このところ続けて紹介しているDigiFi no.17パワーアンプ基盤(DF17)。 同誌から出ている、DF15,16,22付録基盤も卓上・PCオーディオに最適ですよね。
ただ、これらにオーディオ用として別売されているケーブルを使おうとすると硬過ぎたり長すぎたりで取り回しに苦慮することがあります。 また、オカルト的にいうと伝送距離が長くなることによる再生品質の低下(神経質レベルw)が考えられます^^; そこで今回新たにRCAケーブルを自作することにいたしました(*´Д`*)
■ RCAケーブル材料
・ 線材 : ゴッサム/Gotham GAC-3
・ RCAプラグ : アンフェノール/Amphenol ACPL-Cシリーズ
・ はんだ : 無鉛・銀入り(自称)音響はんだ
以前は某プロケーブル店に倣い、線材はベルデン、プラグはノイトリック(REAN)で作りました。 音質的不都合は全くないのですが、同じだと面白くないため気分をガラリと変えて見た目派手なプラグ+ゴッサムというこれまたゴツイ名前のケーブルをチョイス。
現状、多く使われているRCA(同軸)ケーブルというと、相変わらず機器付属の白赤プラスチックプラグのひょろいモノが一般的でしょうね…。 そこから一歩踏み出そうとすると途端に選択肢(価格・うんちく)が増えて『沼』といった状況…^^; 微力・駄耳なひよこながら、ケーブルレビューを兼ねて前評判無視で制作・試聴していきますよ!!
■ ケーブルの処理
このゴッサムケーブルに限らず、RCA用(ライン用)ケーブルの外皮は構造的に皮むきニッパーだけで剥くのは割と困難です。 慎重に行う場合は、外皮は工作用ナイフを使って剥き、構造によってはシールド/金属網も切るか撚ってまとめるかし、そのあと"被覆導線"を引き出してから皮むきニッパーの出番となります。 さらに中の撚線を1本も切断したくない神経質な場合も、これもよく切れるナイフで極浅く切れ目を入れて、そこをニッパー/ペンチで浅く噛んで切れ目を広げながら引っ張ります。
外皮を剥き、シールドの金属網を切断し、導線を出します。 ゴッサムGAC-3は、導線3本とその外周に金属網が囲っている構造。(シールドを撚ってマイナス/コールド/グランドの導線として使うことも一応可能) 通常、このような3芯ケーブルはバランス(XLR)結線をするためのもの。 RCAに使うのは2線だけなので1本は無駄になります^^; ですが、プラス/マイナス(交流電源ではホット/コールド)いずれかを複線束ねにすると音質が変わる場合もあるということで、私は今回プラスを2線束ねにしてみたいと思います。 (プラグ両端で違う線を束ねないように注意。 必ず、どの色の線を束ねるか目立つところにメモしておきます)
ちなみに、このゴッサムは内部導線もその被覆もメチャクチャ繊細…。 皮むきニッパーでむやみに挟むと中の細い銅線がブチブチブチー!!と逝ってしまいますので厳禁…(。。; よく切れるナイフでわずかに切れ目を入れてからペンチの刃のない部分で挟んで引っ張ります。
■ プラグの確認
プラグは最少でも端子部分と持ち手部分と2分割構造です。 物によっては保護チューブが付いていたり、ケーブルの出口にケーブル保持パーツが付いていることがあるのでこれらを確認します。 ケーブル組み立て時に通し忘れると作り直しなのでキチンと確認しましょう^^;←
■ はんだ付け
使用する『はんだごて』は温度調節可能&20W以上のモノを推奨。 使用する『はんだ』に表記された融点かそれよりも50℃ほど高い温度を設定します。
『はんだ』を引き出して『こて』にちょちょいと付けます。 弾かれたら温度が高過ぎるということなので濡れスポンジ/雑巾に押し当てながら行います。 でも『こて』の温度を高めにしておくと手早く、部材にダメージを与えること無くはんだ付けができるので慣れておきましょう^^;
見難いですが、接続状態。 『はんだ』は温度・相手の素材によって水の表面張力に似た作用を起こすことがあり厄介です。 プラグのプラス側端子の内側にあらかじめ『はんだ』を付けたりカケラを入れておくと、奥までしみ込んでしっかり固着できます。
マイナス側の処理。 マイナス側の"穴構造"のために銅線を楽に固着できるようになっています。 穴近辺までマイナス線の皮を剥き、穴に通した銅線を穴ごと『はんだ』で埋めてしまいます。
ハウジングを組む前に、プラス・マイナスに"はんだの橋"が架かっていないか確認します。 橋が架かって短絡していると異音・故障の原因です。 念のため間に絶縁物を挟んでもいいかもしれません。 心配性の私は熱収縮チューブを挟み込みましたw
気を付けるのは、2つ目のプラグ端子を付ける際のハウジングの通し忘れ…。 言わずもがな、はんだ付けしてしまうと最悪部材が修正不能になるおそれもあります^^;
■ 完成披露!!
今回は付録基盤オーディオDF15&16とDF17の接続のため、35cm長に仕立てました。 先のDF17の記事のようにコシのあるケーブル(BELDEN88760)だと周囲に邪魔になりますし、一般機器に付属のひょろいケーブルでも再生品質に(気分的)疑問が残ります(笑)
DF15&16&17につけるとこんな感じ。 ケーブルが硬過ぎずしなやかなので、物理的にも見た目にも邪魔にならず落ち着いた雰囲気になりました。 (でもやっぱりちょっと変w)
■ 音質(印象)変化
* 以下の"印象"は、プラス用に配線を2線束ねにしたものです。 (部材を使い切ってしまい、他の方法は試せていません)
気になる音質的変化。 DF15,16,17に対して使うと、『BELDEN88760+ノイトリック(REAN)プラグ』よりも低域音の押し出しが強くなりましたw 他、試しに1mを2本作ってSCD-XA5400ESとSC-LX83の接続に使いましたら、こちらも低域音の押し出しが強くなり、それとなぜかアンサンブルがキレイにハモるようになりました。
他の多くのレビューのように、フラットだとか高音域の清廉さ重視の場合はBELDEN88760を使用するのが良いかもですね。 個人的には、今回作ったモノのほうが割と音の細い傾向にあるデジアンに対して使うとバランスが取れて良さげな気がしました。 片や低音の押し出しが強い、片やフラットとは言っても、双方一長一短があるので、好み&気分によって変えるのがよろしかろうと思います(っ´ω`c)
ちなみに、これで材料費約1,500円でした。 (ケーブル:Gotham GAC-3 500円/1m、プラグ:Amphenol ACPL-C 260円/1個 ※工具・はんだ・送料・手数料は除く) 皆様も安くてこだわりのケーブルを是非自作してみてください、まず最初の1本はBELDENがオススメかなーと思います(* ̄∇ ̄*)
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