問題の患者さんは10時過ぎに来院されました!・・・・59歳女性:一か月ほど咳が続くとのことでした。
気管支喘息で気管支喘息の吸入治療を継続しておられます。投薬は当院です。
上手くコントロール出来ていると思っていました。1か月ほど前から咳が目立つようになり、そして、4日前から37度台後半の発熱が続いている・・・・痰は出ない。周囲にインフルエンザ患者はいない。咳は喘息のせいだと思っていたけれど、長引くし、熱も出てきたので、しばらくぶりに来院しました(ここ数か月は家人が薬を取りに来られて、「お元気ですか?」「変わりないです」で済ませていた。)
胸部レントゲン撮りました。なんと、肺炎像が!!!ありました!!!提示した写真は違う方のものですよ!!個人情報漏洩できませんので でも、似たような淡い浸潤陰影が右肺に。ヒョットしてコロナ???
大慌てでマスク付けました!!(今更遅い!!) しかし、肺炎の割に熱も37℃台だし、喘息持ちの割に呼吸不全もないのです。
酸素飽和度も96%
胸部レントゲンって結構間違いの多い検査なのであります。一応呼吸器内科を自称しておりますが(専門医ではないです:持っているのは医師免許と普通自動車第一種免許、PADIオープンウォーター、電話級アマチュア無線技士(昭和の遺物)だけでございます)自分のレントゲン読影能力、常日頃から送り届けられた配送物の中身やお弁当のレントゲンを撮って鍛えてはいるのですが?
まあ、自分の胸部レントゲンの読影能力の限界は自信をもって低いと言えますので、近くの(いつも暇にしている)病院にCTを撮りに行ってもらう事にしました。電話をしたら、今すぐに来てもらっても良いですよ!!!何という素敵な(万年大赤字の)病院でありますことよ!!1時間ほどで患者さん帰ってこられました。
やはり、明らかな肺炎です。ここで最寄りの保健所に電話しました。
肺炎症状を呈している患者さんの事での相談です と、伝えると感染症課に・・・
症状を伝えると、そうですか、肺炎が確実にあるのですね。インフルエンザの検査はまだですか。それではインフルエンザの迅速検査をしていただいて、それが陰性であれば再度連絡してください。PCR検査に回します。明日の早朝に結果が出ます。検体の採取の仕方はかくかくしかじかで、検体は後程うちの職員が受け取りに伺わせていただきます。との何とも頼もしい返事をいただきました。
関東で話題になっている拒否的姿勢とは大違いです。奈良は素晴らしい!!
インフルエンザ検査と、新型コロナウィルス検査の綿棒やブラシを鼻腔に突っ込むついでに、マイコプラズマの検査も念のためにすることにしました。マイコプラズマの一般的な迅速検査は感度が低くて全くアテにならないのですが、富士フィルムのこのシステムは結構感度が高く、アテになります。59歳なので・・・・若者中心のマイコプラズマではないだろうとは思ったのですが、念のために施行しました。
インフルエンザの迅速検査が先に出て・・・・陰性でした。これがコロナなのか!!
保健所が指定してくれた条件は満たしてしまいました。
残りは、こちらが勝手に付け加えたマイコプラズマの検査だけです。15分・・・
長い15分のあと、ピーッと機械が鳴って・・・・・
陽性でした。
ひゃー、マイコプラズマだったの????
マイコプラズマ肺炎だからと言って、COVID-19が否定されたわけではありませんが・・・・
一応、肺炎を来す疾患が見つかったら、それによるものと考えて他の疾患の合併はひとまず考えないというのが・・・普通の対応なので・・・・・
保健所にインフルエンザは陰性でしたが、マイコプラズマが陽性でした と伝えたら、そうですか、それではその治療をして下さいと言われました。PCR検査はやんわりと拒否され、こちらも予想しておりましたので、文句など言わずに了承しました。
患者さんは、肺がんなどの合併がないかどうか精査のために大病院に受診していただくよう紹介の上予約させていただきました。
とりあえず、COVID-19ではなかったと思うのですが・・・・・
今回は違ったとしても・・・・いつか、いつか必ず来院されますよねぇ
そうすれば、必ず濃厚接触者になってしまい、14日間の休診をやむなくされてしまいます。
それ、相当に困ります。
外来は、まだ何とかなると思うのですが・・・・
在宅患者さん、代わりに往診してくれる医者・・・・・ごく少数なので・・・・
本当に多大な迷惑を掛けてしまいます。医者にも患者さんにも!!
いつか・・・・来てほしくないです!!!
お祈りするしかないのですかねぇ!!!!