<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

日本の就職氷河期を中国から考察する

2011-03-02 | 中国社会学
昨年末の時点で、大卒の就職内定率が7割を下回っており、日本の若者は深刻な就職難に直面している。
これは、日本の年功序列制度が疲弊してきたことも一因と言えるが、就職活動をやっている若者の状況をテレビで見るにつけ、大きな要因はむしろ若者自身のほうにあるのではないか、との思いが強くなってきた。

たしかに高度成長期やバブル経済期と比べると、いまの若者は同情されてもいい環境にある。生まれた時期によって、これほどの差が生じるというのは、当人たちにとっては酷な話である。バブルが崩壊するまでは、大卒なら贅沢を言わない限り、どこかの企業に就職できていた訳だから・・・。

でも、残念ながら世の中、いや世界は変わってしまった。これは日本の若者に限らず、世界中の若者に共通して言えることなのである。
事実、ここ中国では目覚しい経済発展が連日のように報道されているにもかかわらず、大卒の就職率は非常に厳しいものがある。日本同様、ほとんどの中産階級の子女が大学に進学するようになったことから、絶対的な職不足に陥っているのである。
大学を卒業したものの希望した職に就けず、友人同士で身を寄せ合ってアルバイトで生計を立てている若者たちが「蟻族」(その生態が蟻に似ていることが由来らしい)と称され、ひとつの社会問題にもなっている。

日本のテレビを見ていて驚くのは、非常に厳しい状況にあるにもかかわらず、若者自身にあまり切迫感が感じられないことである。小さい頃から受験、受験で成長してきたせいか、就職も何か「お受験の延長」のように捉えているように感じられる。

根本的に考えて、「就職」とはどのようなものか?
単純に言えば、雇いたい人と働きたい人との出会いだと言える。
そう考えると、いまは買い手市場であり、雇いたい人の気持ちが優先される。働きたい人は、雇う側のニーズを的確に捉えて対策を打つ必要があるのに、上述したとおり学生生活は以前とあまり変わっていないようで、とても残念である。
若者がこぞって入社したいと希望する大手企業のニーズ、そこには大なり小なり「中国」というキーワードが含まれている。ユニクロや楽天等の採用方針を挙げるまでもなく、中国語を話せるというのは、高学歴以上に重要になってくるに違いない。

加えて、若者が海外に出たがらなくなったという報道も見受けられる。次代を担う若者自身が外に飛び出して色々な経験を積まない限り、企業の発展ひいては日本という国の未来はおぼつかない。

日本は閉鎖的だが、中国はいろんな意味で大雑把。。。
だから、却って居心地が良いという面もある。
若者だって、思い切って外に出れば、「なんだ、日本よりも合ってるかも・・・」なんてことは十分起こりうると思う。
上海を例にとれば、東京からでも3時間弱の距離であり、航空券代も5万円ソコソコ。
国内で働くのと大差はない。

もはや偏差値の高い大学に入れば高収入の企業に就職できるという時代は終焉したのだ。
いまこそ視野を広げて、アジアを実感してほしいものである。
(今日はちょっとオッサン臭い内容でした。。。)

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