新型コロナウイルス感染症の現状の評価と
国内のサーベイランス、医療体制整備
2020年1月22日
国立感染症研究所
国立国際医療研究センター 国際感染症センター
https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/corona/6-200122.pdf
まとめてみると、国際的には
武漢を中心に新型コロナウィルス感染症が急拡大している
感染源、感染経路など全体像はまだつかめていない 臨床像、治療法なども未確認
患者は成人主体であるが10歳の症例が1例、広東省で確認されている
国内対応
軽症例によって国内に新型コロナウイルスが持ち込まれる場面は
当然想定しておかなければならない。ただし、軽症例を含め、すべての新型コロナウイルス
感染症を検疫所や国内医療機関で探知しようとすることは、検査前確率が十分に高い確証
が得られない現状においては、現実的ではない。
よって、武漢市から十分な情報が得られていない現状において、最重要で対応をすべきは、
国内における重症の新型コロナウイルス感染症の探知である。
そうか!!国は、重症の新型コロナ感染症を見落とさないことが一番重要と考えているのですね。
だから、現在の診断基準では、バスの運転手さんも、ツアーガイドさんも最初の受診時では絶対に引っかからないはずだ!!
今後必要な対応
新型コロナウイルス感染症の治療指針:国内では、新型コロナウイルス感染症の重症患
者をできるだけ早く探知し、適切に治療ができる準備をしておく必要がある。武漢市か
らの情報が開示され次第、感染症専門医、集中治療医等の適切なメンバーで治療指針を
作成する必要がある。
感染管理:武漢市における院内感染についての情報が開示され、現行の感染対策を強化
する必要性が出てきた場合は、必要な文書を作成して対応する。
感染症法の類型に関する検討:武漢市やそのほかから得られる新型コロナウイルス感
染症の感染源、感染経路、重症度などの情報を、総合的に勘案して決定する。
市中の集団発生への対応:軽症例による新型コロナウイルスの国内への持ち込みによ
り、市中において、新型コロナウイルスの集団発生が発生することも想定し、その探知
経路とその対応について検討しておく必要がある。
医療機関における集団発生への対応:探知できていない新型コロナウイルス感染症を
発端に、同感染症が医療機関内で集団発生することも想定し、その探知経路と対応につ
いて検討しておく必要がある。
検査体制:現行の検査系では検査に時間がかかり処理可能な検体数が限られる。今後、
検査が必要となる症例が増加することが予想されることから、感染研で新たな病原体
遺伝子検査系の開発を進めていく。リアルタイム PCR 法による新たな検査系の開発に
成功した折には、地方衛生研究所、検疫所においても当該検査系が実施可能となるよう
に準備を進める必要がある。また、現在は検査に適した検体についての情報が乏しく、
検体採取の手引きにおいては多種類の検体を採取することを推奨しているが、今後、検
査件数が増えるに従って、検査検体の取り扱いが変更されることが考えられる。状況に
応じて、「2019-nCoV (新型コロナウイルス)感染を疑う患者の 検体採取・輸送マニュ
アル(1 月 22 日)」を更新する。
軽症患者が検疫をすり抜けることは「想定内」だったのですね。そして「集団発生が起こる」ことも想定内。
現在はバスの中で2人ですが、今後は、「機内」や「ホテル内」での集団発生が起こり得るかもしれませんね。
現在のところ、国内の日本人患者はいずれも軽症の様で、国の思い描いたように進んでいる?のかもしれません。お役人たちは、「もっとすごい状況」に備えているように思われます。
何とか、重症者が多発するような状況にならないことを祈るばかりです。