図書館の利用者カード

 

「予約した図書が用意できました」

と言うメールが図書館から届いたので、

張り切って取りに行くことにした。

念のため、財布の中を確認してみると、

なんと！

指定席に利用者カードに入ってないではないか！？

えーーーうそぉーー？

最後に図書館に行ったのはいつだろう？

たぶん１１月ごろ？

その時は財布からカードを抜いて行ったのだろう。

そうなると、どっかの上着のポケットかカバンに入ったままだ。

目ぼしい上着やカバンの中を探してみたが見つからない。

とりあえず、その日は図書館に行くのをあきらめて、

別の場所に出かけた。

（気分を切り替えた方がひらめくかと思った）

出かけている間もずっとカードのことを考えていた。

とてもとても考えていた。

しかし考えても仕方ないことに気づいた。

やっぱり手当たり次第に探すしかないのだ。

頭より体を動かすしかない。

家に帰ってバリバリ探してみた。

こんなに必死に探しているんだから、見つかったときは

ものすごい喜びに包まれるのだろう！！

その気持ちの高まりを期待しながら・・・

見つかったらビールで祝杯を挙げようなどと企みながら・・・

頑張って（？）探し続けた。

しかし探す場所なんて限られている。

すぐに行き詰った。

あぁビールは遠かったーーー

と悔しく思いながらも、

どうせないだろうと諦めていたリュックからあっさり見つかった。

「ふーーん、こんなところにあったか・・・」

別に嬉しくなかった。

へぇーーって感じだ。

なんで、大喜びするだろうって自分で思ったんだろう。

ビールもそんなに飲みたい気分でもない。

まあ飲むけどね。

人間の心ってつくづく不思議だね。

探し物が見つかったときって、

肩の荷が下りた、ぐらいの気持ちしかならないんだね。

これが５万円だと、もっと嬉しいのかも知れないね。

図書館の利用者カードぐらいじゃ、

そんなに喜べないんだね。ふーーん。

と、自分に対して冷静になってしまった。

なんか喜怒哀楽が薄くなってきたのかな。

日々のカッパさんの世話で心が能面になってるのかな。

あーーあ。

 

話は変わる。

やっとパッチワークが完成した。

エレクトーンの上に被せるためにチクチク縫っていたものだ。

こっちの方が図書館のカード見つかったときよりも、

嬉しかったかも知れない。

達成感だね。

ちょこっとだけ、自分を誇りに思ったよ。