紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

私のストライク・ゾーンじゃないが…ジーン・クルーパ~プレイズ・ジェリー・マリガン・アレンジメンツ

2008-03-25 22:37:23 | ジャズ・ビッグバンド・その他
正直言うと、何でもかんでも聴くと言っている私ですが、ビッグ・バンド・ジャズは、ジャズの中でも、最も苦手のカテゴリーで、(人生の中で…大袈裟か?)余り聴いた事がないし、第一聴きたいとも思わないのが本音です。
しかし、たまには(怖いもの見たさで)チョイスして見ようかな?なーんて思って、今日はこんなアルバムを行っちゃいましょう。

アルバムタイトル…ジーン・クルーパ~プレイズ・ジェリー・マリガン・アレンジメンツ

パーソネル…リーダー;ジーン・クルーパ(ds)
      アーニー・ロイヤル(tp)
      カイ・ウィンディング(tb)
      フィル・ウッズ(as)
      ハンク・ジョーンズ(p)
      ジェリー・マリガン(arr、cond)
      他

曲目…1.バード・ハウス、2.マーギー、3.マリガン・シチュー、4.ビギン・ザ・ビギン、5.シュガー、6.ザ・ウェイ・オブ・オール・フレッシュ、7.ディスク・ジョッキー・ジャンプ、8.バーズ・オブ・ア・フェザー、9.サムタイムズ・アイム・ハッピー、10.ハウ・ハイ・ザ・ムーン、11.イフ・ユー・ワー・ジ・オンリー・ガール、12.ヤードバード組曲

1958年10月20日~22日 NYにて録音

原盤…verve 発売…ポリドール㈱
CD番号…POCJ-2142

演奏について…1曲目「バード・ハウス」…「クルーパ」の正確無比のドラミングが当然の如く、皆を引っ張り、特筆すべきソロを取るのが「フィル・ウッズ」です。
魅惑的なアドリブ・フレーズで曲を彩ります。
その後の「ロイヤル」と「ウィンディング」のアドリブも行けてます。

2曲目「マージー」…いかにもビッグ・バンド・ジャズとも言うべき、寛ぎと余裕の編曲&演奏で、ダンサブルに進行する。
ここでも「ウッズ」のソロが秀逸で、このバンドのホーン・セクションの核は、間違いなく、彼であろう。

3曲目「マリガン・シチュー」…この曲も2曲目同様、ジス・イズ・ザ・ビッグバンド・ジャズと言って良い演奏&曲です。
トロンボーン「ウィンディング」と「ウッズ」のソロがウォームな感じでgoodです。

4曲目「ビギン・ザ・ビギン」…古き良きアメリカ…黄金の時代の記憶を蘇らせる様なゴージャスで、寛ぎのサウンドに酔いしれたい。
「クルーパ」は、さりげなくも裏番長として、目配せ気配せで皆を鼓舞する。
ここでも「ウッズ」はとても元気なアルト・サックスでぶいぶい言わします。

5曲目「シュガー」…「ウッズ」はもとより、トロンボーン「ジミー・クリーブランド」と、トランペット「ドク・セヴェリンセン」のソロが堪能できるトラック。
ビッグ・バンドを柱に、ソロ・アーティストがカラフルに修飾します。

6曲目「ザ・ウェイ・オブ~」…この曲のソロの聴き物は、テナー・サックス「アル・コーン」とのクレジット表記が有ります。
このビッグ・バンド…一体どんなスター・プレイヤーが参加しているんじゃ?
参加者全員の名簿がみたいもんじゃ!!

7曲目「ディスク・ジョッキー・ジャンプ」…一言で言って、この疾走系のサウンドは良いですね。
「クルーパ」がシャンシャンとリズムを刻み、「ウッズ」がガンガン吹き、「クリーブランド」が控えめに仕上げる。
「クルーパ」のスーパー・ドラミングも勿論聴き物ですが、トランペットの「アーニー・ロイヤル」のブリリアントなソロ演奏が最高潮で、ベスト・バウトです。

9曲目「サムタイムズ・アイム・ハッピー」…とても面白いアレンジメントで、「マリガン」の編曲者としての才能が垣間見れる。
ホーンのアンサンブルをハイセンスに配置して、「ウッズ」のブロウ・ソロをメイン・パーソンにして、クリエイティヴなサウンドを抽出しています。
「マリガン」…good jobですねぇ。

10曲目「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」…この曲の編曲は、あえて大人し目…控え目に仕上げているのが味噌です。
ビッグ・バンドだからって、フルパワーで演らないのが、「マリガン」のセンスだろう。
各人のソロも抑制された美学があり、音色を減らして無限の空間を表現している。
そう…絵画なら水墨画の境地…渋いねぇ!

11曲目「イフ・ユー・ワー~」…このバラード演奏は最高だね!
このアルバムの白眉でしょう。
トランペットのミュート・プレイが郷愁を誘い、さりげないビッグバンド演奏が、更に幻想的な世界へと誘(いざな)う。
「ウッズ」のアルトの音色も艶やかで、男の色香と哀愁を見せる。
いつまでも聴いていたい1曲&演奏ですね。

12曲目「ヤードバード組曲」…バード(チャーリー・パーカー)の代名詞とも言うべき曲ですが、ここでは「ウッズ」のソロが、勿論聴き物。
本家にどこまで近づけたかなぁ?
「パーカー」程、イマジネイティヴでは無いが、ビッグバンドをバックに健闘していると思う。
シャンシャンとドラミングする「クルーパ」のリーダー振りに、喜びを感じます。

たまにはビッグ・バンド・ジャズ…こう言うの聴くのも良いんじゃない?