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ひよこ造船工房

納期遅れ常習犯の船大工。 猫画、オーディオ、たまに造船記♪ since 2008.11

続・ホームシアター構築の手引き スピーカー配置編

2018年02月06日 | ホームシアター解説

 

* LDKが連続したフロアの一例。 拙宅ではございませんw このような間取りだと音響は難しい…。

 

 

 

■ 鑑賞部屋はどんなタイプ?

 

 ・ 生活部屋の隅

 ・ LDK一間、リビングの一角

 ・ LDK一間、リビングをまるまる (左右の壁までの距離を等しくできる場合)

 ・ 6帖以上の専用ルーム

 

 お部屋のタイプごとのおおまかな指針。

 

 生活空間部屋、つまりベッドやデスクが混在する部屋や、LDKの隅にしかTVが置けない場合、サラウンド(後部)スピーカー配置は難しく、"サウンドバー"の導入が予算的にも最適です。 ただ、"AVアンプ"にはファントム機能といって、設置していないスピーカーの音を錯覚によって作り出すことが出来るので(これはサウンドバー一部上位機には類似機能がある可能性有り)、AVアンプ+フロントLR+センター(+Atmos、DTS:X用イネーブルドスピーカー)という構成も実はアリ。 後部音場は弱いですが省スペース化が可能。 他、こだわりの音楽鑑賞もしたい場合もサウンドバーよりはAVアンプかデジタル入力対応のステレオアンプの導入が吉です。

 

 1人暮らしまたはご家族の理解があり(?)、LDK一間続きでもリビング部がまるまる使える場合。(左右の壁までの距離を等しくできる&壁3面を自由にできる場合) この場合もAVアンプ+センタースピーカー+フロントスピーカー(+イネーブルドスピーカー)の構成が空間への音の満ち方が断然違います。 小さいお子さんが居るのでなければ転倒による重大事故の心配が少ないため、フロア型スピーカーを鑑賞席の後部に置いてサラウンドとすることもできます。

 

 …ちなみに、自宅で実験的に四畳半間でAVアンプ+スピーカー5chを鳴らしてみたことがありますが、圧迫感がものすごくて音場再現どころではありませんでした^^; 個人の趣向ではありますが、個人意見では6帖未満でAVアンプの5.0ch実スピーカー設置はやらない方がいいと思いました。

 

* 各部屋形状の感覚は、行きつけの家電店での試聴と、その際に訊いた他顧客感想も参考にしたものです。

 

 

 

■ 専用ルームを用意できる場合

 

 いよいよ真骨頂。 専用ルームを用意できる場合ですね。 もちろんご予算的な問題もありますので、サウンドバー、ともすればテレビスピーカーであっても全然OK。 ステップアップしたい場合にということです^^;

 

 

 

 

 昔の自作図を引っ張ってきました^^ AVアンプ&スピーカーという音響装備の場合、これが基準且つ理想的なスピーカーの置き方です。 一応中央部がリスナー席となります。 …と、0.1chを担当するサブウーファは『どこでもいい』とは書いてありますが、なるべく前方のフロントスピーカー近傍が理想。 そして、様々なクチコミによると、サブウーファ1台置きならセンターとどちらかのフロントの間、迫力重視の場合2つを左右対称に置ければ音場が安定するとのことです。 (二股のラインケーブルや、0.1chライン出力が2系統あるAVアンプも存在します)

 

 2018年現在でも平面6ch・7chの音声データを持つコンテンツは少数なので、サラウンドバックを入れる意義は薄く…、床置きするのは5.1ch分で十分。 その代わり、フロントスピーカーLRの上にイネーブルドスピーカーというものを置いたり、出来る場合は天井吊り下げスピーカーを設置すると、Dolby Atmos、DTS:Xという立体音響を安定的に再現できます。 また、立体音響規格がソフトに収録されていなくとも、最新AVアンプには自動解析で前方上部音場を作り出して音場の密度感を高めてくれるものもあります。

 

 

 

■ 設置位置選定のポイント

 

 ・ フロントスピーカーとセンタースピーカーは上図の通りにする

 ・ サラウンド(&バック)スピーカーは左右対称で角度を優先して揃える

 ・ サラウンドはリスナーの真横や、やや前方でも良い

 ・ センタースピーカーが置けない・違和感がある場合は無くても良い

 ・ センタースピーカーをラックに置く場合、低域音をカットする設定に

 

 リスナー前方は文字通り最も注意の向く前方なので、絶対にこのようにします!! …というと言葉は強いのですが、やはり上図のような配置を忠実に実行しないと、フロントの音場の再現性はもちろん、他のスピーカー(チャンネル)の補正・バーチャル感・統一感が出にくくなります。

 

 現在、AVアンプの自動音場補正機能も高性能にはなりましたが、やっぱり元々の配置が適正に近いほうが無理な補正をせずに済み、違和感も軽減できます。 家具などのせいで理想通りに置けない場合は、角度を対称とすることを優先します。

 

 背後の壁が近かったり家具があったりするとサラウンドスピーカーが置けません。 それでもリスナーの真横からやや前方で良いのでスピーカー配置をしたほうが迫力と没入感が違います。 そしてサラウンド音楽再生ではむしろ前置きのほうが臨場感良く聴くことが出来ます。

 

 センタースピーカーも意外と設置に難儀しますw 映画再生においては主に人物のセリフを担当するので重要っぽいですが、無いなら無いでフロントスピーカーへセリフを振り分けるように出来ているのでその点は心配ご無用。 ただし、フロントスピーカーを上図のように配置した場合、セリフが画面とリスナーの中間位置で発音しているように感じてしまうことがあります。 フロントスピーカーを遠ざける・ディスプレイ画面を前に出すなど対策が必要。 (映画・映像作品は画面の向こうで物語が展開しているので、基本的には音が画面向こうに展開する(やや引っ込む)のが正解。 音楽鑑賞では突出しても引っ込んでもお好みでOK)

 

 また、センタースピーカーをラックの上、またはラック内に収めている場合、低域が反響し籠る可能性があります。 サブウーファー接続環境だったり、フロントスピーカー(他)に十分な低域音再生能力があればセンタースピーカーは150Hz~200Hz以下の音声をカットする設定にします。(そのような設定ができるアンプ、THX環境設定ができるアンプのみ) ラック内の機器に不要な振動を与えないようにするのにも有効です。

 

 

 

■ 天井スピーカー、イネーブルドスピーカーは…??

 

 私自身未経験なので設置に関しては当記事では省略^^; 『天井スピーカー』というのは敷居が高いですよね…。 しかしまぁDolby Atmos、DTS:Xを再生したいなら、まずはファントムで効果・満足度の有無を確認した上で『イネーブルド…』の設置は検討してもいいかもしれません。 もちろん対応アンプではそれの音質補正も行います。

 

* イネーブルドスピーカーとは、フロントスピーカーLRの上に置いて使用する振動板が上向きのスピーカー。 天井に音を反射させ天井スピーカーの代わりとする。 あくまで反射音を利用するため天井スピーカーに比べて音の立体感は劣る

 

 

 


 

 

 

続・ホームシアター構築の手引き はじめに

続・ホームシアター構築の手引き ディスプレイ編

続・ホームシアター構築の手引き プレーヤー編

続・ホームシアター構築の手引き アンプ編

続・ホームシアター構築の手引き スピーカー配置編

続・ホームシアター構築の手引き スピーカー選定編

 

 

 

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