信州に行くたびに、美しい自然に心がおどる。日本の背骨のように山が高く、私の育った中国地方の、山塊というか、お椀のような形とぜんぜん異なる。信州のちょっと高い山は、まだまだ真っ白い帽子をかぶったままだ。
特に私が感じるのは信州の水の良さだ。当然だが高い山ほど空気を冷やし、天雨をもたらす。蒸留された純水だ。信州の川はこの清らかな水の流れである。ところが私の住んでいる千葉県は、平野と丘陵が大半を占め、海抜500m以上の山がない日本で唯一の都道府県である。極端に言えば、幾度も繰り返し水を浄化し使用している。
ある時、思い立ってここ京葉地区で、桜で有名な近くを流れる川を遡って探検してみた。苦労して探し当てた水源地は・・・・・・なんとぐるっと囲って群れなす団地の汚水場であった。がっかりして帰ったが、それ以来、地産地消も大切だが、私は信州に行く機会あるごとに、必ずありったけの米と野菜を仕入れて帰ることにしている。美しい山河、清流あふれる水の国の産物は、そのきれいな水でできた最高のお土産なのだ。 ケパ