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街の散歩…ひとりあるき

21雁門大守行 李賀(791〜817)……詩仙堂・詩仙の間

2024年06月21日 | 詩・小説
Leica M8.2/ summicron 35mm ƒ/2.0 first 田安門

21雁門大守行 李賀(791〜817)
黒雲圧城城欲摧  黒雲 城を圧して 城 摧(くだ)けんと欲す
甲光向日金鱗開  甲光 月に向かい 金鱗 開く
角声満天秋色裏  角声 天に満つ 秋色の裏(うち)
塞上燕脂凝夜紫  塞上 燕脂(えんじ)夜 紫(し)を凝(こ)らす
半捲紅旗臨易水  半(なかば)捲ける 紅旗 易水に臨み
霜重鼓寒聲不起  霜は重く 鼓は寒くして 聲起こらず
報君黄金臺上意  君の黄金臺上の意に報いて
提携玉龍為君死  玉龍を提携して君が為に死せん

甲光:兜の光、金鱗:金のうろこ、角声:角笛、塞上:要塞、燕脂:血の色、
易水:河北省を流れる川、紫(し)を凝(こ)らす:紫色に固まる、黄金臺上:
燕の昭王が黄金をつんで人材を招いた、玉龍を提携して:剣を持って
李賀■語句の清新さと難解は盧仝と併称される。

黒雲がのしかかって、城をおしつぶさんばかり
兵士の鎧が月光をあびて、金の鱗のごとき
角笛が空に響きわたって秋の気配のなか
城塞に流された赤い血は、夜に入って紫色に凝り固まり
紅野畑をなかば巻き、易水に望んで待てば
霜は重く、寒さに太鼓の音も凍てつくばかり
わが君の黄金台の恩に報いるため
王龍の名剣引っさげ君のために死のう
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