「差不多」的オジ生活

中国語の「差不多」という言葉。「だいたいそんなとこだよ」「ま、いいじゃん」と肩の力が抜けるようで好き。

まとめて覚書

2010-07-31 | 
久しく更新してませんが、なんか落ち着かない日々なもので。皆様、暑さに負けずに生活していますか? 落ち着かないとはいいながら、てのはきっちり漫画とか漫画とか漫画とか、ちょっぴり本とかは読んでます。自分自身へのメモ書きですが、更新が滞っていた間に読んだもので印象に残ったものを列挙です。

漫画
もやしもん 第9巻
ソムリエール 第14巻
コーヒーもう一杯 第1~3巻
テレプシコーラ 第2部4巻

書籍
若者よマルクスを読もう
保守のヒント
終の住処
学問のすすめ
ソクラテスの弁明

そのうち、気が向いたら感想をざっくりと。「保守のヒント」はなかでもお奨め本です。「中村屋のボース」などで知られる中島岳志さんの「保守」に関する論考や対談です。右翼と保守を混同し、いまや反左翼で一緒くたにしていることで保守思想が日本では危機的状況になっている、という問題提起です。健全な保守思想と、健全な社会民主主義思想がお互いに切磋琢磨する状況の必要性を認識し、保守の再構築をすることがいまの日本の喫緊の課題である、と熱く語る中島さんの思想に引き込まれます。

「ソクラテスの弁明」も読み返してみると、論理、弁論とはかくあるべし、というお手本のような本ですね。哲学してしまいます。薄い本なので3回ほど読み返しました。「学問のすすめ」もやはり、いまさらながら名著と再認識。iPadで青空文庫からダウンロードして読みました。「若者よ~」は、勝手に私事している内田樹先生の対談本。学生時代に、わからないなりにかじりついて赤鉛筆片手に読んだマルクスの著作を内田先生らしい切り口で再びその魅力を浮かび上がらせる。大枠を意識しないで生きている毎日に、自分が実はその大枠のなかにとらわれた思考をしていると、大枠の存在を浮かび上がらせ、外の世界、思考を気づかせ揺さぶる、という指摘には深くうなずきます。まさにマルクスの著作のパワー、魅力を一言で言うならここでしょうから。「終の住処」は前回の芥川賞作品。いまごろですが、小津映画のようにひとつの場面をじっくりと長録りするような印象の文章。何が魅力なのかはわからないままに作者の世界につれられている。で、じーっと登場人物を見つめているかのような感じです。

あっと、気がつくと感想文じゃないか!?えーい、ついでだ。

「もやしもん」、いつにもまして字が多いです。なんでこんなに8巻から間が開いたのかの言い訳まで。もう好きにして! ソムリエールは相変わらず。山川直人さんの「コーヒーもう一杯」はなんともいえない味わいがあります。絵にも、ストーリーにも。共通しているのは毎話、かならずコーヒーが出てくることで、読みきり短編集です。漫画会の吟遊詩人と呼ばれているようですが、まさにぴったり。詩的です。なんだか夜汽車に乗っていて、暗闇の中遠くにポツリと生活の灯りが見えるような印象です。ガロで活躍されていたようですが、ペンで一本一本畳の目や背景を力強く描く絵柄は一度見たら忘れられません。素敵な漫画です。お奨め度抜群

「テレプシコーラ」は、ああ、やはり…という結果が。ネタバレになるからココからは書かないでおきましょう。

というわけでまとめての感想文でした。

ウツボラ

2010-07-21 | 
中村明日美子さんという。私は初めて読む漫画家さんの作品「ウツボラ」の第1巻。不思議な魅力というか、登場人物の眼が印象的です。紙の中からじっと見つめられているような錯覚、怖ささえ抱く、「力」のある眼。怪しく、官能的な主人公と思しき女性。ストーリーも、どう展開するのかまったく予断を許さない。サイコ・サスペンス漫画です。表紙の絵がこの「眼」なので、書店ではすぐにそれとわかる存在感オーラを放っています。

=以下、アマゾンから=
謎の死を遂げた美少女「藤乃朱」。
入れ替わるように、「朱」の双子の妹と名乗る少女「桜」が、作家・溝呂木の前に現れるも、彼女の正体は一切不明。二人の点をつなぐ作家・溝呂木は、盗作に手を染め深い闇に追い詰められていく。そして事件の謎を追う編集者と刑事たち。彼らの間を蠢く謎は深まるばかり――。顔のない死体とひとつの小説をめぐる、謎の物語。


死んだのはだれ?っていうフレーズは、前回取り上げた池田晶子さんの墓碑にあるそうですが、この漫画も「いったい、死んだのはだれ?」という物語の出発点からして謎です。1ページ目からいきなり、眼だけを背景に、独白が始まります。「自分は『こちら』にいて『あちら』をみているつもりだった。だが、あちらがなければこちらもない。あちらとこちらの境がわからなくなった…」といった風に。そして一人の女性が飛び降りる。

登場する刑事にも、身内を飛び降りで亡くした過去があるようで、どうも通常の「正義」とか「秩序」といったものを体現する存在としては登場していません。むしろ、精神的な危さを垣間見せ、物語は重層的ななにかが始まる、という予感に満ちます。

文中に「スリーピングマーダー」の話がチラと出てきます。思わせぶりです。「殺人者」とはだれ? 次巻が読みたい!

無敵のソクラテス

2010-07-19 | 
早逝した哲学者の池田晶子さん著「無敵のソクラテス」(NPO法人わたくし、つまりNobody編、新潮社刊)。あらためて、池田さんの痛快というか、哲学者らしいとうか、らしくないというべきか、ソクラテスとその妻クサンチッペに仮託して、「対話」で様々な事象や考え方を「斬る」。生前に刊行された3冊をNPOがまとめて本にしたものです。だから帯には「帰ってきた池田晶子!」。ソクラテスもきっとこんな感じで、たぶん身近にいたらきっと「嫌な奴だなあ」と思うぐらい、読めば、自分の無知、考えの無さを白日の下にさらされる感じがします。

本当にモノを考えるとは、ややこしいし、大変だし、覚悟がいる、ということを突きつけられます。いや、待てよ、こんなことを書くと、池田さんからは「いやあ、考えることは単純なんだよ」と、諭されそうです。そう。そういう本です。哲学したい人、というか、人間はすべからく哲学するのが本来の姿なのだよ、とこれまた池田さんには言われるかもしれませんけど…。是非、ご一読を。そして、頭の中をややこしくして、すっきりとしてください。

スターウォーズ

2010-07-18 | 映画
NHKがBSハイビジョンで「スターウォーズ」の全作品を6夜連続で上映し始めました。エピソード1から順番に観たことがなかったので、意外と貴重な機会。

最初に観た、一番最初のスターウォーズ(つまりエピソード順では4)は、衝撃でした。中学生のとき。オープニングのあの字が宇宙空間に消えていく場面から、震えるほどの驚きと感動でした。食い入るようにスクリーンを見たのを鮮明に覚えています。いま思えば、亡くなった父と一緒に観に行った最後の映画でした。

いまから見返せば、まだ時代が時代で、それこそエピソード1から3までのようなCG満載とはいかず、ヨーダがいかにも人形だったり、手作り感が溢れています。が、やはり宇宙モノの映画の金字塔です。発想、構想力、それに当時としては画期的な時代を何年も先取りしたような映像、単純なだけにのめりこみやすい正義と悪の戦いの構図、友情や愛、日本人好みのチャンバラ、アーサー伝説的なワクワク感、東洋的な「フォース」の感覚…面白さ満載ですよね。

で、整理してみるとまた意外な発見がありそうで、毎日観てしまいそうな自分が怖い…

それはそれとして、エピソード1。なんで「ナブー」だったのでしたっけ? どうして他の星ではなくここだったのか? エピソード2以降でわかるのでしたっけか。アナキンの父親って要するにわからないわかでしたっけか。まさかマリアさまを意識した?

神保町でワンピース

2010-07-17 | つれづれ
書店街をぶらつこうと神保町に行ったら、なんだかいつもと様子が違います。普段はこんなにいることのない、若い女性を中心とした人波が出来ています。なにかと思ったら、なんと今日から8月1日まで「神保町ONEPIECEカーニバル」という催しが始まったのです。



神保町「すずらん通り」を中心に、スタンプラリーや、ワンピース原画展、グッズの販売のほか、お店が知恵を絞ってたとえば「海賊パフェ」やら、「ウソップの鼻」(春巻のことでした)やらを売っています。

私もワンピースはもちろん大好きで、全巻読んでいますが、さすがにオジさんがスタンプラリーを一人でするのは気が引けたので、ブラブラ歩くだけにしました。それにしても暑さにめげず、本当に多くの人(とくに若い女性)が集まり、あらためてこの漫画の人気の高さを認識します。

原画展では、それぞれのキャラの思い出深いシーンが並びます。ナミがルフィーたちの仲間になるさいの「助けて!」の叫び、サンジが師匠のもとを去ってルフィーたちの仲間に加わるときの土下座して師匠に感謝するシーン、メリー号の最期などなど、思い出すだけでじーんとする場面がたくさんあります。本当にすごい漫画です。

そんな中でも私のお気に入りのシーンを2枚撮影してきました。一つ目はこれ。
アラバスタ編の最後の場面。ま、説明は野暮というものですよね。

次がこちら。

ニコ・ロビンが、初めて感情をあらわにして、本当の意味でルフィーたちの仲間になるシーンですね。

ま、神保町はしょっちゅう行っている場所なので、たぶん期間中にあと数回は見ることになるでしょうか。あ、神保町交差点では、チヨッパーの巨大な置物が鎮座ましましていました。

ソーヴィニヨン・ブラン デルタ・ヴィンヤード 2008

2010-07-12 | ワイン
世の中は参院選での民主党敗北の結果を受けて、またぞろ「責任論」とかさわいでいますが、そんなにトップをころころと挿げ替えることに何の意味があるのやら。しばらくじっくりとやらせてみればいいじゃないかと思うのです。もはや消費税を上げないことには、にっちもさっちも行かないことぐらい、多くの人にはわかっているはずでしょうに。ま、たしかに議論の持ち出し方が下手だったなあ、とは思います。とことん議論して、政治家生命をかけて国の未来を切り開いてもらいたいものです。トップはたしかに大事ですが、それを支える政党の成熟度を高めることはもっと大事かと。民主党執行部には、大いにこの苦しみを味わい、成長して欲しいと切に願います。

という暑苦しい政治論はおいておいて、蒸し暑いこの季節にぴったりの安ウマワインを飲みました。「2008年 ソーヴィニヨン・ブラン デルタ・ヴィンヤード」。ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランです。冷やして飲むと、草原の香りに、すっきりさわやかなミネラル感ある酸味。いやあ、まさに梅雨のシーズンにはうってつけの一本でした。これで2000円以下とは! さすがにソーヴィニヨン・ブランといえばニュージーランド。ニュージーランドといえばソーヴィニヨン・ブラン。その中でもこれはコスパがよさそうですね。

良い天気で久しぶりの温泉

2010-07-10 | 自転車
東京は梅雨の晴れ間。久しぶりに自転車でさいたまの温泉まで行ってきました。榎本牧場で今日はダブルのソフトクリームを食して、清河寺温泉に戻るかっこうです。

気持ち良いのですが、あがったあともまた走らなければならず、何だかせっかくの温泉がもったいない感じがしてしまいました。この文書はiPadでうっています。やはり長文はうちにくい。

iPad最初のインプレッション

2010-07-09 | つれづれ
iPadがようよう自宅のWi-Fiにつながり、ようやくネット環境に。バッファローのセキュリティに相性がよくないようで、手動にて、えらくながーーいパスワードを打ち込みましたが、これが本当に正しい方法なのかなあ? なんだか違うような気が…ま、そうはいっても快適につながるので、可としますか。

早速、青空文庫が使えるようにソフトを購入。「i文庫HD」という定番です。著作権の切れた、青空文庫に収められている作品が読めるので便利です。で、早速ダウンロード。iPadを横にすると、まさに文庫本感覚になります。見開きで読めます。もちろん、文字も大きくできるのですが、そうすると画面をスクロールしなければならないので不便です。老眼のてのには縦型にして、1ページだけ表示するほうが目には楽です。紙のページをめくる感覚は面白いですねえ。紙のめくり音が出るともっといいのに。一度閉じても、次回開くと、読みかけのページが出てきます。自動的な栞機能があるわけです。文中でわからない言葉を指差していると、検索タグが立ち上がって、意味を調べることも出来ます。ただ、文字の上を指しているつもりでも、なぜか違う行を認識することが多く、いまひとつ使いにくいですけどね。まあ、あまり使わない機能ですが。

本としてはやや重いので、片手でずっと持ち続けるのはそれなりにしんどい。ベッドで読みながらウトウトとしたのですが、これ、危ないですよ! iPadを壊すか、自分が痛い目にあうか…。ま、絶対に眠らないという強い意志が必要かと。PCに比べて目が疲れずに、これなら本を読む機械として十分に使えますね。古い作品ばかりでなく、ソフトが充実してくればいいなあ、と思います。

iPadのいい点は立ち上がりが圧倒的に速いこと。PCだと画面が出てくるまでの時間が長くていらいらしますが、ものの数秒で使えます。これは便利! 画像の美しさは文句なし。タッチパネル式のキーボードは、まあこんなものでしょう。2年間はソフトバンクのWi―Fiスポットを無料で使えるようなので、ポイントに行って設定してきました。快適ですね。マックやスタバ、主要駅では使えるようです。

iPad来る

2010-07-08 | つれづれ
ついに購入しましたiPad。予約してもう少し時間がかかるのかと思ったら、思いのほか早く、1週間足らずで入荷でした。まるでおもちゃを与えられた子供です。うれしいですねえ。



もともと最初に買ったコンピュータが漢字トーク7のパフォーマというマック派です。今回のiPadもなんというか、感覚的に使える感じがします。キーボードとはまったく違った感覚は本当に楽しい。

ただ、Wi-Fiなのですが、なぜか我が家の無線LANを認識してくれない…どうしたらよいのやら。バファローの機器ですが、あまり相性がよくないようで。ま、なんとかなるでしょ。きょうは写真や音楽だけ同期させておきました。はやくネットにつないで青空文庫で電子書籍をダウンロードしたいんですよね。楽しみ、楽しみ。この重さ、大きさなら十分持ち運べるのでシステム手帳やポメラの代わりに持ち歩こうかなあ。でも、タップ式キーボードはあまり長文を打つのには適していない感じがします。そのうちに、使い方の位置づけが見えてくると思います。

それにしても、予約のときと購入のときに身分証明書まで提示しなければいけないのは、アップルさんも相当に転売などを気にしているのでしょうか。いつもながらかっちりとした販売方法ですこと。

梅雨空の下、自転車恋し

2010-07-06 | 自転車
梅雨空が続き、自転車になかなか思い切って乗れない日々が続きます。今年前半、6月までの走行距離は2200キロ。3000キロとまではいかないですが、せめてあと300キロは欲しかったなあ、と思います。どうも週末もいろいろとあって乗れない日が多いので、まこんなところが妥当なのかもしれません。

20日間で3500キロを走り抜けるツール・ド・フランスが始まりました。とんでもない距離ですよね。しかもピレネーとアルプスまで自転車で駆け上り、時速100キロ近いスピードで下るんですから平地での平均速度は40キロ。もはや人間ワザとは思えません。世界一過酷なスポーツ。今大会では日本人の新城選手がどんなアシストをみせ、どっかでステージ制覇をしてくれるのかどうか、楽しみです。サッカー並みとはいいませんが、日本でももっと自転車がスポーツとして認識されるといいなあ、と思うのでした。ママチャリだけが自転車のすべてではない、と。おっと、他人に自転車を熱く語る「自転車病」が出そうですので、この辺で。

アイの物語

2010-07-05 | 
素晴らしい一冊に出会えました。山本弘さん著「アイの物語」。機械が支配する未来の地球を舞台に、アンドロイドを憎む青年に「美しい」アンドロイドが語る7つの物語が、ヒトの物語を紡ぎます。構造が入れ子のよう。一瞬、岡嶋二人さんの「クラインの壺」をちょっと想起するような、似た世界観を見せてくれるのかと思いきや、いい意味で裏切られます。とても美しい、あらまほしきヒトと機械の物語。そもそもヒトが夢みること、物語ることをこんなふうな視点で捉えられるんだ、と驚きます。弱さ、醜さを補って余りあるヒトの素晴らしさをなんだかあらためて示されたよう。「矛盾多く、不幸や争いのなくなることのないこのヒトの世も悪くない」と、やさしく語りかけてきます。

あらためて思うのは人間の矛盾に満ちた思考と行動。アンドロイドの論理的思考が「すべての人間は認知症」という考えに行き着くのも、なるほどなあ、と。自分の都合の良い現実しかヒトは見ないし、事象を解釈することしかできない、というのもまったくおっしゃるとおり、と。仮想現実空間と現実空間の逆転的な浮遊感は読んでみて体験してください。

それにしてもすごい。著者の山本さんの構成力、壮大な構想に感服です。別々の場で書いた短編を最後にうまく結び付けているんですけど、最初から意図していたのか? と思わされます。お見事な紡ぎ方です。SFでここまで引き込まれたのは久しぶりです。

森下朝顔市

2010-07-04 | つれづれ


朝顔市といえば入谷ですが、深川は森下の朝顔市もあります。昨年は残念ながら行くのがやや遅れてしまい、残りが無かったのですが、今年は間に合いました。

一鉢1500円で赤い色の朝顔を購入。さらに抽選でなぜか卵1パックが当たり。梅雨の合間の下町散策でありました。