チェロを購入したのは昨年の3月19日だった。それから1年5ヶ月、素人奏法による酷使で弦も弓の毛も痛んでいるに違いない。この夏休みの予定の一つが「毛替え」と弦の張替えだった。チェロの先生がそろそろ弦を交換した方がいいかもしれない、とおっしゃったのもきっかけになった。
この1年半、見よう見まねで演奏してきたので、毛のキューティクルは擦り切れているに違いない。最近でこそ弦の一点を弓で捉えて鳴らすという感覚をつかめてきたが、それまでは闇雲に力任せに押さえつけて弾いていた。本来弓の毛は弦の一点を捉えたら、弦を響かせて演奏するために必要なだけ移動すればいいはずなのだが、力任せの場合は不必要に滑らせ、まるで弦という「針金」にこすり付けしごいている状態になっていたに違いない。
それともう一つ弓の毛で気になるのは、フロッグ(毛箱)に近い手元部分の5センチくらいに、手の油が付着してしまい、うまく松脂が乗らないため演奏しにくくなっていたことがある。ピッチカートのやり方も分からず闇雲にやていたころは、まるで鷲づかみ状態。しかも初ステージなどでは全身汗だく状態だったからさぞかし多くの脂汗を吸い込んでしまったことだろう。実は、こんなこと弦楽器の先輩にはとても話せないが・・・弓の毛がべたつくので、シャンプーを使って洗ってみたこともある。恐る恐るだったから余計駄目だったのかもしれないが、大した効果は得られなかった。
その後ピッチカートの時の持ち替え方を教えてもらってからは、少しはましになったものの、今でもpizzとarcoの早い切り替えの時はどうしても弓の毛を触ってしまうことが多いのだが。
さて弦について。購入時の弦はA,Dがクラウン、G,Cがスピロコアだった。何のことかも分からず、弦の種類や、演奏の時の違いも分からず弾いていたが、二回目のコンサートでエキストラの方から「見たこと無い弦ですね」「なぜ分かるんですか」「黄色い糸が巻かれた弦は珍しいですよね」と言われ、どうやらマイナーな弦なので弦もそろそろ考え方がいいのかも・・・と思っていたところだった。
自分でもA線については何となく気になっていた。他の人のA線の音色と比べると、ちょっと細くて金属っぽい音がしてイマイチだなーと思っていた。購入当時は、他の人の楽器に比べ自分のチェロ、特にA線が柔らかく大層弾きやすいと満足してはいたのだが、もっと深みのある太い音を出したくなったのだ。A線以外については満足していた。いろいろなサイトを見ても、高音はラーセンで、低音はスピロコアという組み合わせが「定番」なのかなと思って、その組み合わせにしてもらった。
毛替えはプロの仕事だけど、弦の交換は自分でやるものかもしれないが、この際と思って、どちらも楽器を購入した店を予約して、職人さんにやっていただいた。約1時間待つ間に、楽器ケースにも不満があったので、何点か見せていただいて迷いに迷った挙句、結局ドイツのGEWAという会社の新しく国内に入荷したケースも購入することにした。
ケースの何が不満だったかというと、最大の問題は上下のケースカバーのかみ合わせがイマイチで、立ったままでの収納に手間取ることが一つ。もう一つは、留め金(7箇所あった)そのものが、チャチなためうまく掛からないことがしょっちゅうあったのだ。その点GEWAはよく考えられていて、たった4箇所を止めるだけでぴたっとはまるし、細部が使用者の視点でよく考えられている(中国製の製品も見たが、素材は高級でも使用感に歴史の無さを感じてしまう)
そんな散財をしているうちに毛替えが出来たので試し弾きをしようとしたが、新しい毛には松脂が全く塗られていないので音が出ない(当たり前だ)。早く音を鳴らしてみたいので、即自宅に持って帰って、新しい世界を経験することにした。はやる気持ちを抑えながらの運転ではあったが(なんせ免停一歩前也)1時間で帰宅、即練習を開始。
ところが、新しい毛というのは、なかなか松脂が乗ってくれない。弦も新品、毛も新品とはこんなものなのかと、試行錯誤を繰り返すうちに、ようやく弦に毛が噛み始め音が出た!
おー!いい。A線から出てくる音の違いに驚いた。クラウンと明らかに違う太い豊かな音色だ。この音なら先輩諸氏のように渋い演奏も出来るかもしれない。しかしG線にはまいった。なかなか太い豊かな音になってくれない。古い弦では出せていた音色にならない原因はまだ分からない。弦そのものの個体差なのか、松脂の付き方なのか、毛の張りの違いなのか・・・次のレッスンで先生に聞いてみようと思う。
この1年半、見よう見まねで演奏してきたので、毛のキューティクルは擦り切れているに違いない。最近でこそ弦の一点を弓で捉えて鳴らすという感覚をつかめてきたが、それまでは闇雲に力任せに押さえつけて弾いていた。本来弓の毛は弦の一点を捉えたら、弦を響かせて演奏するために必要なだけ移動すればいいはずなのだが、力任せの場合は不必要に滑らせ、まるで弦という「針金」にこすり付けしごいている状態になっていたに違いない。
それともう一つ弓の毛で気になるのは、フロッグ(毛箱)に近い手元部分の5センチくらいに、手の油が付着してしまい、うまく松脂が乗らないため演奏しにくくなっていたことがある。ピッチカートのやり方も分からず闇雲にやていたころは、まるで鷲づかみ状態。しかも初ステージなどでは全身汗だく状態だったからさぞかし多くの脂汗を吸い込んでしまったことだろう。実は、こんなこと弦楽器の先輩にはとても話せないが・・・弓の毛がべたつくので、シャンプーを使って洗ってみたこともある。恐る恐るだったから余計駄目だったのかもしれないが、大した効果は得られなかった。
その後ピッチカートの時の持ち替え方を教えてもらってからは、少しはましになったものの、今でもpizzとarcoの早い切り替えの時はどうしても弓の毛を触ってしまうことが多いのだが。
さて弦について。購入時の弦はA,Dがクラウン、G,Cがスピロコアだった。何のことかも分からず、弦の種類や、演奏の時の違いも分からず弾いていたが、二回目のコンサートでエキストラの方から「見たこと無い弦ですね」「なぜ分かるんですか」「黄色い糸が巻かれた弦は珍しいですよね」と言われ、どうやらマイナーな弦なので弦もそろそろ考え方がいいのかも・・・と思っていたところだった。
自分でもA線については何となく気になっていた。他の人のA線の音色と比べると、ちょっと細くて金属っぽい音がしてイマイチだなーと思っていた。購入当時は、他の人の楽器に比べ自分のチェロ、特にA線が柔らかく大層弾きやすいと満足してはいたのだが、もっと深みのある太い音を出したくなったのだ。A線以外については満足していた。いろいろなサイトを見ても、高音はラーセンで、低音はスピロコアという組み合わせが「定番」なのかなと思って、その組み合わせにしてもらった。
毛替えはプロの仕事だけど、弦の交換は自分でやるものかもしれないが、この際と思って、どちらも楽器を購入した店を予約して、職人さんにやっていただいた。約1時間待つ間に、楽器ケースにも不満があったので、何点か見せていただいて迷いに迷った挙句、結局ドイツのGEWAという会社の新しく国内に入荷したケースも購入することにした。
ケースの何が不満だったかというと、最大の問題は上下のケースカバーのかみ合わせがイマイチで、立ったままでの収納に手間取ることが一つ。もう一つは、留め金(7箇所あった)そのものが、チャチなためうまく掛からないことがしょっちゅうあったのだ。その点GEWAはよく考えられていて、たった4箇所を止めるだけでぴたっとはまるし、細部が使用者の視点でよく考えられている(中国製の製品も見たが、素材は高級でも使用感に歴史の無さを感じてしまう)
そんな散財をしているうちに毛替えが出来たので試し弾きをしようとしたが、新しい毛には松脂が全く塗られていないので音が出ない(当たり前だ)。早く音を鳴らしてみたいので、即自宅に持って帰って、新しい世界を経験することにした。はやる気持ちを抑えながらの運転ではあったが(なんせ免停一歩前也)1時間で帰宅、即練習を開始。
ところが、新しい毛というのは、なかなか松脂が乗ってくれない。弦も新品、毛も新品とはこんなものなのかと、試行錯誤を繰り返すうちに、ようやく弦に毛が噛み始め音が出た!
おー!いい。A線から出てくる音の違いに驚いた。クラウンと明らかに違う太い豊かな音色だ。この音なら先輩諸氏のように渋い演奏も出来るかもしれない。しかしG線にはまいった。なかなか太い豊かな音になってくれない。古い弦では出せていた音色にならない原因はまだ分からない。弦そのものの個体差なのか、松脂の付き方なのか、毛の張りの違いなのか・・・次のレッスンで先生に聞いてみようと思う。