孫文さんの“多摩たまの隠れ部屋”ブログ編

「孫文さんの“北京の隠れ部屋”」を「孫文さんの“多摩たまの隠れ部屋”」に変更しました。

思考停止社会

2009年05月24日 00時29分20秒 | 良書紹介
コンプライアンス問題ではよくマスコミにも登場する郷原教授の本を紹介します。
堅苦しいコンプライアンス問題ですが、病的にコンプライアンス病で病んでいる日本の現状を良く表している。
この本は、8時45分になると、期待していつも起こるTV水戸黄門の“ここにおわすはどなたと心得る。先の副将軍水戸光圀公なるぞ。頭か高い、控えおろう”の格さんの定番言葉で始まる。日本の現在のコンプライアンス問題は、これに似ている。
移り気な日本人は常に次のコンプライアンス問題発生を待っている。
そして問題が発覚し、これに関わったものは釈明の機会も与えられず、コンプライアンスが起きたとして法令準拠のお上(それが会社内だったり、マスコミだったり、消費者の声だったり)に釈明しようとしても、小さなことも大きなことも、そのリスク分析や背景との因果関係の釈明も許されず、ヘヘーーーーーーと頭を地面にこすり付けてひたすら詫びるしかない。

ところで、私はこのコンプライアンス問題でマスコミが好んで使う“発覚”という言葉が大嫌いです。 何故って、コンプライアンス問題だと騒がれている事件で、本当に発覚の表現が正しいのでしょうか? 勿論、発覚と呼べるべきものも存在する。しかし、多くは発覚という表現は正しくないと感じる。

辞書には発覚とは:
>はっかく【発覚】
>[名](スル)隠していた悪事・陰謀などが明るみに出ること。「不正が―する」
とある。
マスコミは、タレントの恋愛問題においてまでも発覚の表現を好んで使う。それは不正な事なの?? 悪意を持った行為なの?? とマスコミには猛省を求めたい!!!

話をこの本のことに戻すと、この本はそんなこと思わせてします。

また本の中で、不二家のチョコレート事件報道で逃げ切った「朝ズバッ」報道と、制裁を受けた関西TVの「あるある」のやらせの件も書かれている。いったい、どっちが社会的な影響が大きかったのだろう、そして、この2つの番組に対する制裁の違いは??
もちろん、事件は不二家自身のことではあるが、「朝ズバッ」の責任は大きいはずである。

一読を推薦します。。
日本での一億総コンプライアンス病が治ればいいのだけど…

思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本
著者:郷原信郎 
講談社現代新書
ISBN978-4-06-287978-1 C0236 740


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1 コメント

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Unknown (aoki)
2009-05-24 10:50:43
コンプライアンスではないですが今回の新インフルも根っこは同じですね。マスク着用を遵守しなかった、ということかな。かわいそうに何で患者が謝らなくちゃいけないのかね。校長先生も泣いて謝っているけど。番組に出てくる識者などがやりすぎだ、といくら言っても、そのすぐ後から番組で根掘り葉掘りやりますからね。
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