<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

上海 加熱するコンビニ戦争6(注目の新勢力)

2012-01-10 | コンビニ戦争

これまで日系3社を取り上げたので、今回は注目株をご紹介。
筆者がひそかに注目しているのは・・・



喜士多(C-Store)です。
トマトがトレードマーク。
配色などは、どことなくセブンイレブンっぽいですね。

同社、店舗数こそ好徳や可的に及ばないが、幹線道路沿いや駅構内などの目立つ場所への新規開店を続けるなど、その躍進ぶりは注目に値する。
もっとも、同社の設立は2001年。そんなに新しいワケでもない。
同社は上海で事業をスタートし、江蘇省や浙江省一体に店舗網を拡大。
南の広州市周辺でも店舗網を有している。

筆者が2年前、上海に赴任した当時、そこまで目立つ存在でもなかった気がするが、最近オープンした店舗などを見ると、かなり日系コンビニチェーンを意識した経営を加速していることが分かる。
下の画像は、コンビニがひしめく地下鉄駅構内のお店。



入口付近ではオープンキッチンさながらの調理が行われている。

同社の特徴は、こうした新しいものを取り入れようとする積極的な気風。
例えば、コーヒー文化の未熟な上海において先行投資的に挽きたてコーヒーを提供していることや、おにぎりやベーグル、サンドイッチ等の販売に力を入れているあたりは、日系コンビニを徹底的に研究した形跡が見受けられる。

中国では定番のイートインコーナーの設置も、当然のように行われている。



そんなに広くはないが。。。

とはいえ、店内全体は清潔感が溢れている。



同店舗が改装したばかりということもあるが、全面ガラス張りで商品も整然と陳列されており、現地系コンビニにありがちな雑然とした感じは微塵も感じられない。

管理面でも品質重視の姿勢を打ち出しており、日本の技術を導入したり、専門の品質検査室を設置したりと、他社との差別化に余念がない。
また、携帯電話での支払いをいち早く導入するといった取組みも特筆もの。

こうした取組みを支えているのは、言うまでもなく人材。
同社は「人材育成」にこだわり続けており、時には総経理自ら研修の陣頭指揮を振るうほどで、店舗従業員の平均年齢は25歳前後と言われている。

同社の決定的な強みは、親会社「大潤発」。
なるほど、同社のシンボルカラーが「赤」というのは、親会社と同じだったんですね。
この大潤発、国内最大手のスーパーマーケットチェーンで、商品仕入れや物流などの面で絶対的な力を有している。同社は様々なシーンで親会社と協業することで、今後も着実な成長路線を勝ち取る可能性が高いだろう。

現時点の上海市場を概観すると、日系コンビニがリードした段階にあるが、ちょっとしたことがきっかけで攻守が逆転するのが中国市場の常。
後発とは言え、猛烈なスピードで追いかけてくる現地系チェーンをいかに突き放していくのか、まさに日系コンビニの真の底力が試される時期に差し掛かろうとしている。

次回は最終回として、コンビニ編の総括をしたいと思います。

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