M.シュナウザー・チェルト君のパパ、「てつんどの独り言」 

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地球が壊れていく

2020-06-28 | エッセイ

 COVID-19と人類との関係をみていたら、俄然、地球の状態を知りたいと思った。従来から異常気象、氷河の融解、海水温の上昇、島嶼国の水没懸念、アマゾン川流域の乱開発、南極の氷の融解、オゾンホールの拡大などは気に留めていた。

<エコノミストの寓話の僕の受け止め方>

 英国のエコノミストが風刺画に描いた絵と違って、コロナは人間への挑戦だと思うようになった。そのアラームを出しているのは誰なのか? それはよくわからない。僕が、スーパーパワーと呼んでいる彼は、宇宙を作り、地球を作り、地球の何十億年の変化に関わった当事者、創造者だと思っている。

 いろいろなキーワードが気になったので、読んでみることにした 例えば 「人新世(アントロポセン)とは何か」などから始まった。

 

 現在は、人類中心の世界つまり、アントロポセンの時代に位置づけられている。特に1950年以降 「グレートアクセレーション」が顕著になり、人類の活動が、地球そのもの、及び地球の全ての生物(生き物)に与える影響は大きいことが明らかになる。地質学・地層学的に見て、人類が地球の存続に強い影響を与えていることは確実。たかが人間なのだが、地球にとっては厄介な動物のだ。

 

 1950年以降の人間の活動が地球に異常をもたらしたことは、データとして非常に明白だった。人類がこの事態を認識して、この傾向をいかにして遅らせるか、もしくは昔のレベルに戻すか、ないしは現状維持的な平衡をたもって、地球と共存していくかという命題だと考えた。

<グレートアクセラレーション:全体像>

 

「グレート・アクセラレーション」(Great Acceleration)による、地球に対する大変化を見ると、これは誰もが想像できるように、20世紀後半からの人間活動の状態、爆発的な人口状態の当然の結果と考えられる。

 関連するデータを 探してみると IGBP:地球圏・生物圏国際協同研究計画(International Geosphere-Biosphere Program)が明らかなデータを提示していた。

 人間は、地球環境のすべて、海とその沿岸、大気、土地に大きな影響を与える存在として証明された。端的なインデックスの、二酸化炭素濃度は自然の状態に対し、1000倍のスピードで増えている 。

 化石燃料の使用→二酸化炭素→地表温度→海水の氷の状況→海面上昇→気候という連鎖もって現れている。さらに、窒素酸化物、硫黄酸化物を排出すると知られている。

 現象としては、大気循環、海洋循環、気候、炭素循環、窒素循環、水循環などの循環への変化、海氷の変化、海面の変化、更には生物多様性、汚染、健康、海の資源などに影響を与えている。メタンガスの濃度、オゾン濃度、温度、海洋の酸性度、海の資源や熱帯林の減少といったかたちで、地球そのものに大きなインパクトを与えていること確認できた。

 人間が全地球の環境に責任を負うという自覚がこれまではあまりなかったのではないか。大反省だ。ちょっと遅すぎたかもしれないが。

 データをグラフで見てみよう。

<都市人口>

<エネルギー使用量>

<水の使用量>

<海外旅行>

<二酸化炭素排出量>

<メタン排出量>

<地表温度>

<成層圏のオゾン量>

 これでは、本当に地球が壊れてしまう。生活を変えるのは今が最後のチャンスかもしれない。

 ちなみに、アメリカの進化生物学者ジャレド・ダイアモンド教授は、こんなことを言っている。“コロナのほかに、人類が絶滅する可能性をはらむ危機は、他に4つもある。1. 核戦争、2. 気候変動、3. 資源の枯渇(魚、森林、きれいな水など)4. 世界の不平等だ”。

 怖いのは、“温暖化では即死しない、が盲点”だとか。日本で言う、「茹でガエル」の状態なのだと思う、人類は。

 皆でブレーキをかけるしかない。グレタさんが語り始めたように、この問題の当事者は、申し訳ないが、今の若者なのだ。お年寄りが語っても、変革のためのエネルギーが足りない。若い人たちが現状を知って、今後、地域、国、地球への積極的な干渉を行っていくしかない状態まで、今の大人たちは地球を損なってきている。GDPの増加が、最大の目標であった世界は、もう生き延びられないのだ。

<GDP>

 若い英知で急ごう、生活の基本の変更を!

 

 逆説的だが、COVID-19によって、地球のCO2の排出量は、劇的に減ったという証左もある。やれば、やれるということなのだ。

<CO2の排出量はコロナで減った>

 

 

参照:データは、下記サイトよりお借りしました。

IGBP: http://www.igbp.net/globalchange/greatacceleration.4.1b8ae20512db692f2a680001630.html

               License: CC Attribution-NonCommercial-ShareAlike License

新たな地質年代、人新世(アントロポセン):http://10plus1.jp/monthly/2017/01/issue-09.php


クラプトンを聴く

2020-06-14 | エッセイ

 本当に久しぶりにテレビを集中して見た。1時間半もテレビを見続けることは、ほとんどない。番組はエリック・クラプトンの1時半間半のライブだった。

<クラプトンのライブ・ビデオ>

 終わって気が付いたら、珍しく興奮している自分がいた。幸せな時間だったのだ。

 みんなも知っているように、彼は1945年生まれのイギリスのロックシンガーだが、自分で作詞作曲をしているタレントだ。僕より3歳若い74歳くらいだけれど、非常に精力的に活動してるようだ。今回は20回目の日本公演だと言う。しかも武道館でだ。

 聴いててすごく感じた事は、ジャズの影響を受けているなということ、この人のバンドには黒人のボーカルが絶対に必要なことなどだった。もちろん彼のギターのテクニックは素晴らしく、圧倒的で再度、惚れてしまった。

 僕がクラプトンに出会ったのは、彼の最盛の頃、1970年代。その時、まだこの世に生まれてなかった新しいファンも、このライブに来ていただろうと思う。彼らにとっても、クラプトンの曲は、彼らの心に訴えるものがあったのだと思う。熱狂的に応援をしている若者もいた。いい音楽を聴くと、耳が、心が柔らかく、温かくなってくる。

<ギターを弾くクラプトン>

 ジャズのセッションのようにアドリブも入って、ピアノやドラムスが、自分のパートを自由に、しかし全体を考えながら弾いていて、素晴らしいと思った。バンドの中心はやはりドラムス。そのドラムス担当が話していたけれど、今回クラプトンのバックをやると決まった時、クリプトンの全盛期のオリジナルの演奏を学ぶため、当時の演奏者に音を聞かせてもらって勉強したようだ。プロの魂を見た気がした。本当にバンドでは、ドラムスは非常に大切なパートだと思う。

 クリプトンが話していた、同じ曲でも、同じ演奏は2つと無いと言う言葉に、納得してしまった。確かに楽譜は1つしかないけど、その曲を、今、感じて、今の自分が、今の感覚で演奏するわけだから、彼が言っていたように、同じ曲でも2つと同じ演奏はありえない。これは真実だと思う。

 これは単にクリプトンのジャンルだけではなく、ピアノでも、オーケストラなどクラシックを含めて、他の音楽でも同じことが言えるのだと思う。たとえ同じ人が演奏していても、その演奏は一回しかないのだ。だからライブは、エディットされた商品として録音されたのとは違って、一回コッキリの生の音楽なのだと思った。確かに、生の演奏は一回コッキリなのだ。逆に、その瞬間の一回性を求めて、皆がライブに行くのだろう。

 今回の話でもう一つ良かった事は、日本の有働音楽事務所と、彼が長い付き合いをしていると言うことだ。これなくしてはこの33年間もの日本公演は成り立たなかったと思う。こういうのを「入れ込んでいる」というのだろうなと思う。

 彼らが移動するには、楽器の扱いの大変さもあり、必ずプライベート・ジェットでの移動という。彼ら、バンドのメンバーは常にクリプトンとともに、ほかのメンバーとともに24時間を過ごしているだという側面も知ることができた。プライベート・ジェットの利用の必要性も知った。

 話は変わるが、クラプトンの英語は、僕にとっては米語よりもはるかにわかりやすい。それはイギリスの英語だからだ。僕の年代に英語を勉強した人間にとっては、やはりイギリスの英語のほうが分かりやすいと思う。

 クラプトンの歌っているのを、自分で作詞の言葉も聞き取れる。楽しくなる。やはり音楽は、人種を超えて共通の世なのだなぁと思った。

<ヴルシュトとサワークラウト、ベイクドポテト付き> 

 こんなに興奮した時間を過ごしたその夜は、夕食は久しぶりのヴルシュトとサワークラウト、ベイクドポテト添えのドイツ料理(?)だった。ワイン付の素晴らしい夕食となった。

 素晴らしい音楽と、おいしい食べ物の2つ合わさって、素晴らしい3時間を楽しむことができたのは、やはりクラプトンのおかげだと言える。

<1970‘sの、クラプトンのCD>

 好きな曲と言うとWonderful Tonightとか、Tears in Heavenとか、Over the Rainbowなどが好きだ。歌詞を調べて、さらに読んでみようと思う。

 ありがとう、エリック!