「差不多」的オジ生活

中国語の「差不多」という言葉。「だいたいそんなとこだよ」「ま、いいじゃん」と肩の力が抜けるようで好き。

大河ドラマ「功名が辻」

2006-01-09 | つれづれ
大河ドラマの新シリーズ「功名が辻」が昨晩から始まりましたね。大河ドラマって、その昔の「国盗り物語」以来のファンで、毎年、楽しみにしています。初回をみるとだいたい「あ、今年はハズレ」「今年は期待できそう」というのがなんとなくわかります。昨年の「義経」は最初の数回で観るのをやめたのですが、その後時代劇ファンからの評価も高くなっていったので最初が悪いから必ずしもダメとは限らないケースもありますけど。

で、今年の第1回を観る限り、今年は「当たり」になりそうな予感。まずなんといっても戦国モノはそれだけで面白い。大石静が脚本だし、俳優がすごい! 主役の上川隆也は好きな俳優。今回はNHK、久しぶりに大河に力を入れているなあ、というのが感じられる脇役の布陣。脇役の中に主役をはれそうな人がわんさかいる感じです。江守徹がほんのワンシーン、桶狭間で討たれる今川義元役で出ているなんて、なんてゼイタク。秀吉に柄本明、クセがありそうで楽しみ。

とはいえ、逆にこの俳優陣が豪勢なだけに違和感も。舘ひろしが信長ですけど、桶狭間では20代だったはずなのにすでに50歳を超えている印象、に代表されるように、どうも老けすぎているような。舘は信長の冷徹な感じがすごく合っているには合っていると思いますけど。「ねね」の浅野ゆう子も無理くりの若作りに、おもわずのけぞってしまいました。あと、みなさま歯が真っ白なのには違和感が。戦国時代なんですよね、一応…まあ、こうした違和感は登場人物の成長とともにおいおい消えていくと思いたいところです。

あとはストーリー。これは大石さんに期待です。初回を観る限り「戦」の不条理さ、哀しみをうまく描いて、「戦」に対する嫌悪みたいなもの、それと裏返しの男たちの野望、といったものもよく描けていたと思います。今回の本当の主役、戦国の女たちの存在感もきちんと出ていたような。

細かい事ですが、人身売買のエピソードが折りこまれていました。これは画期的! 「 雑兵たちの戦場 中世の傭兵と奴隷狩り 」(藤木久志著、朝日選書)などで分析されているように、戦国期の日本では奴隷売買が行われていたとされています。勝った側の雑兵には略奪と人身売買こそが一番の「恩賞」だったと。でも、テレビではちょっと描きにくかった話だと思うのです。戦国の実態に近い話が初めて大河ドラマに出た意味は小さくないと思います。まあ時代劇はあくまでフィクションなのであまり忠実に描かれても困るには困るんですけど、あまりに美化された戦国もなあ、と思っていたので。

なにはともあれ、ちょいと期待の大河ドラマになりそうです。