Leica M8.2/ summicron 35mm ƒ/2.0 first 奥日光
23早行 杜牧(803〜853)
垂鞭信馬行 鞭を垂れ 馬に信(まか)せて行く
数里未鶏鳴 数里 未だ鶏鳴ならず
林下帯残夢 林下に 残夢を帯び
葉飛時忽驚 葉飛びて 時に 忽(たちま)ち驚く
霜凝孤鶴迥 霜 凝(こご)りて孤鶴迥(はる)かに
月暁遠山横 月暁(あかつき)にして 遠山横たわる
僮僕休辞険 僮僕(どうぼく)よ険(けん)を辞(じ)するを休(や)めよ
時平路復平 時平らかなれば 路も復(ま)た平らかなり
数里未鶏鳴 数里 未だ鶏鳴ならず
林下帯残夢 林下に 残夢を帯び
葉飛時忽驚 葉飛びて 時に 忽(たちま)ち驚く
霜凝孤鶴迥 霜 凝(こご)りて孤鶴迥(はる)かに
月暁遠山横 月暁(あかつき)にして 遠山横たわる
僮僕休辞険 僮僕(どうぼく)よ険(けん)を辞(じ)するを休(や)めよ
時平路復平 時平らかなれば 路も復(ま)た平らかなり
月暁(あかつき)にして:月は西に傾き、僮僕:童僕、険(けん)を辞(じ)する:危険だといことはない
杜牧■政論を好み、剛直。詩は晩唐前期の第一人者。
馬に鞭をあてることもなく、馬の進むにまかせる
数里進むもまだ、暁を告げる鶏も鳴かず
林下の家々はまだ夢を見ているのだろう
風に葉が飛んで、その音にときに驚く
霜は凝り固まり、一羽の雁が舞っている
月は西に傾き暁も近く、遠山が横たわる
童僕よ、危険などということはない
平和な時などそうあるものではない