■ 購入1ヵ月の感想
恒例の1ヵ月使ってみた感想です。 今回は中古での購入だったためか、購入後からの音質変化などが感じられず、エージングいらずでしたw ま、微妙なところは変わっていたかもしれませんが…、その点だけは比較ができていません、ご了承ください^^; 登場してから約5年も経つ機種ではありますが(汗)、中古導入の参考や今後の(…)同ブランドの"ダイレクトエナジーHDアンプ"機を占う目的で見てください。
基本的に、拙宅では音質以外の使い勝手にLX83からの変化はありません。 引き続き、HDMI接続のAV中核アンプとしての使い方では至極真っ当で伝統的な出来。 HDMIの映像面では、当機ではアンプ状態のオンスクリーン表示が可能なのでそれに期待をしていたのですが、HDR信号スルーに対応しておらず数珠繋ぎ接続はできていません、残念。 そういった際でもプレーヤーにHDMI出力2系統装備機を導入し、HDR対応TV(ディスプレイ)と直接接続すれば規格対応をしますし、映像・音声別伝送(*)によってそれぞれ純度の高い情報量を鑑賞できる可能性を高められます。
* 『(HDMI)セパレート接続』といいます。
…ああ、1つ使い勝手で変化がありました。 LX83と違ってリモコンが無線ではなくなったことで、リモコンをいちいち手に取って本体に向ける必要が出てきてしまいました^^; これも調べた結果、後のモデルから削除されたようです。
■ LX88のここが『○』
・ 更にメリハリやレスポンス、ダイナミックレンジが上がったような音
・ DSDダイレクト再生
・ 『Dolby Atmos』に対応
オーディオアンプとしての基礎体力。 余裕の音量や朗々と鳴る『ダイレクトエナジーHDアンプ』の性格はそのままに、にじみやダボつきが更に少なくなったさっぱり音質を実現。 従来のマニア評(^^;)だとさっぱり過ぎて無味乾燥でつまらない音とされそうですが、"映画鑑賞"も加えて評すれば、ソースに忠実な純度の高い音なのではないかと個人的に評価します。 …現実的にはLX8*クラスの出力は一般家庭には豪華すぎると思います^^;(*) 機能面を除いたアンプ体力としては、~8帖(畳)は『LX5*』クラス、~12帖は『LX7*』クラスが適。(*)
* スピーカーのスペックが大体6Ω/90dBの場合。 繋ぐスピーカーのインピーダンス、能率により一概にはいえません。 小さいオーディオルームであっても、予算があれば念のためLX8*クラスを買ったり、プリアウトしてより体力のあるアンプと繋ぐのがオススメ。 また、『一般家庭では20w×2くらいの出力で十分』というようないわれ方もしますが、実際の音量の程度は各人の好み・感受性・環境やスピーカーのスペックが関係しますし、高出力になるほど小出力時の歪みを低く抑えることができますので、アンプの出力が高いほど音純度(?)も高く保てます。
DSDダイレクト再生が可能。 つまりDSPをスルーしてDACで直接DSD/アナログ変換ができる経路が実装。(LX85から実装) LX83ではダイレクトに設定しても実際は176.4kHz/32bitへの変換再生でしたので、これでもDSD2.8MHzを十分表現できる豪華な仕様ではありましたが"気分的"にやや不満な点でした。 とはいえダイレクト再生可能だといっても常用しているわけではなく、ステレオ再生時にチラチラ試してみて聞き分けで楽しんでいる程度、個人的にも音質面で重要とまでは言えない点です(笑)
Dolby Atmos音声規格対応。(LX88から対応) 従来からの平面サラウンドを進化させ、天井に配置したスピーカーで積極的に立体サラウンドを展開させる、2019年現在でも最新の音声規格です。 ですので、Atmosの音声を再生させたいだけならこの年数辺りの古い機種でも役立ちます。 信用できる店から対応機を中古で導入してもいいでしょう。 (対応と銘打っていても、後のアップデートで対応した機種もあります。 念のため購入後にシステムアップデートを試行してください) ちょっと不満なのが高精度な立体音響のバーチャルには対応しないこと。(フロント方向のハイト・ワイドの簡単なバーチャルのみ) まぁ双方の立体音響とも高精度な計算によって音を配置しているので、この頃の家庭向けアンプのプロセッサ程度ではバーチャルを再現するのは不可能だったのではと思います^^;
* サラウンド設定時のスピーカー動作状況は、アンプファームウェアVer 『295-008-518-124』時のもの。
■ LX88のここが『×』
・ バーチャルデプス(V.DEPTH)、オメェはダメだ!!
・ 分かりにくいスピーカーパターン選択
・ 映像規格『HDR』信号に非対応
3D映像視聴時に音にも奥行を付与するとしたバーチャルデプス機能…、完全に欠陥機能です^^; 前の記事でもお伝えした通り、この機能は、例えば微細な音声を"遠くで鳴っている"と誤判別することがあり、その部分に不要なリバーブを付け、音量を下げるなどの余計な改変をしてしまいます。 聞きにくいったらありゃしないw この機種(とメーカー)の評価をメチャクチャ毀損しちゃったのではないかと思います。 とにかく、同機種を購入後は念のためリモコンのオーディオ設定を押し、『V.DEPTH』を選択してOFFなのを確認します。
初見殺しのスピーカーパターン選択。 これも単なるシングル接続の『平面5.1ch』『平面7.1ch』などの簡易な選択肢も用意してほしかった…。
自宅では試せていませんが、家電情報サイトの情報を見ると、LX88のHDMIは4kコンテンツ(配信・ディスク)に収録されていることがあるHDR信号に非対応です。 なので4k HDRを見たい場合はシンプルな数珠繋ぎ接続(*)ができず、そうするとアンプの状態をTV(ディスプレイ)に映し出せるオーバーレイもできません。 しかし冒頭でも書いたように、HDMI出力が映像・音声別の2系統を装備したプレーヤーを導入すればHDR問題は解決しますし、映像と音声を別に送ればそれぞれの干渉を最小限にとどめられる利点(効果極小)があります。 (ちなみに、同ブランドの『SC-LX89』からはHDMIが4k HDRに対応します。 数珠繋ぎ希望ならこれ以降の機種を選ぶと良いです)
* プレーヤー(レコーダー)とTV(ディスプレイ)の間にAVアンプなどのデジタル音響機器を接続させる方法。 別名『デイジーチェーン接続』。 対義語が『セパレート接続』。
■ SC-LX88は買いか否か!?
LX88は、2019年現在最新である立体音響Dolby Atmosに対応。 ですのでAVアンプとして見た場合、2019年においても音声規格上は十分活躍できる機体になります。 以下、それを踏まえての注意点です。
・ 10ch(10個)以上のスピーカーを鳴らしたい場合は別途アンプが必要
・ HDMIがHDR非対応
・ 製造年が経っているので、アプデによるサポートは期待できない
立体音響の完全再現には、お部屋の空間の大きさによっては天井スピーカーが多数(多対)必要になることがあります。 LX88は9個のスピーカーを(個別に)鳴らすだけのアンプしか持たないので、鑑賞部屋が大きかったり、天井に加えてサラウンドバックスピーカーも置くとなると9chのアンプでは足りなくなる場合があります。 そんな時は、同社なら11chのアンプを搭載し、DTS:Xにも対応する2019年現行の『SC-LX901』がオススメです。
4k HDRの普及が進む中、HDR非対応であり、プレーヤーとのHDMI数珠繋ぎがしにくいのも難点。 これは同社製なら『SC-LX89』(LX*9モデル)から対応します。 ただし、映像の追加情報規格は音声と違って間断なく登場していますので、この点は最新AVアンプを追うよりも、BD(4k)プレーヤーにHDMI出力2系統装備の機体を導入しディスプレイと直結させれば、少なくともアンプの規格で悩むことはなくなります。
オンラインアプデによる機能追加・不具合修正はおそらくもう期待できませんね^^; これは技術的問題というよりは、経営面も含めた上での推測。 また、年数経過によって修理部材の在庫が減ってきているのは確かなので、箇所によっては修理不能になる可能性も更に高まり、中古だと当然保証が手薄なのでメンテ費用がかさむことも覚悟しなければなりません(`・ω・´)
AVアンプ Pioneer SC-LX88 2019年イマサラ導入記
AVアンプ Pioneer SC-LX88 音源ごとの音質鑑賞編
AVアンプ Pioneer SC-LX88 音場モードごとの音質鑑賞編
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AVアンプ Pioneer SC-LX88 まとめ 購入1ヵ月で見えたコトなど
AVアンプ Pioneer SC-LX88 オブジェクトオーディオ計画編
AVアンプ Pioneer SC-LX88 イネーブルドスピーカー導入編
AVアンプ Pioneer SC-LX88 イネーブルドスピーカー設定編