■ AVアンプと繋ぐスピーカー、全部同じ機種・シリーズでそろえた方がいい…??
一昔前はそのように言われてました。 自動補正が発展途上だったり、そもそもAVアンプ登場時には自動補正なんて便利なものは無かったので、なるべく個体差を少なくして補正の結果を良くしたり聴覚を頼りにした調整をラクにしようという考えからです。
ちなみに、なぜ補正する必要があるのかというと、スピーカーの機種ごとに再生周波数帯の広狭のばらつき・出音の大小にムラがあり、もし別機種が混ざってしまうとそれらユニット(振動板)の動きのムラが音声再生の足並みを乱して"包み込まれるようなサラウンド"を形成できなくなるためです。 『形成できない』とは、スピーカーそれぞれが自己主張するようにバラバラに鳴ってしまい"空間を満たす"一体感のある音場を作ることができないということ。 できることならすべてのスピーカー同士が違和感なくステレオフォニックに聞こえるように調整することが理想です。
…では、実際に全機種同じに揃えた方がいいのか??ですが、自動補正が出来るAVアンプをお持ちなら、個人的には揃える必要は無いと考えてますw
実のところ、再生周波数(周波数ムラ)は置かれた場所(壁までの距離・空間容積)でもコロコロ変わりますし(*)、AVアンプの自動補正はその室内音響特性も込みで補正していきますので、"適正な音場"を形成するためには全スピーカーが同じ(同シリーズ)であってもアンプは何かしらの補正を行うからです。 (しかしすべてのスピーカーが違う機種というのは無茶です。 せいぜい左右対称に同じ機種を配しましょ^^;)
* バスレフ、反響、回析効果などによる。
■ フロア型スピーカーが音的に良い??
音質的にはブックシェルフでもどちらでも構いません。 フロア型/トールボーイはツイーターを椅子・ソファに座ったリスナーの耳の高さにするために背を高くしていると考えてください。 他にも、ブックシェルフ型ではスタンドのことを考える必要があったり費用の面でも面倒ですよね…w
一部レビューでは『フロア型は低音が響きすぎる』と言われますが、フロア型の多くがダブルウーファーであったり、そのウーファーが床に近いことで不要共鳴が出るのが原因かと思います。 スピーカー前に布製の敷物を敷くと吉。(その際スピーカーの土台・スパイク・フットが敷物を踏まないように)
■ フロントスピーカーの一点豪華主義!!
ホームシアターと言っても、せっかくアンプとスピーカーがあるので当然オーディオセットとしても用いたいです。 そういうときにフロントスピーカーが細いフロア型だと気分的盛り上がりに欠けます^^; また、すでにオーディオ環境を構築している場合は元々ある"こだわり"のスピーカーを継続利用したいですし、別途ホームシアター用のフロア型を導入するのは邪魔で金銭的にモッタイナイ。
フロントスピーカーをステレオ再生兼用として"こだわり"の機種で奢る…、有りだと思いますw
現在ではAVアンプの補正機能も高性能になり、また、DSPなどのデジタル部材の発達により入力された音声の規格・音質を劣化させずに補正できるようにもなりました。 『音質の足並みがそろわないんでしょ??』といって無理に全スピーカーをホームシアター用同機種(同シリーズ)にする必要はありません。
ステレオ再生では"こだわり"の豪華なフロントスピーカーから無補正で再生。 映画を鑑賞する際は補正をかけて音場いっぱいに迫力を感じる、ということが不満少なく両立できます。 音楽・映画で装備を分けることを考えずとも可です(=゚ω゚)ノ
といっても個々の機器の相性、ユーザーの好みなどもありますので、各自試行錯誤で環境を構築してくださいね^^; (無責任w)
■ おまけ スピーカーキャビネットの表面素材やその状態
これまで視聴してきた経験上、違う機種同士のスピーカーのスペック的なバラツキは、ほとんどアンプの自動補正で補正できると考えてます。 特にPioneer製とSONY製アンプの補正能力は太鼓判を押しても良いです^^; (大言壮語w …ですが個性も潰してしまいます。 ステレオ再生時は補正を切る、またはフロントの音声に他を合わせる設定などすると吉)
ただ一点、スピーカーのキャビネット(箱)の表面素材とその状態だけはなるべく揃えた方がよさげかな?と思います。 フロントスピーカーが無垢材ならサラウンドも無垢材、突板なら突板、塩ビのシートなら塩ビのシート、光沢塗装なら光沢塗装、といった具合ですね。
スピーカー外装の材質は、周波数や音圧という明確なスペックとは違う、"響き"、"余韻"に関係があります。 この点が揃わないと、時間経過による"響き"の差で音反射・減衰のバラツキが出てスピーカーの足並み(音並み)が揃わなくなってしまう…のではないかと考えています。 というか自宅にてそう思しきことを体験しています。 なのでとりあえず記しておきます、参考にしてみてください(=゚ω゚)ノ