この映画はビデオショップに立ち寄ったドルカスが、めずらしく「観たい」と、たってのリクエストだったDVDだった。観てみるとすごくこころに残る映画だった。できれば夫婦の全ての人に、「一度は観てください」と言いたいほどの内容だった。
主演がメリル・ストリーブとトミーリー・ジョーンズと来たら、間違いなく秀作を予感させる名優ビッグ2だ。ストーリーとしては、31年もの結婚生活を経て、寝室が異なる家庭内別居状態の二人、そのことに妻はもう耐えられなくなっていた。そして最後の解決の望みを、ネットで探した専門医に託すという展開だ。
私ならDr,ではなく、まことの神に頼るが、しかしそれとは別に全員に一見をオススメしたい価値のある映画だと思う。映画の展開の途中、私にも思い当たることが多々あって、後悔で胸が少々痛いからだ。
それにしても「互いの心のすれ違い」はなぜ起こるのだろうか?ずっと先の妻の亡き後、考え続けていた。この映画ではまさにこの点を、複雑に絡み合ってもつれた糸をほぐすようにして暴いていく。暴いていけばいくほど、ほんとうに些細でくだらないことのばかりなのだが・・・・・。一つ一つが悔い改めずにはおれない数々なのだ。
【閑話休題/私のこと】
私はドルカスと結婚する時、以下の教訓を胸に刻んでいた。なぜなら、夫婦関係で成功することは人生で98%成功することに等しい。たとえ財をなし、社会で地位を得たとしても、そのことをともに喜んでくれる妻(=家族)なくして、何の成功だろうか?そんな成功は、私にとってはドブ(川)に捨てる類いのものだ。
一つ・・・・「夫婦げんかは避けられないが、必ずその日の内に仲直りをする。ベッドの中までは絶対に持ち込まない」こと。放っておくと、些細なとげでも化膿をはじめてしまい、最後は壊疽になって死に至る。テニスは勝負がつくまでは時間制限がない過酷さがある。しかし夫婦間はサッカー方式でいく。つまり「その日中に」という時間制限を設け、延長しても決着がつかねば体面を考えずPKでその日の内にけりをつけてしまう。夫婦は実に一つのからだであって、勝者はいない。
二つ・・・・「(家庭内別居も含め)一致のない結婚は幸な結婚ではない」こと。当初の愛が醒めたのは、相手から得ようとして得られず、その自分勝手な夢をあきらめられない未熟な自分があるからだ。夫婦間の問題はすべて50:50であって、どちらかに一方的な責任があることはあり得ない。まず自分を与えられなくて、何を望むのか?ただしそれは、人には出来ない。神に祈り続け、神の力によって可能となる。
三つ・・・・「(私は嘘について寛容な家庭文化の出身なので)どんな小さなことにも、決して嘘をつかない」こと。たとえ自分の人間性についての信頼を伴侶から得られなかったとしても、正直であり愚直であることの信頼は得られる。
四つ・・・・「できるだけ二人で行動し、四つの目で見て回る。」面倒でも時間と体験を共有しなければ、そこにズレが生じ、理解と一致は難しくなる。だから私たちはいつでも一緒に動くのが方針。やむを得ない時には、できるだけ途中で合流し、互いに違った時間の埋め合わせと話をする。努力無くして一致はないと思うから。 ケパ