ひとりごと

ほっとひと息、心がなごむひとりごと

東北の旅!・その3

2013-03-05 12:04:44 | Weblog
おやこ劇場の他のスタッフの方たちと合流し、会場の生涯学習センターへ!

お雛様のタペストリーや、手作りの布や紙の小さなお雛様を飾ってくださって、私のステージが完成(笑)!
今回は、「遊び場しゃべり場プロジェクト」の取り組みで「子育てのお話と読み聞かせ」の講演だったのですが、子どもたちや子育て中のお母さんたちよりも、私世代の方々が参加してくださったので、自分たちの子育てを振り返ったり「お孫さんの今」と重なったりと、いつもとは違う感想もいただけて・・・「感動いっぱいで・・・もっともっとたくさんの方たちに、子育て世代の我が子にも聴いて欲しかった!」と涙を浮かべながら伝えてくださった方もいて(昨日、改めてお電話までいただきました!)、本当に嬉しかったです!
皆さんで、お抹茶や干菓子などをいただきながらゆったりと交流もできて、楽しいひと時でした!
でも、一方で、やはり避難先から戻って来られない若い親子さんたちの現実があるということ・・・「ごめんね、街に子どもたちが少ないのよ・・・」というOさんの言葉が胸に迫りました。

もっともっと色々なお話も聴きたかったのですが、帰りのバスの時間が迫り、名残りを惜しみながら5時過ぎに「原町」を発ちました。
バス停まで送ってくださったOさんが、大混乱の中、原発事故から逃れるために山越えで避難した時のことを語ってくれましたが、その道をまたバスに揺られながら噛みしめていました・・・。 そして、すでに日は落ちて真っ暗な山道をバスは再び飯館村を通過。 当然ながら灯りの点る家は無くて、道路沿いの商店も真っ暗な店先に自動販売機だけが明るく光って・・・前日通った時より尚いっそう淋しさに襲われました!
「あっ、あの家には窓に明かりが・・・!」と思ったら、それはバスのヘッドライトが反射しただけで・・・。
昼間見た津波ですべてを奪われた風景の衝撃と、こうして建物も自然も「ここに在る」のに、車は行き交っているのに、「人がいない」という空虚感と・・・
写真家の大西暢夫さんの「東北沿岸600キロ震災報告」に書かれている記事(6月11日~16日)にもこの土地のことがありましたし、朝日新聞連載の「プロメテウスの罠」でも読んでいたのですが・・・その中の人物のことを実際に聴かせてもらったり、この現実の風景の中にいると「福島は地震、津波、原発・・・三重苦なのよ」という言葉、胸に突き刺さるようでした!

何も報道されない、私たちには伝わらない場所も事柄もまだまだ膨大にあるはずで、そこに早くふたをしてお化粧して、さっさと「復興」ということには絶対にならないし、そんなことさせてはいけないんだと、なんだか「涙と怒り」といろんな感情がグルグル渦巻きながら福島駅に到着。
この福島市内の皆さんとも何度か交流会、公演でお邪魔した思い出もいっぱい浮かんで・・・「また、会いに来るから!」と心でつぶやきながら新幹線に乗りました。

片道ちょうど5時間。午後10時に帰宅しましたが、この二日間の旅の余韻を引きずってなかなか頭の中の整理がつかず、遅れた日記になりました!
こんな貴重な二日間の体験をくださったOさんはじめ、南相馬の皆さん、そして理枝子さん&Y君、本当にありがとうございました!