「差不多」的オジ生活

中国語の「差不多」という言葉。「だいたいそんなとこだよ」「ま、いいじゃん」と肩の力が抜けるようで好き。

武士の家計簿

2011-01-25 | 映画
原作は大変に興味深く読んだ「武士の家計簿」が、堺雅人さん主演で映画化。でも、映画のほうのできは、うーん、なんといいますか、正直、映画館で観るのはもったない内容でした。堺さんや仲間由紀恵さん、中村雅俊さんといったせっかくの役者が生かされていない。淡白な内容で、「はあ、そうですか」という感じで、迫ってくるものがほとんどないのです。

例えば、家計が破綻して家財一式を売り払う場面がありますが、最初一瞬抵抗した家族がすぐに受け入れて淡々と困窮生活を楽しむ。ぜんぜん後悔もなければ恨み言もない。ありえないでしょう。親子関係がおそらく映画の肝なのでしょうが、これもどうも急テンポな展開のせいか、確執と和解、特に和解の部分がなんの説明も無く進んでいるのはどうにも「?」という感じでした。

強いて言えば、イエというのはこうしてつながっていく、人生のバトンタッチってあるよな、という感じで、人生の有限性について考えさせてくれる、とでもいいましょうか。まあ、心に残るものがほとんどない映画でした。残念。

トロン レガシー3D

2010-12-20 | 映画
映画「トロン レガシー」3Dを観ました。これまでもアバターやアリスなど3D作品を観てきましたが、これが一番3Dらしさを生かした作品だと感じました。なにせ、デジタル世界に入り込んだ人間という設定ですから、CGふんだん。そのCGが3Dになることで、観客の側も、あたかもデジタル世界に入り込んだかのような臨場感を覚えるのです。

ストーリーは単純だし、人物も薄っぺら。でも、美しく、クールな映像がすべてを忘れさせてくれます。ストーリーに関しては偶然ですが、昨日書いた本「ハーモニー」と同様に、完璧に調和のとれた社会、システムの実現と人間性みたいなことがテーマになっています。なんか、こう書くとすごく深そうですが、そんなことはありません。未消化なままです、残念ですが。

それにしてもその昔、もう30年近く前に、CG満載第一号の映画とうたった「トロン」が懐かしい。ファミコン上の、点と線だけの、それこそ今回の映画でははじめに出てくる、ジュークボックスの置かれたような古いゲームセンターのゲームのような、素朴なCGでした。すごい技術の進歩だと、この作品であらためて感じ入りました。

==以下、goo映画から==
ENCOMは米国防総省にも通じる巨大なネットワークを持ったコンピューター会社だ。デリンジャー社長(デイヴィッド・ワーナー)の独断専行に、エンジニアのアラン(ブルース・ボックスライトナー)は反発する。同僚のローラ(シンディ・モーガン)とともにアランは、フリン(ジェフ・ブリッジス)の経営するゲーム・センターをたずねる。フリンは将来を嘱望された天才エンジニアだったが、その有能さを恐れたデリンジャーに首にされ会社を追い出されたのだった。「デリンジャーが好き勝手にプログラムを作り変えており、トロンというプログラムを使って、デリンジャーのマスター・コントロール・プログラム(MCP)を監視しようとしたが、うまくいかない」とアランはフリンに語る。フリンはアラン、ローラと一緒にENCOMに忍びこむ。フリンが端末機にすわり、コンピューターを作動させようとした時、レーザー光線が彼に照射された。朦朧とした意識の中で目覚めたフリンは、自分がコンピューター世界にとばされたことに気付く。フリンはコンピューター戦士のトロン(ブルース・ボックスライトナー)に出会い、彼から「コンピューター内にあるMCPによって、すべてのプログラムが支配され、その執行官がサーク(デイヴィッド・ワーナー)であること」を聞かされる。トロン、フリン、そしてもう1人の囚人ラム(ダン・ショア)ともに電子闘技場に連れ出された。3人は敵方の闘士3人とともに生命を賭けたライト・サイクル・ゲームをやらされる。3人はゲームの途中で逃げ出し、サーク配下の戦士との壮烈な戦いが展開された。フリンらはその戦いに勝ちを収めた。再びフリンは人間世界にもどり、デリンジャーは失脚する。

トイレット

2010-09-11 | 映画
「かもめ食堂」で有名な荻上直子監督の最新映画「トイレット」。全編英語の台詞のみという珍しい日本映画ですが、まったく違和感がありません。ネタばれっぽいですが、もたいまさこさんが全編を通じて台詞を口にするのはただワンシーンのみ。無言の存在感ある演技が光ります。難しいでしょうにねえ。何か特別な事件や出来事があるわけではない。そういう意味では「かもめ食堂」以来の系譜をきちんと引き継いでいる映画です。じんわりと効くぬる燗のようです。

ストーリーは、プラモデルオタクのレイ、引きこもりピアニストのモーリー、ちょっと生意気な女子大生リサの3兄妹の母親の死から始まります。その母親である祖母「ばーちゃん」が家で暮らすことで3人の関係そして、ばーちゃんとの関係に変化が生じていく。で、なんで題名がトイレットかというと、ばーちゃんが必ずトイレあとで深いため息をつく。それが物語の伏線になるからなんですね。

この映画を観て感じるのは、平凡な日常でも必ず変化が日々あって、変わらないと思っている自分自身だって日々変化している。日常の中に塗りこめられてなかなか意識することはないけれど、そんな変化が、あるとき、ふと表出する。そのことの再認識です。人生ってまあ、そういう日常の繰り返しで進んでいくのでしょう。

一つだけ大きな出来事があります。ある意味アイデンティテイの問題にもかかわるショッキングなできごとですが、でも、映画の中での進行のように、「それがなんだというの?」という感じ。家族って面白い存在です。家族って? とちょっと考えるきっかけを与えてくれます。ギョーザがいい感じで色を添えます。そう。ギョーザづくりは家族の絆を感じさせるんですよね。お奨めです。

あ、そうそう。日本のトイレはやはり偉大だあ!!この監督さん、エアギターがお好きなのかな? かもめ食堂でも確か、ストーリー中に使っていたような記憶が。

「トイ・ストーリー3」3D

2010-08-21 | 映画
予定外ですが映画「トイ・ストーリー3」の3Dを観ることに。これが意外とよかった。全作の中では最もいいんじゃないだろうか。おもちゃの持ち主アンディもいまや大学生になることに。もはや昔遊んだおもちゃたちと向き合うこともない。おもちゃたちの運命は? といった内容です。3DCGの見事さ、ストーリー展開、いずれも水準以上。特に、アンディとおもちゃたちの別れの場面はなかなか涙腺を刺激します。アンディのおもちゃたちへの愛情、おもちゃたちのアンディに対する愛情。大人になるとはこうした別れをいくつも経験していくことなんだと、ちょっとオジさんは感慨深かったです。CGの技術のすごい進歩にはただただ驚きです。もはや最後の別れのシーンなんか、おもちゃを使うアンディは人間が演じているのか、と見まごうほど。おもちゃと対比でそう見えてしまうのですが、いや、ほんと驚きでした。

あと映画本編ではなく、「おまけ」の短編映画「デイ&ナイト」。これが秀逸。声はなく、2人(?)の幽霊みたいなもののが出てきて、それぞれお腹の中に昼間の風景と夜の風景を映し出すのですが、2人が出合って、張り合って、最後は友情を結び、昼夜が入れ替わる、ただそれだけの映画が、実に楽しい。映像の美しさがおおきいとは思いますが、やはり作品はアイデアしだいでいくらでも面白いものができる、という好例でしょう。

それにしても予告編もこれ全部ディズニーの3Dのオンパレード。完全に3Dにシフトしましたね。「トロン」の予告編には感慨深かった。学生時代、初の全編CG映画と銘打って、ただ丸い物体がキューンという感じで直線を描いて曲がって、というだけの今からみるとなんだったのか、という映画。それが予告編を見る限り、もちろん人間が登場しているのですが激しいレースシーンなど見事なCGで3Dとなっていました。トロンを作るのは、やはり技術の進歩を確認するためなのでしょうか。

借りぐらしのアリエッティ

2010-08-10 | 映画
スタジオジブリの最新作「借りぐらしのアリエッティ」。ジブリ作品の中では「耳をすませば」に近いテーストを感じました。小人の女の子が主人公で、人間に見られてはいけないという条件があるとはいえ、当然、主人公と人間の少年は出会い、交流する。青春の淡い思い、好奇心、希望といったキーワードは普遍です。一見突拍子もない内容ですが、よくまとめ、小人からすれば巨人でしかない人間世界での冒険談には、思わず引き込まれて声援を送りたくなる。人間の邪悪さと美しさの両面をうまく描いた作品で、じんわりとしたジブリ(「耳を~」みたいな)がお好きな方は、はまると思います。

ただ、ちょっと縮小度合いがいかがなものか。角砂糖やダンゴムシ、アリなどと比べて小人はいったいどの程度の大きさなのか。まるで対象物に応じて伸び縮みしているような感じはやや気になりました。たぶん、指程度の大きさなのでしょうが、それにしては角砂糖や髪留めに転用している洗濯ばさみが小さすぎるし、虫との大きさ対比も「?」なのです。猫やカラス、ねずみやたぬきにたぶん、やられているはずだよね、と思えるほどの弱者なのに、なんで一家は無事なのか? いったいどうやってこれまで一族が生き続けてこられたのやら…ま、そんな細かいことを気にしていては楽しめません。頭を空っぽにして、小さな冒険を楽しみましょう!

スターウォーズ

2010-07-18 | 映画
NHKがBSハイビジョンで「スターウォーズ」の全作品を6夜連続で上映し始めました。エピソード1から順番に観たことがなかったので、意外と貴重な機会。

最初に観た、一番最初のスターウォーズ(つまりエピソード順では4)は、衝撃でした。中学生のとき。オープニングのあの字が宇宙空間に消えていく場面から、震えるほどの驚きと感動でした。食い入るようにスクリーンを見たのを鮮明に覚えています。いま思えば、亡くなった父と一緒に観に行った最後の映画でした。

いまから見返せば、まだ時代が時代で、それこそエピソード1から3までのようなCG満載とはいかず、ヨーダがいかにも人形だったり、手作り感が溢れています。が、やはり宇宙モノの映画の金字塔です。発想、構想力、それに当時としては画期的な時代を何年も先取りしたような映像、単純なだけにのめりこみやすい正義と悪の戦いの構図、友情や愛、日本人好みのチャンバラ、アーサー伝説的なワクワク感、東洋的な「フォース」の感覚…面白さ満載ですよね。

で、整理してみるとまた意外な発見がありそうで、毎日観てしまいそうな自分が怖い…

それはそれとして、エピソード1。なんで「ナブー」だったのでしたっけ? どうして他の星ではなくここだったのか? エピソード2以降でわかるのでしたっけか。アナキンの父親って要するにわからないわかでしたっけか。まさかマリアさまを意識した?

アリス・イン・ワンダーランド

2010-04-17 | 映画
ジョニー・デップさまが出演して話題の3D映画「アリス・イン・ワンダーランド」の初日の今日、早速観てきました。一言、残念でしたわざわざ映画館に足を運ぶ必要はないですね。あ、3Dだから映画館でないとダメか。たしかに映像はきれいですけど、内容がなんともいえずつまらないです。アバターもそうでしたが、手段であるはずの3Dが目的になってしまっている。そんな映画でした。

ストーリーは、いってみれば「その後のアリス」です。再び、あの「不思議の国」に入り込んだアリスは19歳に成長しています。で、あの国を救いながら、自身が成長していく物語という感じでしょうか。古のフェミニストが見たら喜びそうな、女性の自立を定型的に描いた物語とだけ申しあげましょう。ジョニー・デップさまは、奇天烈なメークをしていますので、顔は見えないのと同じです。本当に「Why 彼?」という感じですね。

あ、そうそう。一番怖いのは、虫も殺さぬような顔をしていながら実にエグイことを平然としてのける「白の女王」だった、と付け加えておきましょう。ああ、女は怖い…

第9地区

2010-04-16 | 映画
なんというか、奇想天外なSF映画「第9地区」。アカデミー賞4部門にノミネートされたのもうなずけます。

=以下、goo映画から=
南アフリカ・ヨハネスブルグ上空に突如現れた巨大な宇宙船。船内の宇宙人たちは船の故障によって弱り果て、難民と化していた。南アフリカ政府は“第9地区”に仮設住宅を作り、彼らを住まわせることにする。28年後、“第9地区”はスラム化していた。超国家機関MNUはエイリアンの強制移住を決定。現場責任者ヴィカスを派遣、彼はエイリアンたちに立ち退きの通達をして回ることになるのだが…。


娯楽作品のような、でも全体的には暗い、いかにも21世紀的な映画です。エイリアンが無能力者扱いでスラム化するというのも奇想天外なら、ストーリー展開もなかなかにユニークです。ネタバレするとなんですからあまり書きませんが、やはりエイリアンはエイリアンなんですよね、それなりの文明力のある。

この映画は、なによりも舞台として南アフリカを選んだ点が鋭い。たいてい、米国ですからね、エイリアンが現れるのは南アといえばアパルトヘイトの記憶もあり、エイリアンを昔の黒人に見立てると人種差別映画とも見える。エイリアンに「人権」を形ばかり認める移住強制のさいの手続きなどは皮肉がきいています。

それにしても、真面目に(?)SFとしてみると突っ込みどころは満載です。言葉とか、生存環境とか、なんであのエイリアンだけが知的なのかとか…ま、それはそれとして、面白い映画と思いました。ただ、「PG12」でわかるように、エグイ場面も多いです。ちょいと気持ち悪くなるような場面も。それも、やはり21世紀初頭のいまの時代を反映しているのでしょうか。

ハート・ロッカー

2010-04-04 | 映画
アカデミー賞受賞作として話題になっている映画「ハート・ロッカー」。これは戦争映画の新たな地平を切り開いたというか、現実の戦争が「敵」の見えない戦いになっている現代が必然的に生み出した映画のような気がします。観客は、カタルシスはありません。緊張感をもって戦場の雰囲気を味わうしかない。そんな映画です。

=以下goo映画から=
2004年、イラク・バグダッド。駐留米軍のブラボー中隊・爆弾処理班の作業中に爆発が起き、班長のトンプソン軍曹が爆死してしまう。トンプソン軍曹の代わりに派遣されてきたのは、ウィリアム・ジェームズ二等軍曹。彼はこれまでに873個もの爆弾を処理してきたエキスパートだが、その自信ゆえか型破りで無謀な行動が多かった。部下のサンボーン軍曹とエルドリッジ技術兵は彼に反発するが、ある事件をきっかけに打ち解けていく。


このストーリー紹介には違和感があります。「打ち解けていく」という部分は瑣末な部分です。この映画は徹底的に、「敵」の不在と、でも現実に自分を殺そうとする意思をもった存在という矛盾のように聞こえるかもしれない状況と、その状況下で、精神をその状況にある意味順応させた兵士の狂気ともいうべきものを描く。ストーリー自体よりも、画面から立ち上がってくる緊張感と狂気が見るものをとらえて離さない。ちなみにこの映画では本当に敵とわかる存在が出てくるのは、距離の離れた敵をスコープを通じて打ち合う場面ぐらいでしょうか。これとてもスコープを通じてで、本当に敵にあたったのかどうなのかさえわからない。時間の経過だけが「勝敗」を告げてくれるという、本当にストレスがたまるばかりの戦いです。

印象的な場面は、やはり873個の処理した爆弾の起爆装置を集めて、時に眺めている軍曹の姿、帰国してからの息子との「会話」の場面でしょうか。なにはともあれ、この映画は観る、そしてその状況に自らも身をおく。それでしか語れない気がします。名作です。

フロスト×ニクソン

2010-03-13 | 映画
08年の映画「フロスト×ニクソン」。ぐいぐい画面に引き込まれました。ウォーターゲート事件で辞任したニクソン大統領への4回にわたる単独インタビューを行ったトークショーの司会者、フロスト。最初は一方的にニクソンの手のひらの上で踊らされ、ニクソンの政界復帰への手助けさえしかねないほどやり込められ、独演会の様相です。でも、乾坤一擲の最後の真剣勝負インタビューで、ニクソンからウオーターゲート、ベトナム戦争への反省の弁と国民への謝罪を引き出すまでを描いた作品です。実話がベースです。

ちゃらんぽらんなフロストが追い込まれて、最後の最後でニクソンに迫って、いわばインタビューアーとして成長していく様子にハラハラしながらも最後はほっとさせられる。溜飲を下げるような感です。なんというか言葉を使った真剣勝負、果し合いの感じがうまく伝わってくるので見ているこちらもまさに固唾を呑むのです。

それにしても米国の政治家はきちんと言葉を武器にしている、と感じます。一方のメディア側も最高権力者に迫るための情報収集、インタビュー構成の仕方など、さすがにディベートのお国柄だと思いました。翻って日本は…。インタビューがこれだけの力をもちえるのは政治家の力量なのか、それともメディア側の力によるのか。考えさせられました。

ONCE ダブリンの街角で

2010-02-28 | 映画
今日の東京は朝からみぞれ交じりの寒ーい一日。自転車にも乗れず、東京マラソンを見に行く気もなく、家でゴロゴロとしてスターチャンネルをつけていたら、アイルランドの映画「ONCE ダブリンの街角で」を最初から最後まで観てしまいました。素敵な作品でした。

=以下gooブログから=
アイルランド、ダブリン。多くの人が行き交うグラフトン・ストリートでオンボロのギターをかき鳴らし自作の歌を唄う男がいる。そこに一人の女がやってきた。10セントのチップを出し、あれやこれやと男に質問する。挙句、掃除機の修理の約束をさせられてしまう。翌日、壊れた掃除機を持って女が現れた。途中、ピアノを弾かせてもらえるという楽器店に立ち寄った。彼女の腕前に感心した彼は、一緒に演奏することを提案するのだった。


何が起きるというわけでもないのです。派手な映像も、ドンパチも、ラブシーンも。自主制作みたいな、ちょっと手振れ感のある映像。でも、ささやかな日常を生きる人の等身大の生活と夢と希望が実にうまく描かれる。言葉は寡黙ですが、音楽を通じて「会話」が成立し、お互いの心を静かに通い合わせる。大人の静かな恋が素敵です。じんわりと、「ああ、人生って悪くないなあ。人ってやはり希望の源泉なんだ」と思います。ちなみにこの映画は2006年度のアカデミー賞最優秀賞歌曲賞を受賞しています。

ブラインドネス

2010-02-14 | 映画
映画の「ブラインドネス」。いきなり失明する原因不明の伝染病が蔓延して社会が崩壊するさまを描く内容でした。怖かったです。一人だけなぜか病気にかからない女性が主人公なのですが、その気になれば「神」の立場にもたてそうなのに、「絆」の要になるために諸々の屈辱も受け入れる。まあ、詳細は控えますけど…。かえって見えることが死ぬほど辛いかも、と思ってしまいました。この映画、人間社会の秩序が崩壊したときにこそ人間の本質が問われる、というのが基底にあるテーマ。いざとなったときの男の情けなさと女性の強さがすごくリアルでした。どうにも書きにくい内容ではあります。PG12ですが、PG18でもいいかもしれないですね。

地球が静止する日

2010-02-08 | 映画
キアヌ・リーブス主演の映画「地球が静止する日」。以前の「地球の静止する日」を08年にハリウッドがリメークした作品ですが、「どうしたハリウッド!?」と問いたくなります。最近、ほんとにパッとしないですが、この作品もねえ…

=以下Yahoo映画から=
任務遂行のために地球へとやってきた、宇宙からの使者クラトゥ(キアヌ・リーヴス)。クラトゥの謎を解き明かすべく政府や科学者はやっきになる中、今訪れんとする危機に気付いたのはヘレン(ジェニファー・コネリー)と息子(ジェイデン・スミス)だけだった。


ストーリーの設定のでかさ、深刻さの割りに、女性博士と息子の葛藤というか、この息子のどうしようもないおバカぶりに気が散ってしまう。それに地球を滅ぼすのがムシなの? と肩透かし。題名からすれば自転を止めて地球上の生命を根絶やしにするのがスジっていうもんでしょうに。なんか甘ったるいんですよね。予告映像だけ見ているとCGをふんだんに使って地球滅亡が刻々と迫る状況を映像化しているのかと思うのに、その場面はほんとにごくごく一部。これ、羊頭狗肉というもんでしょう。「地球環境を大切に」「人類は争ってばかりじゃダメダメ」というベタなメッセージだけを連呼して、キアヌ・リーヴスを見せるだけの映画ですね。

ゴールデンスランバー

2010-02-02 | 映画
映画の「ゴールデンスランバー」を観ました。私のお気に入り俳優の堺雅人さんと貫地谷しほりさんが出演しているから、なのですが、残念ながら映画は×。日本映画の悪い点を集めたような駄作になってしまいました。

妙に情緒的で、何が言いたいかわからないし、リアリティがまったくないから緊迫感もまったくない。ひどいものです。どうも「信頼」「友情」というのをキーワードにして、これって大事、「必ず愛は勝つ~!」みたいな脳天気さ加減がどうしようもない。とにかくストーリーがいたるところで破綻しているし、「何でやねん!」とつっこみたくなるような展開がいたるところに出てきます。これ、映画館でみる必要はまったくありません。テレビでそのうちに上映すると思いますので、お待ちするのがよいかと。

アバター

2010-02-01 | 映画
話題モノに弱いというか、「あのとき3Dのアバター観たんだ」と後々語れるようにと、「アバター」の3D版を観てきました。昔の赤と青のセロファンとはまったく異なる、重たいメガネ。目と目の間の額部分にもなにか光を感受するようなセンサー様のものがついています。ここを押さえたり、メガネをはずしてみると画面がずれている状態です。それにしても重い。近視なのでメガネonメガネ状態だけに、けっこうおさえていないとずれる感じです。で、それほどすごい立体感ではないのですね。手前に字幕が見えて、奥にきれいな立体映像がある、という感じです。別に「ぐわっ」という感じで迫り来るという類の映像ではありません。でもやはり美しいことは美しい。

あ、肝心の内容ですが、はっきりいってつまらないです。これ、普通の映像で3時間近く見せられたら辛いでしょうね…とにもかくにも3Dのためのストーリーですから。まあ映像を楽しみましょう、という映画だと思いました。4月に上映予定のジョニー・デップの「アリス」のほうが楽しみかも?