M.シュナウザー・チェルト君のパパ、「てつんどの独り言」 

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山歩き その2

2021-09-26 | エッセイ

下記の山歩きについては、その1をご覧ください。

1.大楠山  2.箱根明神ヶ岳 3.碓氷峠見晴台 4.大山( 丹沢山塊)5. 野反湖 

6.伯耆大山  7.赤城山 8.那須岳 9.横手山

 

10.妙高山 2454m

 

 この山の麓にある赤倉スキー場には、かなりの回数行った。会社の契約寮が赤倉温泉にあったからだ。僕の記憶ではどういうわけか二度も妙高山に登っている。1度は計画通りの単独行で、2回目は一人の男友達と一緒のはずだったが、山を見て、彼が登るのをおりてしまった。結果として単独行X2なったわけだ。

 今は赤倉から妙高山の中腹まで、妙高高原スカイケーブル(1984年~)ができているらしい。 そして山頂駅から妙高山を登り始めるのが一番簡単な方法のようだ。

 僕の頃にはこのケーブルカーはなかったので、燕温泉経由のルートで妙高に登った。標高差1300m位を4時間ちょっとで登ったと思う。最後の山頂へのアプローチは、結構厳しいものがあったと記憶している。 そこまでのハイキングの感じではなかった。

 この妙高山は実は新潟県の山だが、普通は「北信五山」として黒姫山とか戸隠と一括りで、語られているようだ。 北信というのは北信濃の事だと思う。おそらく昔は北信濃の山並みの一つだと思われていたのだろう。

 遠景の写真を見ると、独立した火山であって、その火口の中心に残ったのが妙高山だろうと推測している。

 

11.白馬岳2932mから唐松岳2695m、五竜岳2814m縦走

<白馬岳(しろうま)>

 あれは大学を卒業して、2年ほど経ったころだ。

 一番古い友達と二番目に古い友達と三人での縦走になった。大学時代に少し山を歩いていた僕が、この山歩きを提案したのかもしれない。山は、自分の体が山に慣れるまでは、本当に苦しい。しかし体の調子が上がってくれば、頂上に立った自分が大きくなったようでうれしいものだ。

 目的は、白馬大雪渓を歩いてみたかったのと、不帰のキレットを含む唐松岳への稜線を踏破し、五竜岳を上り、できれば山の形の美しい鹿島槍を歩いてみたかったからだ。


 日程は、3泊4日(車中を入れると4泊)。時期は自ずと7月末。山の天気は大体7月末から8月初めが安定しているというのが、その頃の定説だった。最近はどうもそれも怪しい。安定していないような年も多いようだ。

<大雪渓:この写真を今の絵と比べてみると、雪渓が解けているのがよくわかる>

 初日は辛い登りばかり。新宿からの夜行列車(今はなくなった大糸線・南小谷行)を降りるなり、バスで猿倉へ。歩き始めて白馬尻をへて、稜線まで5~6時間というところだ。アイゼンを付けるのは初めてで、大雪渓のガイドに確認してもらって、雪渓に踏み出す。ガシガシと一歩ずつ、アイゼンの前爪を立てて雪の上を歩いていく。急な斜面の目の前の足元だけを見つめて、心臓の音を聞きながら、呼吸を整えながらゆっくり登る。

 標高差1500mはきつくて、僕に高山病のような兆候が出て、みんなの足を引っ張った。一番きつかったのは小雪渓当たりのガレ場。尾根には、何とかたどり着いた。更に白馬山頂まで30分くらいはかかる。白馬山頂に立って、やっと立山・剱岳が見えた。風がきつかった。その夜は、頂上小屋で、ドロのように寝た。

 2日目は尾根道で、僕の体調も整って、稜線に出れば快適そのもの。気持ちよく歩けた。天気が良く、遠くには剱岳が、眼下には黒部ダムが見える。さらに遠くには槍ヶ岳がその姿を見せてくれる。すこし風があった。

<不帰のキレット 1>

 やがて、不帰のキレットと呼ばれる最大の難所にきた。はしごや鎖がなければ、僕たちの腕ではどうにもならない岩場だった。不帰のキレットの最初は2700mからの標高差400mもの大下りだ。滑らないように慎重に下った。緊張した歩きとなった。

<不帰のキレット 2>

 下りきると、こんどは急な岩場の上りが立ちはだかる。「ラック」って声を何度も聞いた。耳元を小岩が吹っ飛んで落ちてくる。誰かが、浮石に気づかず小石を転がすことが多かったのだと思う。残念ながら、ヘルメットは付けていなかった。

<不帰のキレット 岩場>

 登りきって唐松岳だ。結構きつい後半だった。二泊目はこの唐松小屋。

 

<唐松岳>

 三日目は余裕。唐松から五竜を眺めながら、一度下り、そこからきつい上りで五竜山頂。鹿島槍を眺めてゆったり過した。

<五竜岳>

 次の日はもう五竜から遠見尾根を下って、その夜には新宿にいた。満足だった。

 

(後立山の縦走については、前に独立して書いたのを再校したものです。再度読まされた方には、ゴメンナサイです)

追記

 山歩きで、一番高いところまで登ったのは何所だろうか、と調べてみた。

<プラトーローザ>

 一番高かったのは、スイス・マッターホルンの足元、プラトー・ローザ3490mだった。ここへはイタリア側のチェルヴィニアから、リフトを何回か乗り継いでたどり着いたところだ。スイス側からは、ツェルマットからの登山電車で登ってくることができる。そして二番目に高い山は、何度も登ったスイス・サンモリッツのピッツ・ネール3057mだった。

<ピッツネール>

クレジット情報:不帰のキレットの3枚の写真は、「VideoResearch OpenCafé」さんの「第87回後立山連峰縦走Part2」より、作者の了解を得てお借りしたものです。

P.S.

ヨーロッパ・アルプスの足跡は「足で立ったことのあるアルプスの山」

にまとめてあります。参考までに。


山歩き その1

2021-09-12 | エッセイ

 僕は「登山」という言葉は使っていない。 ハードなイメージがあるからだ。 僕は「山歩き」と言っている。

 学生時代から結構、山歩きをしているが、楽ちんで楽しいものから、三泊四日のきつい山々を歩いたこともある。 思い出す山をいくつか書いてみたい。

 標高の低いものから、順に山を並べてみたらこうなった。

1.大楠山  2.箱根・明神ヶ岳 3.碓氷峠見晴台 4.大山( 丹沢山塊)

5.野反湖 6.伯耆大山 7.赤城山 8.那須岳 9.横手山 10. 妙高山 

11.後立山連峰:白馬岳、 唐松岳、五竜岳

 この他にも、高尾山~景信山 、蔵王・刈田岳などがあるが、今回は思い出深い11の 山歩きを記録に残しておくことにした。

 1.大楠山 241m

  この山は三浦半島の主峰であるが、あまり知られてないと思う。 京急の「安針塚」から登り始めて2時間 、頂上につく。 ここからの眺めは素晴らしい。 大島が見える。富士山が見える。金時山が見える。天城山が見える。房総半島が見える。結構楽しい場所だ。 帰りは反対側の芦名口まで降りて、京急のバスに乗ることになるなる。 日帰りの山歩きとしては、初心者におすすめだ。山を歩くという実感が湧いてくる。なぜなら車ではいけない場所だからだ。ここには、大学時代のアルバイト先の女の子たちや、大学のクラブの連中を誘って、2回ほど歩いたことがある。特に危険なところはない。

2. 明神ヶ岳 1169 m

 この山は隣に箱根大文字が焼かれる明星ケ岳を従えて、箱根の早川の谷を見下ろしている。 ここもハイキングのつもりで気軽に歩ける山である。アルバイト先の人たちとか、大学時代の部の仲間で登ったことがある。小田原から大雄山線の終点から歩き始めて、3時間ぐらいの道だ。 熊笹の中を登りきると、パッと目の前に箱根が開ける。富士山も見える。開放的な山だ。箱根を見下ろしながら、あそこが宮ノ下だなどと話をしていると、気持ちのいい風が吹き抜けて行く。ここも、初心者におすすめの山といえる。危険はない。

  1. 旧碓氷峠の見晴台 1252m

 碓氷峠の見晴台は、当然知られている場所だ。ここからは浅間山、離山、八ヶ岳も見えるが、特に素晴らしいのは、群馬県の岩だらけの妙義山が眼下にはっきり見えることだ。

 僕が歩いた道は、アプト式で有名だった登山電車で横川から登り、アプト式は単線だったから、上り下りのすれ違いの為の駅、熊ノ平駅で降りた。駅員さんに尾根への道を教えてもらい、トンネルを歩いて行ったことを記憶している 。そして右側の尾根に直登して、尾根を歩き、旧碓井峠に向かって旧中山道をたどったわけだ。 結構きつい登りで、道も良くは整備をされてない中を、ガサゴソ登っていった。右の谷底には霧積温泉があったはずだ。 妙義山を左に見ながら、尾根道を2時間ほど登って旧碓氷峠に着いた。最近はこのアプト式の線路の跡をハイキングコースとして開放しているので、こんな山道を登る人はいないと思う。

4.丹沢山塊の大山  1252 m

 僕が歩いた道はヤビツ峠から、大山までの一時間半ぐらいの上りの道だ。 ヤビツまでは秦野駅からバスが出ている 。帰りは阿夫利神社経由で、ケーブルカーで降りてきた。東海道新幹線に乗るたびに、大山を見て綺麗な山だなと思っている。

5.野反湖 1513m

 ここは山とは言えないが、人知れず静かに僕を待ってくれているロックフィルダムの湖だ。  女友達との思い出の地で、ここには計3回もやってきたことになる。野反湖まで登ってしまうと、新潟へ続く山脈が見えるだけだが、途中に左手に志賀高原の横手山が見える。いつだったか一人で5月に来た時には、まだ雪がダムの堰堤を埋めていて、目的のキャンプ場にはたどり着けなかった。 夏にしか、客は来ないところだ。静か。

6.大山(鳥取)1709m

<米子からの大山>

 僕のルーツは岡山県の蒜山なので、東京から飛行機で米子まで飛び、レンタカーで米子道を走って、蒜山 IC 経由で上徳山訪ねることにしている。

<南壁 夏 冬 蒜山の亀さん田舎暮らしよりお借りしました>

 大山は大山寺までしか行ったことはないが、ここで語りたいのは、大山が米子から見る山容と全く異なる、大山南壁を知ってもらいたい為だ。 米子から見えるのは、伯耆富士と呼ばれるように、富士山そっくりのおとなしい山に見えるが、南の方から見ると、想像できないくらい険しい山の肌が見える。これは大山のふもとの道を走っている時に見つけたもので、あまり知られていない山容なので紹介したかった。

7.赤城山 1826m

 この山も、大学の連中と二回ほど行ったことがある。一回目は夏。山頂には 早くも赤とんぼが飛んでいて、秋が近いと山が教えてくれた。大学1年の頃、その頃付き合っていた女の子と一緒だった。もう一度は真冬に赤城大沼にワカサギ釣りに行ったこともある。 テントを張ってコンロを跨いでいても寒くて逃げ出したこともある。なぜ、赤とんぼは山頂に集まるのだろうと、不思議な思いを今も残している。

8.那須山 1915m

 ここには会社の連中と一度。そして個人的に2度程登っている。もちろんケーブルカーを使ったから、歩く距離はほんの少しだった。 会社の連中とは、湯本温泉のホテルが貸貸し切り状態だったので、水中騎馬戦をやったりと馬鹿なことしたことを思い出す。那須の斜面は、相鉄が別荘地と売り出したが、あまり芳しくなかったようだ。 その理由は、結構、湿度が高いのだ。 だから高原とは呼べなかったのだろう。

9.横手山 2307m 

 最初は、始めてスキーを履いて三日目に、先輩に連れられて無謀に山頂までもロープウェイで登った。下りはスキーで降りてきた。 初心者だから、きっとボーゲンで降りてきたんだと思う。途中で片方のスキーを 流して、先輩に追っかけてもらった。 幸い誰かにぶつかって、ケガをさせるということはなかった。 でもやはり無謀な横手山だったと今でも思う。もう一度は夏。女友達とやはりロープウェイで山頂まで登った。 そこで見たのは日本の山ではなかなか見られない、レストランとパン屋さんが店開きをしていたことだ。 ヨーロッパの山では、山頂に立派なレストランや店があるが、日本では、ここでしか見たことはない。 聞くところによると、今もパン屋さんは営業しているようだ。頑張って欲しいと思っている。

山歩き その2(妙高山~)に続く。

 

P.S.

ヨーロッパ・アルプスの足跡は「足で立ったことのあるアルプスの山」

https://blog.goo.ne.jp/certot/e/b2039ec610d3db1d110558c192adae96

にまとめてある。参考までに。