■乳貰ひは子に似て親の顔もや勢
乳貰いは子に似て親の顔も痩せ
子は飢え気味、親は気苦労で子に似て痩せ
■人お路か美人登ゐゑど皮飛とへ
人愚か美人と言えど皮一重
■なくよりもあわ礼捨て子の笑ひがほ
泣くよりも哀れ捨て子の笑い顔
■休うち太鼓亭あをく盆踊り
休むうち太鼓であおぐ盆踊り
盆踊りの休憩中、小さな太鼓が団扇がわり
■色免いた声に骨折宇たひの師
色めいた声に骨折る謡の師
■聞おじで二度目の高尾すなほ也
聞きおじで二度目の高尾素直なり
先輩高尾:仙台侯を振って吊し切りされる
後輩高尾:先輩高尾の例を聞き知っていて榊原侯の身請けに応じた、と
(読みほか参考...『画本柳樽全十編』江戸川川柳研究会)