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M.シュナウザー・チェルト君のパパ、「てつんどの独り言」 

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コロナから人類への手紙について

2020-05-24 | エッセイ

 

 5月になって発見があった。「コロナウイルスから人類への手紙」をFacebookで発見したのだ。同じ時期に、同じことを書いて、ポエムとして発表されている女性がアメリカにいるということだ。驚いたと同時に、嬉しかった。

 

 「地球はリセットされようとしている? By Covid-19」 2020年4月26日  

   https://blog.goo.ne.jp/certot/e/5165ade9d580e23dc6d6d9528decbbc2

<RESET by Michele Arbergamao in Italia FB Share>

 前々回のブログでは、人間の乱暴な仕打ちによって、地球が悲鳴をあげている、その事実が、スーパー・パワー(地球の創成者)の怒りをかって、彼は地球をリセットしようとしていると書いた。

 僕はUPの2週間くらい前に原稿を書いているから、4月12日ころだろう。彼女は4月11日にこのポエムを書いているから、ほとんど同じ時間と言っていいだろう。

 この手紙の意図は、僕のコラムがアドレスしている問題と、ほとんど同じだ。太平洋を挟んで、同時に同じ問題を定義しているのは不思議な気もする。

 しかし、一つ重要な相違がある。

 それは、コロナウイルスを人間の世界に送り込んだのが誰かという、主体の問題だ。

 彼女は、その主体は被害者である地球と定義して、詩を書いている。最後のほうに、創造神(英語では、Creator)とあるが、コロナを送り込んだ主体は、地球だと読める。

 僕は、その主体は、地球と全ての動植物を創ったスーパー・パワーだとして書いている。どちらと考えるかは、読者の自由。

 どちらにしても、人類がアドレスしなければならない問題は共通で、地球を傷つける行動をやめるのは、今です。

<IGBPからの借用>

 調べを続けていたら、こんな学会があるのを知った。

 それは、IGBP:International Geosphere-Biosphere Program(地球圏―生物圏国際共同研究プログラム1986~2015)。今は、名前が変わって Future Earthとなっている。いろいろ面白そうだ。

<IGBPからの借用>

 

 さて、下記が、そのポエム、「コロナウイルスから人類への手紙」です。

 ネットで、いろんな方が上げていらっしゃるから、ご存知の方もたくさんいらっしゃると思いますが、念のため、日本語訳 → 英語の原文 をつけておきます。すでにこのポエムをご存知の方は、この先を読む必要はありません。僕のコラム本体はここで終了です。

 

<Covid-19>

日本語訳(訳者不明です)

コロナウイルスから人類への手紙 Apr. 11, 2020

 

地球は囁いたけれど、あなたには聞こえなかった。

地球は話したけれど、あなたは聞かなかった。

地球は叫んだけれど、あなたは聞くことを拒んだ。

それで、私は生まれた・・・

私はあなたを罰するために生まれたのではない・・・

私はあなたの目を覚ますために生まれた・・・

地球は助けを求めて叫んだ・・・

大規模な洪水。でもあなたは聞かなかった。

厳酷な火災。でもあなたは聞かなかった。

猛烈なハリケーン。でもあなたは聞かなかった。

恐ろしい竜巻。でもあなたは聞かなかった。

海の生き物が、水中の汚染物質によって死んでいっている。

異常な速さで溶けていっている氷河。

厳しい干ばつ。

それでもまだ、あなたは地球の声を聞こうとしない。

どれだけ地球がひどい扱いを受けているのか、あなたは聞こうとしなかった。

次々と続く戦争。

次々と続く貪欲。

あなたはただ自分の生活を続けるだけだった・・・

どれだけ憎しみがあろうが・・・

毎日どれだけ殺害があろうが・・・

地球があなたに伝えようとしていることを心配するより、最新のiPhoneを手に入れることのほうがもっと大事だった。

だけど今ここに、私がいる。

そして、私は世界を一気にストップさせた。

やっと私はあなたに耳を傾けさせた。

私はあなたに庇護を求めさせた。

私はあなたが物質本位に考えるのをやめさせた・・・

今、あなたは地球のようになっている・・・

あなたはただ自分が生き残れるか心配しているだけだ。

どう感じますか?

私はあなたに熱を与える。地球で起きる火災のように・・・

私はあなたに呼吸器障害を与える。地球の大気汚染のように・・・

私はあなたに衰弱を与える、地球が日に日に衰弱していっているように。

私はあなたの安楽を奪った・・・

あなたの外出。

あなたが使う、地球のことや、地球が感じている痛みのことを忘れさせるような物。

そして私は世界をストップさせた・・・

そして今・・・

中国の大気質が改善した・・・工場が地球の大気に汚染を吐き出さなくなったことにより、空が澄んだ青色だ。

ベニスの水が澄んでイルカが見られる。水を汚染するゴンドラを使っていないからだ。

あなたは時間をとって自分の人生で何か大切なのか深く考えなければならなくなっている。

もう一度言う。私はあなたを罰しているのではない・・・私はあなたの目を覚まさせるために来たのだ・・・

これが全て終わり私がいなくなったら・・・どうかこれらの時を忘れないように・・・

地球の声を聞きなさい。

あなたの魂の声を聞きなさい。

地球を汚染するのをやめなさい。

鬩ぎ合いをやめなさい。 

物質的なものに関心を持つのをやめなさい。

そして、あなたの隣人を愛し始めなさい。

地球と、その全ての生き物を大切にし始めなさい。

創造神を信じ始めなさい。

なぜなら、次の時には、私はもっと強力になって帰ってくるかもしれないから・・・

 

コロナウイルスより

詩(ポエム)

作者:ヴィヴィアン・R・リーチ

(コピー、転載は自由ですとのコメントあり)

Reinvention Magazine

San Francisco CA. USA

 

 

英語版(オリジナル)

「Coronavirus Letter To Humanity」

The earth whispered but you did not hear.

The earth spoke but you did not listen

The earth screamed but you turned her off.

And so, I was born…

I was not born to punish you …

I was born to awaken you …

The earth cried out for help…

Massive flooding. But you didn’t listen.

Burning fires. But you didn’t listen.

Strong hurricanes. But you didn’t listen.

Terrifying Tornadoes. But you didn’t listen.

You still don’t listen to the earth when.

Ocean animals are dying due to pollutants in the waters.

Glaciers melting at an alarming rate.

Severe drought.

You didn’t listen to how much negativity the earth is receiving.

Non-stop wars.

Non-stop greed.

You just kept going on with your life …

No matter how much hate there was …

No matter how many killings daily …

It was more important to get that latest iPhone than worry about what the earth was trying to tell you …

But now I am here.

And I’ve made the world stop on its tracks.

I’ve made YOU finally listen.

I’ve made you take refuge.

I’ve made you stop thinking about materialistic things …

Now you are like the earth…

You are only worried about YOUR survival.

How does that feel?

I give you fever … as the fires burn on earth.

I give you respiratory issues … as pollution fill the earth air.

I give you weakness as the earth weakens every day.

I took away your comforts …

Your outings.

The things you would use to forget about the planet and its pain.

And I made the world stop…

And now…

China has better air quality … Skies are clear blue because factories are not spewing pollution unto the earth’s air.

The water in Venice is clean and dolphins are being seen. Because the gondola boats that pollute the water are not being used.

YOU are having to take time to reflect on what is important in your life.

Again, I am not here to punish you … I am here to Awaken you…

When all this is over and I am gone… Please remember these moments …

Listen to the earth.

Listen to your soul.

Stop Polluting the earth.

Stop Fighting among each other.

Stop caring about materialistic things.

And start loving your neighbors.

Start caring about the earth and all its creatures.

Start believing in a Creator.

Because next time I may come back even stronger….

Signed,

Coronavirus

(Poem Written by: Vivienne R Reich)

 ~Feel free to copy and paste to share“

 

 


COVID-19で社会を変える!

2020-05-10 | エッセイ

 地球上に猛威を振るっている新型コロナヴィールス。これを機会に、日本の社会構造を変えてはどうだろう。とりあえず、3つを考えてみた。

 

 1.学校のスタートを世界標準の9月にする

 2.“顔を合わせて“の仕事を厳選しよう。特に企業で

 3.4月~5月のゴールデンウィークを廃止しよう

 

 #1については、いろいろ議論が始まっているので、特に書き加えることはない。

 ただ、これで、就職試験、入学受験のやり方も変えられるだろう、3密を避けるために、集まってのペーパーテストは無くなるだろう。全員集まって、入社式で社長のお祝いを聞くこともなくなるだろう。中途採用が当たり前になるだろう。国際的な就職が容易になるだろう。帰国子女の受験も問題なくなるだろう 。

 

 #2ついては、Teleワークの実施で、すでに必要な仕事、必要な人、必要でない人の選別が明確になっている 。すでに、いらない仕事も明確になっていると思う。仕事をしているフリのおじさんたちは、早めに退社してもらって生産性を上げることができる。

 無駄な、何も決められない意味のない会議が減るだろう。これだけでも、大きな成果といえる。さらには、遠距離通勤や満員電車での通勤や不要な出張がうんと減るだろう。いいことだ。その為には、ネット経由での仕事のやり方の設計が不可欠だ。

 日本人はスマホ扱えるが、PCが使えないという話を聞いた。これには驚いた。早急にOfficeアプリケーションくらいは使えるように勉強してほしい。

(ニュースウイーク、下記をクリック)

https://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2020/04/post-93272.php?fbclid=IwAR1FDCCLWD5IA9MYm8N9EOYxSUwzE1sX-HFOupROCeY-cKxvtKA6CcvRwjg

 

#3: 「4月~5月のゴールデンウィークを廃止しよう」は、まだ提言されてはいないと思う。

 

<各国の休日比較>

 日本の休日は非常に多い事実を、皆さんはご存知だろうか?

 例えば、昨年(2019年)の振替休日を含む休暇は、22日もある。こんなに国民の祝日休暇を持っている国は他にはない。振替を抜いたとしてもネットで 18日くらいは休みある。

 他の先進国と比べてみると イギリスは8日、ドイツは9日、アメリカは10日、 フランスは11日 というのが、国民の祝日休暇だ。さらに日本には隠れた問題がある。それは各自の持つ有給休暇の取得は、ほとんど消化されていないという事実だ。有給休暇の取得率はフランスがトップで100%。日本は表向きには50%ということになっている。消化を急かされて、偽の休暇を使っているという話も聞く。

 日本の休みの実態を考えると 実はゴールデンウィークと、8月のお盆休み、そして年末年始の休暇というのが大きな塊だ。

 

密集をなくすために ゴールデンウィークをなくしたらどうだろう。

 

 きっとみんなの休みが散らかって、これ以上のインフラ整備が要らなくなる。高速道路や、新幹線網、もしくは無駄な電車の本数を準備する必要がなくなっていくのではないか。ANAもJAKもピーク設計をしているから、飛行機が陸に寝ていることになる。こんなバカなことはない。

<渋滞の高速> 

 日本には、みんなと一緒でなければ休めないという考え方が根底にあるから、容易ではないだろう。しかし、新型コロナを理由に「やろうと思えば出来る」という経験を、僕たちは、今(2020年)に実践している。体験している。できないわけはない。

<込んだ新幹線>

 各自で“自由な一週間”を休むということにして、ゴールデンウィークの休みをすべてなくしてみたらどうだろう 。昭和の日、みどりの日、その振り替え休日をなくし、憲法記念日と子供の日を、どこかの日曜日に置く。そうすれば、連休という休みの連鎖をなくすことができる 。

 休暇は、各職場、各職域で個人単位で、計画的に、年初に予定を立て、分散して一週間、もしくは 10日間の、または二週間の休みを計画的に取っていく。それによって、日本列島の大渋滞は、うんと小さくなるはずだ。 トータルのエネルギーロス(人的ロスも含めて)が、ウンと軽くなるのではないかと思う。

<満員電車の通勤>

 おそらく、こんな奇天烈な考え方を実行できるのは、このコロナヴィールスの大波を利用するしかないだろう。そうでなければ、日本は、自分たちの作り出した密集から逃れることは永久にできないだろうと思う。

 

子供たちのために、よく考えてみてください。

 

 

 


地球はリセットされようとしている? By Covid-19

2020-04-26 | エッセイ

 

 

<RESET by Michele Arbergamao in Italia FB Share>

 

 地球という人間の住める唯一の環境は、度重なる人間の暴挙によって破壊され、最終的には、新型コロナヴィールスによって、とどめをさされるのかもしれない 。

<地球上のコロナの広がり 4.23.2020>

 2007年に発表した第 4 次報告書に、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は 、「温暖化は疑う余地がない」と断定した。そして、大気や海の温度の上昇、南極や北極での氷や氷河が減少、海水位が上昇していることなどを証拠として挙げた。そして、「20 世紀半ば以降に観測された世界平均気温の上昇のほとんどは、温室効果ガス濃度の増加 によってもたらされた」とコメントした。

<CO2の排出トレンド>

<気温の上昇>

<スイスで見た、溶けた氷河の後の水たまり>

 

 ここまでのいきさつを個人的な経験も含めてまとめてみると、こんなものになる。

・シベリア永久凍土の融解 1970目視で確認

・南極オゾンホールの出現と拡大 1985~

・グリーンランドの氷床の融解 1972~ 2019は1980の6倍の速さで溶解

<地球のクーラーの役割を果たす海洋深層循環のトリガーはグリーンランドの氷だった>

・海水温の上昇

・乱暴な気象:大型台風 19号東北に上陸

・北極の海氷の融解 2000~、

・南極の氷の大規模な融解

・山火事オーストラリアやカリフォルニアの頻発

・魚業林業資源の世界的な枯渇

・凍土氷解による メタンガスの噴出

・山焼き アマゾンの森林を燃やす

・森林伐採で酸素を失う (東南アジアの森林の丸坊主にしたのは、日本)

・人間の二酸化炭素の排出

・化石燃料の大量使用

・オーバーツーリズムで、自然破壊

・人間の過食(日本:食べ物で遊んでいる 大食い競争ヤメロといいたい)

・海洋のマイクロプラスチックの存在:魚にまで影響を与えている

・漁網にかかったクジラ、アシカ、アザラシ、亀など

・調査捕鯨と騙ってのクジラの大量捕獲

・熱帯魚の北上:もともとは居なかった熱帯魚が 駿河湾にいる

・サンゴの白化 :沖縄、オーストラリア

・PM2.5を高める中国

・季節感の喪失:日本で、春夏秋冬がなくなった。夏と冬がほとんどだ

・格差が広がり、それに従って 個人へのインパクトが変わってきている

・自国主義が蔓延して、世界全体(インターナショナル)の協調が壊れた

などなど。

 

 方や、忘れてはならないのは、地球は人間のみの生活環境の提供者ではない事実。ほかの動物たちも、植物たちも生きている。

 地球を作られたスーパー・パワー(キリスト教の神でも、イスラムの神でも、仏教の仏でもなく、もっと大きな宇宙の創造者)は、懲りない、身勝手な人類を懲らしめるため、今回の新型コロナヴィールスという秘密兵器を人類にむけて、放ったのかもしれない。このヴィールスは、物理的に人間関係を破壊し(隔離)、社会とコミュニティーを崩壊させている。

 人類の尊大な活動が1950年のレベルにまで戻れば、地球は安全なものに、復帰する可能性を残しているといわれている。自然には治癒力があると証明されている。

<人がいなくなったゴールデンゲートに野生のコヨーテが>

 この逆境を皆さんは、どうお考えですか? まずはご自身が汚染されないよう、行動してください。


新型ウィルスとイタリア人

2020-04-12 | エッセイ

 中国から始まった新型コロナウイルス(Covid-19)のイタリアにおける蔓延は、個人的に悲しいことだと思っている。とても心配している。感染者に対する死亡率が12.5%(4月6日現在 死亡者16,523/感染者132,547))なんて、べらぼうに高いレートだ。

 僕は若い頃、2年程、ミラノに住んだことがあるある。今でも親しい友達がいる。この前までは二人いたけれど、今は一人になってしまった。心はイタリアへ常に向いていると言ってもいいかもしれない。

<住んでいたアパート>

 彼と最後に会ったのは、3年前。亡くなった奥様と三人一緒に、2016年にコルソ・ブエノス・アイレス通りで、昼飯を食べたのが最後だ。

<コルソ・ブエノス・アイレスのテラス>

 その後、奥様を亡くしたエミリオは、今一人だ。だが幸いなことに Facebookで、彼の姪っ子に出会うことができた。だから結果として、ミラノの情報は僕に届くようになっている。

 彼らにはコロナは感染していないようだけれど、家に閉じ込められて、自由に動くことができないという不自由さは味わっているようだ。

 中国で発生したコロナウイルスが、なぜイタリアに入り込んだのかは定かではない。しかし最近、イタリアと中国との付き合いが深くなってきていることも事実。中国の「一帯一路政策」にイタリアが乗ったようだから、中国との人の出入りは多くなったはずだ。本当にそれが原因かどうかは、わからない。

 個人的に今回の新型ウィルスの感染のアウト・ブレイク(オーバーシュートは和製英語)の原因を考えてみると、思い当たる節が結構あるある

イタリア人は一般的に、

・とにかく人が好き大好き

・家族が大好きで、大切にしている

・3世代くらい一緒に暮らしている 同じ建物の上下左右に纏まっていたりする

・マンマ(お袋)が大好き。結果的には胃袋を掴まれている。

・バールが好き

<Bar>

・友達とのおしゃべりが大好き 男でも女でも

<おしゃべり>

・挨拶は普通、バッチョ複数回

<頬へのキッス>

・週末には、家族や血縁を集めて一緒に食事をする

<家族で食事>

・バールでは爺達が必ずテーブルを囲んでカードゲームを楽しんでいる

・サッカーの試合などは、多くの人が集まってワーワーキャーキャー言いながら、

一緒に試合を見て、喜びと悲しみを分かち合う癖がある。

<ユウロカップのパブリックビューイング>

・日本の学生には想像できないことがある。

 例えば、僕の知っているミラノ国立大学に通っていた学生の故郷は、ベルガモの山奥の谷間にある小さな村。しかし彼は必ず、時間と金をかけて毎週末、その村に帰っていた。家族に会いに行くのだ。一緒に食事をするためだ。かなりの無理をしてでも、遠くまで帰っている学生もいるようだった。ミラノから、シチリアまで通っている学生をTVで見たこともある。

<週末田舎に帰る>

・故郷の村や町が大好き 世代を超えた知り合いがたくさんいる

 こんなに、近い人との接触を持っているのだから、コロナウイルスの餌食になるのは容易いことだ。ウィルスにしてみれば、必ずしもイタリア人を狙っているわけではないが、感染を拡大するにはぴったりの民族だと言ってもいいだろう。同じことはスペイン人にも言えるようで、フランス人にも言えるけれど、ちょっとクールだと思う。

 こういうことが原因で、濃密な接触のたくさんのチャンスがあるのだと思う。今後どうなるのか分らないけれども、とても心配している。

 僕の親友は85を過ぎているが、最近まで2週間、サンモリッツに近い別荘で、スキーを孫達と楽しんできたという。素晴らしいことだ。長生きしてもらわなくては困る。

 

 僕がミラノに住んでいたころ、僕がイタリア人に大きな影響を受けたことは否めない事実。それは「仕事」と「家庭」のほかに、必ずもう一つ「別の世界」を持っていて、いわば3拍子のワルツのリズムを持っているということに、影響されたと思う。日本人には考えられない人生の送りかたではないかと…。

 日本に帰国して以降、できるだけ「三つの世界」を持つという努力をしている。早期退職前の「三つ目」が、セカンドライフの「仕事」になった。かわりに、ボランティア活動が其の後の「三つ目の世界」になってくれた。心のバランスをとるには三拍子が とても良いと思っている。

<三つの世界を持つ>

 定年退職をして家にいると、日本人は家という一世界にしか存在する場所がない。結果、家族に疎まれ、居場所を探してウロウロする。こんなことを考えると、僕にとってミラノは、第2の心の故郷と言えるだろう。

 僕のオブザベーションが正しければ、なかなかコロナの襲撃をかわし切るのはイタリア人にとっては難しいのではないかと、残念ながら思っている。それはまるで国民性もしくは民族性、そのものだからだ。悲しい状況は、毎日のテレビが教えてくれる。友達の様子は、姪っ子が Facebook で教えてくれる。僕の様子も友達には姪っ子経由で伝わってると思う。

 今、願うことは、友達のエミリオが無事でいてくれることと、姪っ子のエミリアーナが元気で仕事をやっていることを、遠くからで祈っているしかない。

 神様はコロナウイルスによって、傲慢な人間という動物を懲らしめようとしているのではないかとさえ、僕は思っている。神様にとって、動物は人間だけではないのに、他のことを考えずに好き勝手をやっているのが、人間という動物だからだ。

 こんなことを考えてコロナのことを見ている。いつ、僕の順番が回ってくるかは、まさに神のみぞ知るだ。ところで、僕の言っている神は、キリストでも、おしゃか様でも、アッラーの神でもない。広大な宇宙に一つしかないこの地球を作った「超越した意思」だ。


アルプス越えの旅 #3

2020-03-29 | エッセイ

 

<アルプス越えの旅マップ>

 

⑤ザルツブルグ→ 160㎞ ⑥ミュンヘン→ 130km ⑦フッセン→ 50㎞

⑧ツークシュピッツェ(標高2886m)→ 180km ⑨サンモリッツ(標高1700m)→ 180km ミラノ

 

ミュンヘン

<ドイツのアウトバーン>

 ザルツブルクを出ると、いよいよドイツ・ミュンヘンへの旅。オーストリアから繋がったアウトバーンを、僕の車で走りました。僕の車は最高でも160キロ位しか出ませんから、アウトバーンでは右の1番端っこをコソコソ走ることになります。前にトラックがノロノロ走っていたりして、どうしても追い越さなくてはならない時にはしょうがない、勇気を振って、もうこれ以上踏みつける余地ないところまでアクセルを踏み込んで、やっと追い越すことができます。追い越せたら、すぐ走行車線に戻るっていうのが鉄則です。

 イタリアの高速道路でも同じでしたがドイツは、もっと平均スピードが速く、追い越し車線を走っている時に、ピカッピカとパッシングライトをバックミラーで見たら慌てて走行車線に戻ることになります。さもないと彼我のスピードの差は100キロくらいですから、あっという間に後についています。当然のことながら、慌てて道を譲るということになるわけです。だからアウトバーンを走る際は、前を見ていることは重要ですが、それよりもバックミラー見て高速の車かどうか、どういう形の車かを見極めます。これは早い車だと分かったら、とにかく走行車線に逃げ込むということが大切です。

 この時、アウトバーンを走っている間に大きな事故を目撃しました。ザルツブルグへ向かう対向車線での事故で、巻き込まれた車の台数は数えることが出来ませんでした。まぁ50台以上の車がクシャクシャになって、僕の反対車線に止まっていました。何しろ200キロ近いスピードを出している車が事故を起こせば、当然突っ込んでくる車も多いでしょうから、こうなるのは当たり前ともいえます。日本とは全く違うわけです。

 僕はミュンヘンまでアウトバーンを走ったのは、実はミュンヘンに行きたいからではなく、速度制限のないドイツのアウトバーンを走ってみたいという希望からでした。それにしては、車がボロすぎた(新車ですが)といえるでしょう。

 僕の目的地は、ミュンヘンから南西に降って、最終的にはフッセンと言う小さな村に行くのが目的でした。ミュンヘンからの道は、アウトバーンとは違って、穏やかでした。

 

フッセン・シュバンガウ

<フッセン>

 南部ドイツの豊かな田舎道を、100キロ位で運転していたわけで、緊張する事はありませんでした。だから周りの穏やかな風景を楽しむことができたと思います。

 フッセンに行く目的は明確でした。映画チキチキバンバンで有名になったノイシュヴァンシュタイン(新白鳥の城)城を訪れることでした。これは、狂人ともいえるリフィアルト・ヴァーグナーとバイエルンの最後の皇帝、ルードヴィッヒ2世との友情の塊であると言われている城です。映画にも何度も出てきて、皆様もその姿を見てアー、この城だったら知っていると思われる、あの美しい城です。

 

 フッセンに宿を取ったのは“チンマー・フライ”(部屋、空いています)と言う看板が出ている民宿を見て、ペンションの感じ、周りの環境を見たりして、その場で宿を決めました。 実は、ここで重要なことが起きました。それは僕のかみさんが白ワインの味に惚れ込んで、その後、白ワインを僕と競うように飲むようになったことです。民宿のおばさんが、2人で気持ちよく飲んでるのを見て、笑っていたのが忘れられません。結果、その後の僕の家の白ワインの消費量は、突然倍に跳ね上がったわけです。おそらくリースリングだったと思うワインで、僕にとっては他のイタリアやフランスのものに比べると少し甘ったるいものでしたが、その時はよく冷やして楽しんでいたのを覚えています。

<ノイシュヴァンシュタイン城>

 この辺のことを、現地ではシュバンガウ(白鳥の地区)の名前でよんでいました。麓から丘の上のノイシュバンインシュタイン城までは、車ではなく観光用の馬車に乗って城の門まで登ります。高い岩山の上に立ち、まさにロマンチックで、裏には大きな湖、アルプ湖が見える環境としては最高なところにあります。

 狂気のルードヴィッヒによって、宮廷劇場の舞台美術の画家、ヤングに設計させたコンクリート製の城で、古くからあるドイツの石積みの城とはまったく違うものでした。過度のデコレーションに囲まれ、本当の城としては使える代物ではなかったようです。

<建築途中のノイシュヴァンシュタイン城:19世紀末>

 驚いたのは、キッチン。食堂から2階ほど下の岩盤上にあり、調理場でクックした料理は、エレベータのようにロープで食堂まで釣り上げるという構造になっていました。 

 

ツークシュピッツェ

<ツークシュピッツェ> 

 フッセンを充分楽しんだあと50キロ位走って、次の目的地ツークシュピッツをめざします。ツークシュピッツ山は、ドイツ最高峰で2962m。ここに行くには、まずはエールバルトに車を止め、そこからケーブルカーで1時間ちかく掛かってツークシュピッツの頂上に着くことになります。

 今はEUの参加国なので、オーストリアとドイツの間の国境には何もありませんが、その頃はまだ独立した国でしたから、山頂に国境の事務所があり、ドイツ側からオーストリア側への国境渡るとき、オーストリア側からドイツ側へ帰るときにはパスポートチェックがありました。

 

サンモリッツ

 この後は180キロ程走って、何度もいったスイスのサンモリッツに向かいました。

 これまでヨーロッパで事故は起こしたことがなかったのですが、オーストリアからスイスへの国境の一つ手前の村で、その頃のNSU、今のアウディの前身のバンケルエンジンの新車に、僕は後から軽くこすってしまいました。ブレーキが間に合わなかったのです。幸い、細い道で、スピードは出ていませんでした。

<サンモリッツ>

 運転していたのはドイツ人で、ドイツ・ナンバーの車でした。彼はそこで車を止めて警察が来るまで待つと主張しました。カルタ・ヴェルデという国際保険にサインをすれば片付くのに、警察がくるまで待つというので、交通を遮断したことになりました。そのため、この細い道は大渋滞となり、両方から車がつながってしまいました。バスの乗客などは、窓を開けて何が起きたのかと僕たちを見ていました。

 が、そこにイタリア人がバスから降りてきて、僕の車はミラノ・ナンバーだったので、ミラノの「友達」として助けてくれました。ドイツ人にドイツ語を話し、僕にはイタリア語で対応して、この事故は保険証があればサインだけでOKだよということになり、問題は解決しました。やっと渋滞も解消しました。

 非常に国際的な事故となりました。ドライバーは日本人、相手はドイツ人、場所はオーストリア。通訳してくれたのはイタリア人と言うことで、日本ではちょっと考えられない面子が揃ったということになりました。この件で一番感謝したのは、そのバスの運転手さんでした。彼は僕のナンバープレートがミラノのだというのを見て、わざわざ降りてきて助けてくれたわけです。一応、僕をミラネーゼと認め、窮地を救ってくれたのです。感謝です。

<ホテルラウディネッラ>

 何度かミラノからサンモリッツには行っていたので、泊まるホテルは、安くて気持ちがいい、ラウデイネツラ(昔はこの名前ではなかったような気がします)と決めていました。この時、サンモリッツで、かみさんに何をしてあげたかは正確な記憶はありません。恐らくセガンチーニ美術館や、ピッツ・ネール(3056m)に連れて行ったと思います。

<ピッツネール>

 

ミラノへ

 

<コモ湖>

 後は高速化されていなかったカーブだらけのコモ湖畔の一般道を走りレッコ、コモからは高速でミラノに帰ってきました。

<Fiat 850s よく走りました>

 この旅で感じたことは、ヨーロッパアルプスは、日本アルプスとは全く違ったスケールのものだということと、光の量が北と南で雲泥の差があるという事実でした。