古くから日本と上海の間を往来していた日本人にとって、上海浦東空港は不便でたまらなかったという話をよく聞かされた。
上海には、国際線中心の浦東空港、国内線中心の虹橋空港のふたつがあるが、浦東空港は市内から30キロ近く離れており、到着後スムーズに市内へ異動できないというのが、不満の大きな原因だった。
実際、浦東が現在ほど国際金融ゾーンとしての態を成していなかった時代には、あんな辺鄙なところに空港を作るなんて・・・という想いは強かったに違いない。
しかし、そこは計画経済の成せるワザか。
この浦東空港は着実に国際空港としての地歩を固めようとしている。
今回は、たまたま発見した計画図をもとに、その野心的な整備計画をレポートしていこうと思う。
まず、何故このようなレポートを思いついたか・・・というと、
本当に偶然、整備計画を示す展示コーナーを発見したから。
同コーナー、タクシー乗り場近くに設置されているが、立ち止まって見ている人を見たことがない。
ひょっとしたら、ワタシ、相当な変人かも。。。
でも、その内容には驚かされるやら、感心させられるやら・・・なので。
では、時系列を追って、資料を紹介していきたい。
まず、2007年時点の整備図面。
この時点で、すでに滑走路が3本、ターミナルが2つ。
実際に第2ターミナルが供用開始になったのは、たしか2008年だったと思いますが、およそ10年ほどでここまで大きくなったことに。
中国のスピード感、日本とは比べものになりませんので。。。
ちなみに、リニアモーターカーも随分前から整備されていました。
ただ、こちらは周辺インフラの整備が十分でなく、約8年前に筆者が乗車した際には、乗る車両は最新鋭のリニアのはずなのに、入場券は手でもぎるという古風なやり方だったのに、失笑を誘われたのを今でも覚えている。
もっとも、このリニア、ドイツのシーメンス社の技術を導入しているにも関わらず、本場ドイツでは未だに実用化されていない当たり、安全面に一抹の不安を感じざるを得ないような。。。
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さて、話を戻して、続いて2010年の整備図面。
あまり大きくは変わっていないような。。。
強いて言えば、物流関係の施設や搭乗口を接続するスロットが増設された程度ではないか・・・と。
そして、2015年の予定。
なんと、海側に滑走路がもう1本建設され、これに合わせて旅客ターミナルが2つ新設されることになっているようだ。
もっとも、このターミナル、現在のものほど大きくはないようだが。。。
それにしても、あとわずか3年でここまで整備を進めるとは・・・。
いやはや恐ろしい限りです。
ちなみに、この2015年という数字、どこかで聞き覚えのある方もいるのではないか・・・と。
そう、計画では同年に上海ディズニーランドが開業する予定なんですね。
つまり、同ランドの建設は、飛躍的に旅客数が増えることに対応した計画と考えていいだろう。
上海市としても、国際線の乗換え需要を増やすために、メニューを増やす必要がありますから。。。
ちなみに、この整備計画、最終的にはここまで進む予定。
滑走路をもう1本建設するために、大きく海側に張り出す計画。
最初の図面と比較すれば、どれだけ巨大な計画かが分かるというもの。
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こうした整備の進展に伴って、利用状況はどのように変化、及び見込まれるのか?
それを示した資料がコチラ。
基本的に、どの数値もキレイに右肩上がり@@@
もう少し詳細に見ていくことに。
まずは、路線数。
棒グラフの青色が浦東空港、緑色が虹橋空港。
2015年には57.2万本にも達する見込み。
次に、航空貨物量。
こちらも2015年には520万トンと、浦東空港が開港した15、6年前の約10倍水準に到達見込み。
旅客数に至っては・・・、
2015年には1億人に到達見込み。
もはや日本の人口並みですね@@@
日本でも、羽田の国際化などが進められていますが、国際競争の激化は想像以上のもの。
しかも、中国には上海以外に北京、広州という拠点空港があり、地方空港の規模も馬鹿にできない大きさだ。
こうした状況の中、日本の地方空港には生き残りを賭けた特色ある戦略づくりが求められていると言えそうだ。
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