロディを吹いて曲が始まり、それを受けての「モンク」の演奏なんですが…とてもまともな感じで、「モンク」臭さが薄いんですねぇ。
でも、私は嫌いじゃないです。
こう言うアッサリした「モンク」も良いんじゃないの?
薄いと言っても「モンク」節は、チョイ見せはしてるし、「グリフィン」を立たせたサポート演奏に終始しているのも、賢者「モンク」の意図が有ったんでしょう。
「ラウンド・ミッドナイト」を「モンク」抜きで演っている、多くの演奏(録音)に近い感じなんです。