初めの終わり

もしかして、自分ひとりで本気で岩魚釣りに行ったのは初めてかもしれない・・



3度足を運んでも天候とタイミングで一回も竿を出せなかった川
4度目でようやく釣りになりそう

でも水面に近づくほどに大きく聞こえてくる重機の槌音

工事現場の横をすり抜けて釣りあがっていく




歩くほどに人の出す音は遠くなって
ああ、岩魚を釣りに来たんだな、、と実感する




渇水気味だけど　魚たちは無垢で
フライを放ると　すーっと寄ってきて　まるで　母親が子供にキスをするように優しく啄ばむけど
偽物だとわかると　命の限り拒絶される



久しぶりの渓流の岩魚
形を確かめるように手で抱いて
再び放すことを何度繰り返したか覚えてもいない






（クリック）

ほんのり朱点ぎみの岩魚
メジャーなんて当てなかったけどネットをはみ出す魚が
この時期にこんなにいるなんて　スゴイ



人止めのゴルジュまでの数時間
キレイな水とキレイな森と無垢な魚に囲まれて
ヤマメ釣りのままのシステムもいつの間にか５Xのティペットと10番の毛鉤になっていた

今年友達を二人、ココに案内したかったんだけど本当に残念
もっと水のある時期ならもっと素晴らしい時間が過ごせるんだろうなあ









それでも帰り道
だんだん大きくなる重機の掘削音は目覚まし時計のように
僕を現実に引き戻す



工事しているスグ脇の流れからでも岩魚が飛び出す
彼らはタフで寛大だ



道路まで上がる前に水の中に座ってぼーっとクールダウンしていたら
対岸の山の中から　『バキバキ！！！』　
ありえないくらい大きな音がした・・

もう少し休んでいたかったけど
腰の得物に手を伸ばして　急ぎ足で車に戻った

でも
来年も行きたいなあ、、、
来年も流れに魚達が残っていますように



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