「差不多」的オジ生活

中国語の「差不多」という言葉。「だいたいそんなとこだよ」「ま、いいじゃん」と肩の力が抜けるようで好き。

プロ

2007-05-31 | つれづれ
プロフェッショナルは世の中、社会を成り立たせる上で必要不可欠な存在だ。プロがいてこそ、どの世界も水準が保たれ、進歩もする。魚をみるプロがいれば、IT技術のプロもいれば、外科手術のプロもいるし、会社経理のプロもいる。共通しているのは、それぞれの仕事に誠実に取り組むことがプロの最低条件だと感じる。そして、その仕事に誇りをもつことも大切な条件だろう。教員は子どもを教育することに、政治家は国民生活を向上させることに誠実に誇りを持って心血を注ぐことがとても大切だ。

知能犯を取り締まる警官が犯罪の中心にいたり、自分の利益のために客の金を流用したりする「プロ」が横行しだすと、信頼が揺らぎ、社会の根幹が揺らぐ。人は頼るべきものがわからなくなり、己の知る限りのとても狭い世界に安住し、社会は機能低下、機能不全に向かいかねない。

一方、プロはあくまでも自分の世界だけのプロ。金融のプロがたとえばプロ野球解説をプロ面してするのはどこかおかしい、プロ棋士がわかりもしない政治・教育に口出しして天皇にたしなめられたりするのは、自分がプロである、拠って立つ基盤を履き違えて余計なよそ様の世界にちょっかい出す愚かしさの典型でしかない。こうした愚かさも最近とても多く見られる。芸能人のワイドショーでの表層的感想発言などなど。こうした行為も本来のプロの世界を蝕む。

本物のプロは謙虚であることが多いので、似非プロの発言を苦笑してみてしまうことが多い。で、似非プロはますますずうずうしくなる。本物のプロが気づいたときには、もはや回復不能なダメージがその世界に与えられ、プロは困惑する。こうしたことでも信頼は揺らぎ、社会の基盤が揺らぐ。何を信じてよいのか、人々は戸惑う。

アマチュアリズム、プロに対する批判的精神や関心は大切だが、それは健全なプロがいてこそ。世の中アマチュアだらけ、似非プロだらけになったら、と思うと怖い。最近の世相はその怖さをひしひしと感じることが多い。きょうはちょっと酔いモードで肩肘張っちゃいました。

茄子 アンダルシアの夏

2007-05-30 | 映画
日曜日に、自転車の「ツアー・オブ・ジャパン」が終了しました(っていうこと自体を知っている人のほうが少ないんだろうな。朝日新聞と日刊スポーツぐらいしか結果をきちんと報じていないので)。それに刺激を受けて、以前みた映画「茄子 アンダルシアの夏」が無性に見たくなって借りてきました。

47分の短編アニメ。スタジオジブリ出身の高坂希太郎の映画です。ストーリーは以下の通り(けっこう長いですよ)。
=以下ウイキペディアより=
スペインの自転車ロードレース、ブエルタ・ア・エスパーニャを舞台に、主人公ペペ・ベネンヘリが解雇の危機に直面しながらなおかつ、かつての恋人と兄の結婚という複雑な思いの中にあっても、プロ自転車選手として「仕事」に取り組むさまを描く。主人公ぺぺはベルギーのビール会社「パオパオ・ビール」がスポンサーとなっているロードレース・チームのアシスト選手(エースではなく、水や補給食の運搬、エースの風除けなどをこなす選手 プロロードレースでは通常9人で1チームを編制し、エース1人を勝利に導くためだけに残り8人がエースをサポートする)である。ぺぺの故郷の町がゴールとなっている平坦ステージ、ぺぺは監督の指令でレース中盤にアタックをかける。これはゴール前での集団吸収を前提とした捨て駒としてのアタックで、集団から何人かの選手を引き連れて逃げ集団を形成し、レースのペースを上げるのが目的であった。このアタックによって11人の先頭集団を形成、さらに再度ペペはアタックをかけるが今度のアタックにだれも乗ってこなかった(ライバル選手からは危険な選手とは見なされず・アシストとしては仕事をしていないことになる)ところがレース中のアクシデントで集団落車が発生したことで、ぺぺに逃げ切りの可能性が生まれる。急遽ぺぺは単騎逃げで勝ちを狙いに行くよう指示される。一方、アクシデントから立ち直った集団もペースを上げてぺぺを追う。ついにレースはぺぺを交えてのゴールスプリントにもつれ込んだ・・・。


自転車ロードレースの映画。公開した2003年に劇場で観たときはまだ自転車にはまっていないころ。レースの進展の仕方や面白さが全然わからなかったのでいまいち、という感想でした。でも、今回はワクワク、ドキドキ。手に汗握る感じで画面に没頭しました。

スピード感はまさにロードそのもの。展開もリアリティたっぷり。アシストの悲哀が、全編通じて感じられる。兄との愛憎。痩せた土地のふるさとから「遠くへいきたい」といいながらも、その土地に対する思いもチラチラと垣間見える。

エンディング歌も芸能界きっての自転車好き、忌野清志郎さんが自転車メーカー名を織り込んで歌う、にくい心づくし。自転車好きにはたまらない映画でした。ウイキペディアによるとなんと今年、宇都宮を舞台にした続編が公開されるようで、楽しみです。

おおきく振りかぶって・第8巻

2007-05-28 | 
以前にも紹介した野球漫画「おおきく振りかぶって」。第8巻が出ました!いまは深夜にアニメも放映、人気も出てますよね。

待ちに待った第8巻。だって、県大会予選の初戦の結末が知りたくて…前回も書きましたが、野球を知らない人にも、知っている人にも楽しめる。野球の理論、投球の組み立て、バッターの読み、などがほんとによーくわかる。試合を漫画の登場人物たちと一緒にしているような興奮をおぼえる見事な漫画です。

初戦の結末は書きますまい。機会があれば、特に高校野球ファンの方、ぜひぜひ手にとってみてくださいね(←決して出版社の回し者ではないので)。

笹子峠輪行

2007-05-27 | 自転車
山梨は思い出の地。山も緑も豊かで、下町にはない峠(当たり前か…)がふんだんにある。というわけで輪行に是非とも山梨に、と思っていたのが昨日実現。「笹子峠」に行ってきました。

甲斐大和駅に午前9時過ぎ到着。旧道に向かいます。いきなりの坂が始まります。なにせ普段は平べったいところしか走っていない下町人。いきなり息が上がります。そしていきなり思うのです。「ああ、しまった。こなきゃあよかった。何が悲しくてこんな苦しい思いを…」

でも、行くしかない。ひとこぎひとこぎ、進むことだけを考えます。そのうちにひんやりとした山の空気や鳥のさえずりなどにも気づき、励まされる思い。

上の写真は笹子峠の隧道近くから来し方を撮影。で、いよいよ着きました! 峠の頂上の笹子隧道です。これまでの苦労が一瞬にして吹き飛ぶ思い。「ああ、来てよかった」。現金なものです。ここまでの標高差は約700メートル。で、上れば下る。当たり前のことですが、上り経験がないので当然下りも初体験です。



こわかったあ!ほっとくと瞬時(ほんとに一瞬)で時速50キロを超えます。怖いので、すぐブレーキ。なにせ曲がりくねっていて対抗車も怖いですし、曲がりきれないのではないかという恐怖が…おかげで、せいぜい40キロ強で下ります。これは上り以上に経験がものをいう世界のようです。

あっという間に下りきってしまいました。一休み。次に無謀にも「林道黒野田線」に入り込みました。いや、これはほんとにまいった。あとで調べたらやはり標高差約700メートル、しかも相当に急で、落石がいたるところにある悪路。一本目の峠で緊張感が切れたのか、相当厳しく感じます。ところどころ足を着いてしまい、あまつさえ押して歩きます。ふー。

情けなかったのは、自転車のスピードメーターに目を向けたとき。停車したり、ひいて歩いたりすると自動的に「休止」状態になるのですが、こっちは「はーはー」といいながら必死にこいでいるのに「休止」状態に…要するに、どうも歩いているより遅い、つまり時速4キロ以下の状態になる場面があったのです。いやはや…

下りはもっと怖い。なにせ落石がいたるところにあるし、道路を横切る排水溝のふたがなくなっていたりブレーキをかけまくり。両手の握力が弱っていくのが感じられる。ときどき休みながらの下りとなりました。


でも、景色はいいでしょ。随分上ってきたものだと、ちょっと自己満足も。さらに途中一箇所、富士山が三つ峠方面に見えて、思わず「おおっ」と声を上げてしまいました。あいにく写真を消してしまって…

山を降りて、最後の初狩駅に向かうさい、ほんの100メートル上るだけの坂なのにもはやその気力が萎えてしまいました。ほんとにフラフラという感じ。ようやく駅に着いたときには「もういいや」という気分。初の峠経験はそれでも楽しかった!上りの辛さも忘れてしまう不思議な感覚。また挑戦したいものです(ちなみに、きょうは両腕が少々痛いです。ブレーキ疲れですね…)。

今日のニュースは

2007-05-25 | つれづれ
報道ステーションを見ていたのですが、今日のニュースは(「も」かな?でもきょうは特に)なんだか気がめいるニュースばかり。年金の管理で無能振りをさらしている社会保険庁を「解体」の名の下にぜんぜん改革しない法案を自公が強行採決するその茶番的な光景(5000万件も記録がないとかほざいている社会保険庁の職員は万死に値すると私などは思う。安倍首相のようなボンボンにはまったく実感がない問題なのだろうからあんなおざなりな態度で適当にお茶を濁そうとしているのだろう。政治家の世襲、つまり身分固定化はやはり大問題だと強く思う今日この頃)。16歳少年を自殺サイトで引きずり込んで心中相手にしてしまった40代男の話(死ぬなら一人で死ね。若い命を道連れにするな!)、北朝鮮のミサイル発射実験(もはや言葉もなし。ふざけるな)、クラスター爆弾の自衛隊保有を正当化するために禁止条約を否定する日本国政府(これが平和憲法を擁する政府の態度か。自衛隊が保有していていったい何の意味があるのか)…

ふー。いやだいやだ。気がめいって仕方がない。明るいニュースはないのかいな。

もんもん

2007-05-24 | つれづれ
なんというわけでもなく、大したことでもない。日常の些事が積み重なっていって、気づくと意外なほどに自分の中で重みを占めるというか、苛立ちの原因になるとでもいうか、もんもんとする原因になるというか、そんなことがある。ストレスとでもいうのかな。

細かいことに、さらにどうでもいいようなことがウダウダといろいろと付着物がついていく感じはどうも苦手。「どうでもいいじゃん」とか思ってしまう。ま、そういうと、世の成り立ち、仕事の大半なんてそんなものだろうから身もふたもないのかな。スカッとしたいものです。

久しぶり&江角マキコさんの投書

2007-05-21 | つれづれ
久しぶりに会社に行った気がします。いや実際に10日ぶりでした。よく机があったものだ。ハハ…ずっと出張続き。考えてみれば先月も東京にいたのは10日に満たなかったなあ。これでしばらく出張はないかな? いや、突然あるかな? まあ、いろいろな場所に行くのは好きなのであまり苦にならないのですけど、自転車に乗れないのがつらいところ。いっそのこと、これからは自転車持参にしようかなあ。

全然別件ですが、昨日の朝日新聞朝刊社会面の連載企画「家族」は読み応えがありました。というか、江角マキコさんからの投書だったのですが、内容に感動しました。ご自身の家族の話を自ら手紙にしたためて新聞に送ったもの。しっかりとした文書もですが、なにより家族を思う思いの強さ、試練に立ち向かう芯の強さに感じ入り、江角さんを見直しました。「ショムニ」「マチベン」などではもちろん存在感抜群でしたが、あらためて素敵な女優さん、いや、素敵な人だと思いました。触りの部分しか読めないのですが、以下がリンク先。
http://aspara.asahi.com/kazoku/login/kazoku_asa.html

家族を看取ることの重みを、ほとんどすべての人は背負わなければならない。その当たり前のことに粛然とします。

のどかな休日

2007-05-20 | 自転車
ひさしぶりのライド。荒川はいきなりの向かい風でちょっと出鼻をくじかれ、というか寝坊がいけないのですが、河口から25キロほどの荒川脇にある都立浮間公園に立ち寄ることにしました。のどかです。人々が池の周りでくつろぐ。穏やかな休日の光景です。

この公園、いつもは脇を通り過ぎるだけなので、なんと訪れたのは15、6年ぶりでしょうか。実はこの近くにほんの一瞬だけ(一年に満たない程度でしたか)ですが暮らしていた時期があって、公園がまだ整備されて間もない時期だったと記憶しています。

当時はまだ木々も細く貧弱で、なんだか広いけどさびしいなあと思った記憶が。しかし、いまは木々も育ち、人々に木陰を提供する。なんだかいい雰囲気になりました。そういえば同じく都立の亀戸中央公園もそうですね。できた当初はどうなるんじゃいな、という感じでしたが、いまはいい感じに緑が育ってきて。やはりこうしたものは時間が作り上げていく面があるなと感じたしだい。

帰りは風に乗って平均時速が30キロを超えて爽快。あっという間に河口でした。なんだかもっと走りたいと思いつつも、まあ寝坊のツケということでこの辺でやめておきました。ああ、気持ちいーい!

さぶい

2007-05-19 | つれづれ
ちょうど寝ようとしたところで地震。震度3程度とはいえ、北の大地で地震にあうとは思っていなかったので少し驚きました。

今朝のお散歩はとにかく寒! 息が白い。夏物の薄い背広ですからね、私は。町なかの気温表示は10度を下回っています。そろそろ東京が恋しくなってきました。だからというわけではないですが、今日帰京です。

駆け込み、セーフ?

2007-05-18 | 
「負け犬の遠吠え」で一世を風靡した酒井順子さんが30代最後の日々につづったエッセイ集「駆け込み、セーフ?」。すごーーく軽く読めます。

=以下、アマゾンから=
30代、ラストスパート!
●「靴下をはいていない男」との食事
●処女はこんなにいる!(ただし30代)
●ひらひらスカートの絶大なる効果
●妻たちはお正月が嫌い
●四十男の「ペコリ」って……
●紀子さまの「専業主婦メンタリティー」
●日韓の「整形」意識の違い
●お姫さまだっこと“さらわれたい欲求”
●「お一人さま」のルール
●浮気と不倫の違いとは?
……などなど、気になるテーマばかり全60篇を収録!

よくあるテーマなのですけど、けっこう「そうそう」と頷きながら読みました。まあ、内容はともかく、私が気になったのは女性にとって40歳になるってそんなに大変なことなのだ、ということ。女性にとれば子どものことを意識すると年齢の限界とか。その強い意識がどのテーマの底にもあって、そこがなんというか面白くもあり、哀しくもあり、といったところでしょうか。ま、たしかに私自身も40歳になるときはけっこう感慨があったなあ。実際体力はガタガタになってきたし…

ぜんぜん違う話題ですが、長久手の立てこもり事件はなんなんだろう。ほんとに最近のニュースはわけがわからない事件が多すぎて…亡くなったSAT隊員の方のご冥福をお祈りします。お子さんが小さいのですよね。こんな事件で理不尽な死を迎えるなんて…暴力に強い憤りを覚えます。

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

2007-05-17 | 
吉田秋生さんといえば「BANANA FISH」と「YASHA」。ストーリー展開もうまいですが、人と人との「絆」を描くことにかけては、いまの漫画家の中でも屈指のうまさだと思います。その吉田さんの単行本「海街diary 1 蝉時雨のやむ頃」(小学館)を読みました。これ、素敵なシリーズになる予感がします。

=以下、アマゾンから=
男の部屋で朝を迎えた三姉妹の次女・佳乃(よしの)に父の訃報(ふほう)が届いた。母との離婚で長い間会っていない父の死に、なんの感慨もわかない佳乃は…。鎌倉(かまくら)を舞台に家族の「絆(きずな)」を描いた限りなく切なく、限りなく優しい吉田秋生の新シリーズ!!


姉妹、家族、友人…まさに絆の物語です。今回の単行本では、三姉妹を中心としたオムニバス形式の短編が3つ続く。さりげない表情の中に、感情が変わる一瞬をうまく落とし込む絵はお見事。56ページから60ページにかけては愁眉です。腹違いの「妹」に対する三姉妹の愛情と、その妹が押さえ込んできた「子供らしさ」の感情が一気に爆発するシーンは涙を誘われます。ほかの二編も切ない。人間の弱さと強さが交錯する感じがたまらないですね。緩急つけたというか、脱力する場面とぐっと読むほうにも力がはいるような場面との使い分けは、いつもながらお見事です。

月刊誌掲載なので、なかなか「次」が物理的に読めないのが残念ですが、期待度高いシリーズです。

北海道

2007-05-16 | つれづれ
今日から北海道に来ています。仕事である、という点が最大のネックですが、まあなにはともあれ久しぶりです。

羽田からの飛行機でふと下をみたら風力発電が6、70基並んでいる光景が見えました。すごいですね。高度がどれぐらいかしりませんが、相当目立ちます。自然エネルギーの活用はもっと考えられるべきだと考えるてのにはとても頼もしい光景でした。新千歳に着陸する15分ほど前で、感じからすると下北半島だったようにも思うのですが、自信はありません。どこだったのだろう?

宿泊のホテルで面白いと思ったのが、中国語放送「大富」がみられること。いまは台湾、香港のみならず大陸中国からの旅行者が増えて地方都市は中国人観光客への対応に力を入れているとは聞いていたのですが、札幌でもない地方都市で無料で中国語の有料放送が観られるとは! 海外でNHKの衛星放送がみられると私などはほっとするのが正直な気持ちです。やはり母国語があると安心する。中国の人にとっても同じでしょう。同じような条件なら中国語放送がみられるホテルに泊まりたいと思うのではないでしょうか。地方都市の努力の一端を垣間見ました。

あ、写真はご当地サッポロビールの北海道限定ビール。麦芽100パーセントでなかなか濃い感じがいいです。本州でも売ればいいのに。

自転車道整備

2007-05-16 | 自転車
先日、朝日新聞に自転車道整備の話が一面トップで掲載されていました。
http://www.asahi.com/national/update/0513/TKY200705120210.html

これ自体はいいニュースだと思います。自転車道をぜひ拡充・整備して欲しい。大賛成です。いま、都内の歩道はひどい状況。自転車が歩道を走るのが当然、という根本が誤った意識、現実が広まったために歩行者を押しのけるように我が物顔で自転車が歩道を走っている。おちおちぼんやりと道を歩けやしない。危なくて。これから一層高齢者が増えると、歩道における自転車事故はますます増えるでしょう。

だから一日も早く自転車道を拡充して欲しいのですが、おそらく困難が多いでしょう。いまも歩道にペインティングで色を変えて自転車道としている道がありますが、事実上自転車置き場となっている。自転車専用道作りがうまくいっても、自転車が車である、という認識がないから平然と右側走行、つまり逆走している自転車が多く、危なくてしょうがない道もあります。

もとを正すと、「緊急避難」といいながら、自転車が歩道を走るようにして数十年。もはや自転車が車であるという認識をもっている人のほうが少数派になってしまうほどの無為無策を続けてきたこの国の愚かさが諸悪の根源ではあるのですが、さて、どう意識改革をしていくのか。学校などを通じて一から交通ルールの教育をしなおさないといけないのでしょうね。道は遠し、です…

ま、一時期は自転車をすべて歩道にあげて車道をはしらせない、などというトンデモ法案提出が目論まれてたことを考えると、まっとうな案になったことにはホッと胸をなでおろしてはいますが。自転車は楽しいし、健康にもよく、環境にも負荷の少ない優れた乗り物。ママちゃりとは違う本来の自転車の楽しみを知る人が増えるといいなあと思っています。

鉄子の旅

2007-05-13 | 
鉄道オタク「鉄ちゃん」。身近にもいますが、独自の世界を構築していてなかなかに面白い人たちですよね。その鉄ちゃんを主人公にした漫画「鉄子の旅」(菊池直恵さん著)。ノンフィクションというところが一層面白さを引き出している、というか、いかに鉄ちゃんの世界の奥が深いかを(笑)感じさせてくれる一冊です。

横見浩彦さんというJR全駅乗下車をしたこともある鉄ちゃんが毎回、独自の視点で「旅」をする。その様子を描くルポ漫画なのですが、この「旅」というのがなんというか、なかなかに思いつかないことばかり。

久留里線の全駅で下車する。何をするわけでもなく、ただ駅舎をみるだけ。鹿児島まで鈍行で行く。ただ、電車に乗っているだけ。こんな話が毎回続くだけ。

この「旅」自体は、なにが面白いのか、魅力なのか、私には全然わからないのですが、横見さんのハイテンションぶりが妙におかしく、周りとの温度差が笑いを誘う。本人は自分を「オタク」だとはまったく思っていないところが、またおかしい。

でも、岩手県の岩泉線「押角」駅は行ってみたいな、とか思う。あ、これってもしかして「鉄」の世界に片足突っ込んだということ?

駅舎が好きな人、切符が好きな人、写真を撮るのが好きな人…鉄ちゃんの鉄道に対する愛情の形は様々なれど、深い愛情を感じることができる作品なのでありました。