ケパとドルカス

『肝心なことは目では見えない』これは星の王子さまの友達になったきつねの言葉。

日本にキリスト教が広まらないことを考える

2018年12月27日 | 示されたこと
宗教が自由な先進国で、キリスト教徒が人口の1%以下なのは、世界でも日本だけということは、結構知られていることだ。隣の韓国は30%いるし、中国では迫害されていても非公表ながら1億人はいるという。

私は牧師なので、終末期の大リバイバルはともかく、この置いてけぼりのような現状に、ついつい神の御心を考えてしまう。「なぜだろうか? 」と。

まず最初に思ってしまうのは、1549年(天文18年)にカトリックのザビエルが伝道を開始したことである。彼らは本来宣教が目的であるはずだが、同時に植民地化の野望を持ったスペインなど後押しを受けて、その先兵をも兼ねていたことである。実際日本に来た宣教師には、日本人を一段劣るように見下し、イルマンからなかなか司祭に取り立てようとはしなかった。
スペインに支配されたフィリピンの事情から、サン・フェリペ号事件絡みでいっそう明らかになったところが秀吉の逆鱗に触れ、長崎二十六聖人の殉教に至っている。

カトリック化が浸透しつつあった江戸時代に至って、幕府はさらに警戒し、鎖国までして徹底した大弾圧を決意した。貿易は多くの利潤をもたらすが、これを切らないことにはキリスト教を根絶できないことを悟って、幕府は鎖国まで行った。今も残る檀家制度もこの時のものである。これは戸籍のようなもので、全国津々浦々で実施されたこれは、つまり全国民が仏教徒にされたのだ。

このように、カトリックとの非常に不幸なつまづきが未だに大きく影を落としている。なにしろ遠藤周作の「沈黙」でもあったように、当初カトリックにとっても順調に見えた日本宣教は、結局は日本を強固な仏教国にし、大敗北に終わった。特に中心となっていた管区長代理フェレイラの転びは、到底受け入れ難かったはずだ。この時の迫害の歴史は、後々に至っても安易な気持ちでキリスト教に入ることを規制してきたはずだ。

かく言う私も十代の時、キリスト教に惹かれ熱心に通っていたのだが、沈黙を読んでしまい二の足を踏んだ経験がある。「命をかけて信じ、殉教できるか?」の内なる問いに、なかなかバブテスマを受けられなかったのだ。また入信のもたらす家族との断裂(お盆や正月、飲酒、地域社会、お墓、生活規範etc)も、孤立無援の十代の初穂には重荷であった。

さて、現代の話であるが、キリスト教徒が驚くほど少ない理由として、私の見方はこうである。「自分を肯定的に見ようとする」
たがら「日本人は罪がわからない」

最近のニュースでは、成田空港への利用者が二千万人を超えたそうである。外国人が日本に感じるものは、特別な国という印象だそうである。自然も食事も、おもてなしも、清潔で美しくおいしい。しかも何処に行っても安全で清潔でハイテクで正確で安全な乗り物の国だと言う。実は私自身も海外に出てみて、同様に感じている。ハイテクとかそういうことは北ヨーロッパに行けば変わらないが、全部ひっくるめてととのっている日本は、やはり特別な国だと思う。

そこがキリスト教にとって、現状では逆境なのだと思う。みんな路上にゴミを捨てない、待つ時はきちんと並ぶ、ルールを守って秩序正しい生活をする。外国人から聞いたが、車がほとんど通らない交差点で、赤信号になったら止まり、青になるまで車1台も通らないのに、ただじーっと青信号を待っている。「ショックだったぁ」と。そんな国民は見たことが無いらしい。

自分さえ良ければ・・・・はこの国では表だっては見えない。そのことが福音を拒んでいるのだ。罪の意識すら無いところにどうやって悔い改め、滅びを自覚し、救いを神に求めるのだろうか?
しかしどんなに私たち日本人が自己正当化し、自分たちには罪がないと思おうと、人は皆、罪人であるという原罪は真理であり実際なのだ。十字架のイエス・キリストを信じなければ、皆、滅びるのだ。

聖書を読むと、神の子イエスは、悔い改めを私たちに求められた。

"また、シロアムの塔が倒れて死んだあの十八人は、エルサレムに住んでいるだれよりも多く、罪の負債があったと思いますか。
そんなことはありません。わたしはあなたがたに言います。あなたがたも悔い改めないなら、みな同じように滅びます。」"
(ルカの福音書 13章4~5節 聖書 新改訳2017)

日本人が悔い改めるのは、きっと未曾有の困難が襲ってくる終末期なのだと私は思っている。首都圏の大地震、世界的な戦争、食糧自給率が世界でも最低のわが国が飢える、その時醜い人間の本性が表され、悔い改めるのだろうか。

私たちは普段から祈り、備えていきたい。



ケパ



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