matta

街の散歩…ひとりあるき

ごんごんごま、スズメの蝋燭

2012年08月26日 | 自然
LeicaM8.2/ apo-summicron 75mm

NOAHさん紹介の泉鏡花『二三羽 十二三羽』。
庭にやってくるスズメ親子などの、
愛らしい性、動きの観察が多く割かれた後、
このような文章がある。

「その気のついでに、…何となく、そこいら屋敷町の垣根
を探して(ごんごんごま)がみたかったのである。この名から
して子どもでいい。…私は大好きだ。スズメノエンドウ、ス
ズメウリ、スズメノヒエ、姫百合、姫萩、姫紫苑、姫菊のら
ふたけたとなへに対して、スズメの名のつく一列の雑草の中
に、このごんごんごまを、私はひそかに「スズメノ蝋燭」と
称して、内々贔屓でいる。」
「で、どこでも、あの、珊瑚を木乃伊にしたような、ごんご
んごまは見あたらなかった。」
「…瑪瑙で刻んだ、ささ蟹のようなスズメの蝋燭…」

この「ごんごんごま」「スズメの蝋燭」とはどんな雑草か?

おなじくNOAHさん紹介、野口武彦氏評論の一角では、
「『珊瑚を木乃伊にしたような』とか『瑪瑙で刻んだ、ささ蟹
のような』とか形容される形状からイグサ科のスズメノヤリで
はないかと想像されるが、むしろ鏡花の心頭に生い茂る幻想の
植物と見ておく方が余情があってよかろう」と。

でも、やっぱり気になる。
で、わたしはこのヤブガラシではないかと思う。
「珊瑚の木乃伊」「瑪瑙で刻んだささ蟹」のようで、
なにより小さなピンク色の燭台にこれまた小さな蝋燭が一本づつ。
スズメの宮殿の無数のミニチュア燭台付蝋燭だといえまいか…。
まだ蕾が多いが、ぜんぶが燭台付蝋燭になったらな豪勢スズメの宮殿だろう…。

コメント (5)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 一夜の縁 | トップ | ごんごんごま、スズメの蝋燭… »
最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (NOZH)
2012-08-27 05:01:06
mattaさと同じ意見が某ブログにもありました。

以下転載

六角文庫通信 rbunko.exblog.jp
http://rbunko.exblog.jp/12347370

改めて見れば、ほんとうによく出来た<雀の蝋燭>である。
ヤブガラシのその精巧な細工を教わったのは
泉鏡花の『二、三羽――十二、三羽』という作品。
実は緑色から、艶のある黒へ。当地で初めて見た。
ヤブガラシには何やら実のつく2倍体と実のつかない3倍体があって云々……
関東方面のは3倍体の由だから、鏡花は実は知らないだろう。

ゴンゴンゴマ再訪の足をのばして、竹林六地蔵まで。
農道にホオズキに似た実のぶら下がる草が群生。
ネットで調べるとヒロハフウリンホオズキ、北アメリカ原産の帰化植物。

昨日のスズムシ、今日のマツムシ。耳も秋を味わう。
http://pds.exblog.jp/pds/1/200909/15/55/c0028055_155845.jpg
返信する
ヤブガラシ (matta)
2012-08-27 07:00:33
NOZHさんへ

たぶんNOAHさんでしょうね。
キーボードでAとZは斜め隣。

たしかに。六角文庫通信さんの写真なら
いっそう燭台と蝋燭がよくわかりますね。
スズメの蝋燭はこれじゃないでしょうか。
これでありたいですね…。

岩波文庫『鏡花短編集』『高野聖・眉かくしの霊』
『夜叉ヶ池 天守物語』、お茶の水に出たついでに
購入してきました。…寝る前に読みます。
返信する
Unknown (NOAH)
2012-08-27 14:06:54
↓そうです。
NOZHはNOAHの内間違いです。
キーボードが曲がった状態で
打ち込んだみたいです。
返信する
鏡花全集 (NOAH)
2012-08-28 05:27:41
鏡花の本と云えば
UFOさんの
岩波書店 鏡花全集 全29冊 昭和48年

春陽堂  鏡花全集 全15冊    昭和2年
が残されています。
もしお求めならば奥様にご連絡ください。
その他
3 露伴全集 全44冊 岩波書店 昭和27年
4 荷風全集 全29冊 岩波書店 昭和46年
5 折口信夫全集 全32冊 中央公論社 昭和29年
6 三田村鳶魚全集 全27冊 中央公論 昭和51年
7 三田村鳶魚全集 全20冊 青蛙房   昭和31年
などもあるそうです。
返信する
鏡花全集 (matta)
2012-08-28 11:35:27
ありがとうございます。
しかしながらわたしには、そのときどきの興に応じ、
文庫本で読ませていただくのが妥当なところか、と。

ひととき金子光晴や安部公房、丸山真男全集など、
発行巻を待っては求めたことも…あるにはありました。
が、筆者には失礼ながら徐々に場所ふたがりになり、
ほかの本とともに、全処分をしてしまいました。
もはや単行本、文庫本で読める範囲でいい…と。

すべての持ち物が、あちらの世には持ち込めませぬ。
モーツアルト、JAZZオリジナルLPも、真空管アンプも、
ライカとそのレンズも同じ…
娘夫婦もその方面に関心がうすく後継者もおりませぬ。
返信する

コメントを投稿

自然」カテゴリの最新記事