matta

街の散歩…ひとりあるき

23早行 杜牧(803〜853)……詩仙堂・詩仙の間

2024年06月23日 | 詩・小説
Leica M8.2/ summicron 35mm ƒ/2.0 first 奥日光

23早行 杜牧(803〜853)
垂鞭信馬行  鞭を垂れ 馬に信(まか)せて行く
数里未鶏鳴  数里 未だ鶏鳴ならず
林下帯残夢  林下に 残夢を帯び
葉飛時忽驚  葉飛びて 時に 忽(たちま)ち驚く
霜凝孤鶴迥  霜 凝(こご)りて孤鶴迥(はる)かに
月暁遠山横  月暁(あかつき)にして 遠山横たわる
僮僕休辞険  僮僕(どうぼく)よ険(けん)を辞(じ)するを休(や)めよ
時平路復平  時平らかなれば 路も復(ま)た平らかなり

月暁(あかつき)にして:月は西に傾き、僮僕:童僕、険(けん)を辞(じ)する:危険だといことはない
杜牧■政論を好み、剛直。詩は晩唐前期の第一人者。

馬に鞭をあてることもなく、馬の進むにまかせる
数里進むもまだ、暁を告げる鶏も鳴かず
林下の家々はまだ夢を見ているのだろう
風に葉が飛んで、その音にときに驚く
霜は凝り固まり、一羽の雁が舞っている
月は西に傾き暁も近く、遠山が横たわる
童僕よ、危険などということはない
平和な時などそうあるものではない
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