紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

昨日の続き…MJQ~ヨーロピアン・コンサート

2008-02-05 22:07:12 | ジャズ・コンボ
昨日の続きを行きましょう。

DISC2…1曲目は同名のアルバムも有る、MJQ初期の名曲「ピラミッド」。
かなりブルージーにディープに曲を仕上げる「ミルト」と、この演奏では流麗ではなく、どちらかと言うと朴訥に(半音やハズシをやらない「モンク」みたいな感じ)で、対話するように演奏する「ルイス」が面白い。
バックでは、行進曲風にドラミングする「コニー・ケイ」の演奏は、影のMVP級のイカス演奏です。

2曲目「スウィングしなけりゃ意味ないね」…著名な「エリントン」ナンバーですが、ここではジャングル調は一切無しで、いかにもMJQらしい、室内楽的なハイ・センスのスウィング・ナンバーに仕上げている。
ガッツリ4ビートで皆を推進する「ヒース」のベースが心地良く、「ルイス」のピアノも粋な演奏でgoodです。

3曲目「スケーティング・イン・セントラル・パーク」…「ミルト」のヴァイヴがペダルを活かした、幻想的で真にロマンティックな演奏で…セントラル・パークで子供達が、スケートを楽しんでいる様子が、見事に表現されている。
中盤からは、アドリブも佳境に入り、滑ったり、転んだり、笑い合う微笑ましさも感じます。
「ルイス」は、あくまでもサイドメンに徹して、そうですね、スケート場のBGM的な演奏をしているのかも知れません。

4曲目「ザ・シリンダー」…MJQ中期から後期にかけて、彼等の持ち曲の一つとなった名曲。
バッハ風の輪唱の様な演奏(「ミルト」と「ルイス」の追いかけっこ)が、一度聴いたら耳を離れない、単純なメロディながらベストなメロディです。
ちなみに私も大好きな曲の一つです。
テーマが終わると、「ミルト」はブルージーなアドリブを連発して、曲にディープなイメージも植付けてくる。
一方、「ルイス」は遊びをしながら、曲をライトに仕上げてくる。
「コニー・ケイ」の時間を変える様な、スティック捌き、ドラミングが一瞬間を変えて、曲にアクセントを付ける。

5曲目「ラウンド・ミッドナイト」…「モンク」作曲の超名曲ですが、MJQと言うコンボも十八番の1曲にしています。
センス抜群のシングル・トーンで押し通す「ルイス」と、これ見よがしにgoodなヴァイヴ・アドリブを敲き捲る「ミルト」とのスーパー・コンビネーションがえぐいくらいです。

6曲目「バグス・グルーヴ」…言うまでもなく「ミルト」作曲のMJQの定番ミュージック。
ここでの「ミルト」は、縦横無尽にヴァイヴを演り、「ルイス」は、訥々と、ひっそりとしたイメージで曲を紡ぐ。
剛の「ミルト」、柔の「ルイス」と言う図式がピタリと当て嵌まる。
終盤では全員が一斉にファイトする様な場面も見られて、流石定番と言う感じです。

ラスト・ミュージックは、この曲の本筋とは一寸違う、「四月の想い出」。
何が違うかと言うと、単純にスピードなんですけど、非常に高速で疾走する演奏で、コンサートのラストを盛り上げようと、4人がスパートして、こう言う感じになったんでしょう。
特に「ミルト」が煽る様にヴァイヴを決め捲って…大拍手で〆てくれます。