艤装、マストや帆の製作です。
ブリタニアはとてもシンプルな一本マスト船。 帆を支える主な木材は以下のとおり。
・ロワーマスト
・トップマスト
・バウ・スプリット
・スパンカーを支えるガフ、ブーム
・トップスルを展開させている二本のヤード
図面から寸法を取って製材します。 先細りの工程が意外に大変でした 今でこそ旋盤などを使っていますが、このときは主にデザインナイフとヤスリでせっせと削りました ノギスで寸法を確かめながら削ります…。
ブーム(左)と、マストに付ける金属製部品です。 一部金属部品の寸法が合わず、接合できなかったので、その部分を自作…。
しつこいですが、外国製キットにはよくあることなんです
とりあえずマストを立てたところ。 画面中央の黒い棒がマストで、この段階では未接着の状態。 マストの両脇にある金具が、マストを支持するためのステイの取り付け金具です。
実は、これ以降は製作に没頭してしまい、写真を撮るのを忘れていました…。 以下、完成状態の写真を交えてリギングなどの解説になります。
船首、バウ・スプリットの様子。 現在所持のデジカメは接写に弱いので、ピンボケなのはご勘弁を…。 肝心の模型のほうですが、現代船らしく、金具を多用してすっきりした印象です。
船体中央、マストの根元。 左側が船首となります。
黒く太いロープがマストを支持するステイ(シュラウド)。その他のベージュのロープが主に帆や帆桁を”操作”するロープです。
リギングを製作するとき、ロープ類は以下のように覚えます。
・ 黒いロープは、マストなどを固定するのに使う。 静索(スタンディング・リギング)
・ 比較的明るい色(白はダメ)のロープは、帆や帆桁など、実船において動かすことが出来るロープに使う。 動索(ランニング・リギング)
・ 帆布の補強のためのロープも明るい色のものがいいでしょう。
マストのトップ付近。 見にくいですが、写真中央から左寄りにマスト、そこから大きく右上にのびているのがガフです。 スパンカー下端の帆桁、ブームを支持するロープもここから吊り下げられる形になっています。 (右舷側)
船尾です。 最後尾奥に見えるのが、スパンカーの動きを制限しているロープと滑車。 これがないと追い風の時にスパンカーが暴れてしまいます
中央手前の滑車が付いている部分はバック・ステイ(静索)の一部なんですが、風や波の状況によって絞めたり緩めたりするために、ここだけ動索になっています。 上側のスパンカーから垂れているロープは、帆を半開にした時に帆をまとめる役割を持っています。
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・ ロワーマスト : マストが複数の段になっている場合、一番下段の部分のこと。
・ トップマスト : マストが複数の段になっている場合、一番上、またはそれに近い部分のこと。
・ バウスプリット : 船首から突き出たマスト。
・ ガフ : マストの後ろに付く台形の縦帆・スパンカーの、上端を支える帆桁のこと。
・ ブーム : スパンカーの下端を支持する帆桁。
・ ステイスル / ジブスル : マスト間に張られたステイ・ロープに付く、補助的な帆。 場所によって名称に差異があります。
■ リギング製作のワンポイント
ロープを端を糸で括って接着する際には、木工用ボンドの使用をお勧めします。 強い接着力を持つものでくっつけてしまうと、模型を引っ掛けたり落としてしまった時などに、船体に衝撃が伝わり易くなり、大きな破損の原因になります。
瞬間接着剤も白化したり折れやすくなったりしますのでお勧めしません。
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これにてブリタニア製作記はおしまいです。 説明不足だった点は今後の製作記で紹介する予定であります